水槽の中でサカナもケンカする? 混泳・複数種の飼育で気を付けるポイントとは
水槽の中は静かで癒しの空間──そう思っていたのは、魚を飼い始めた最初の頃だけでした。
実は、魚たちにも性格や相性があって、飼育がうまくいかないこともしばしばあるのです。特に複数の魚を同じ水槽で飼う「混泳」においては、予想外のケンカやトラブルが起こることも少なくありません。
実際に、私の実家では父が淡水魚を飼っていたのですが、その際にいくつもの「魚同士の争い」を目の当たりにしました。今回はその体験をもとに、混泳・複数種の飼育で気をつけたいポイントをお伝えしたいと思います。
実際に起きた魚同士のケンカ
私の家では一時期、シルバーアロワナと淡水エイなどを同じ水槽に入れていました。一見、この組み合わせは問題なさそうに思えましたが、なんとシルバーアロワナが淡水エイをいじめはじめたのです。
さらに、淡水エイは意外とデリケートだったようで、だんだんと弱っていってしまいました。見ていてハラハラする反面、魚にも「感情」や「意思」のようなものがあると感じた出来事でもありました。
平和な水槽をつくる工夫
ケンカを防ぐには、「相性の良い魚を選ぶ」ことが第一ですが、それでも絶対に争いが起きないとは限りません。
シルバーアロワナが淡水エイをいじめた後、対策として行ったのがシルバーアロワナを単独で飼育することでした。シルバーアロワナに関しては、1匹で飼う方がコンディションも良く、穏やかに過ごせるようにと感じます。
そして、それ以外の工夫としては、隠れ家になる草や石を多めに入れることです。
別の水槽でも熱帯魚をたくさん飼っていたのですが、やはりそこでもいじめやケンカが見られました。
魚の相性も大事なのですが、魚たちにとって居心地の良い環境を作るのも大切です。実際に、イソギンチャクやライブロックなどの視線を遮るものや共生関係のある生き物を入れてあげると、ストレスが軽減されるのか魚同士の小競り合いが減りました。
魚をよく観察しよう
攻撃的な魚や大型の肉食魚の場合、同居しているほかの小さな魚や甲殻類を傷付けてしまうこともあります。
生物同士の相性を知るには、アクアリウムショップの人や飼育歴が長い人に聞いたり、飼育本を見たりすると良いでしょう。また、餌やりの際、エサが足りるように多めにあげる、エサが分散するように複数の場所に落とすと、争いを避けられることもあります。
飼育初心者がはじめから、混泳・複数種の同時飼育を完璧に成功させるのは難しいでしょう。大切なのは、「観察すること」と「気づいたらすぐに対応すること」だと思います。
魚同士の相性や種類による気性などもあると思いますが、やはり環境づくりも大切ですね。
水槽の中は、小さな社会
魚との生活は、毎日がちょっとした発見と調整の繰り返しです。
魚たちにもルールと個性があって、私たちが思っている以上に繊細な世界が広がっています。
そのバランスを守ってあげるのが、飼い主の役割なのかもしれません。
(サカナトライター:せんば千波)