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国内劇場初公開!「都市・欲望・孤独」挑発的な創造性を放つ3作品を一挙上映『ベット・ゴードン エンプティ ニューヨーク』

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国内劇場初公開!「都市・欲望・孤独」挑発的な創造性を放つ3作品を一挙上映『ベット・ゴードン エンプティ ニューヨーク』

都市、欲望、孤独——。挑発的な創造性を放つ3作品を一挙上映する<ベット・ゴードン エンプティ ニューヨーク>が、11月より渋谷シアター・イメージフォーラム、今冬に大阪シネ・ヌーヴォほか全国順次公開が決定。このたび、ティーザービジュアルが解禁となった。

すべての作品が国内劇場初公開!

米国インディペンデント映画の先駆者の一人、ベット・ゴードン。1970年代末から80年代にニューヨークのアンダーグラウンドで起こった音楽やアートのムーブメント「ノー・ウェイヴ」周辺で活動した映画作家であり、「セクシュアリティ」「欲望」「権力」をテーマにした大胆な探求と創作を行っている。その初めての長編作品『ヴァラエティ』(1983)と、中編『エンプティ・スーツケース』(1980)および短編『エニバディズ・ウーマン』(1981)が、特集企画<ベット・ゴードン エンプティ ニューヨーク>と題され一挙公開される。すべての作品が国内劇場初公開となる。

これまで日本での紹介が極めて少なかった映画作家ベット・ゴードン。今回の劇場公開は、この「未知」の作家を発見し、その作品世界と作家性に触れる機会となる。ゴードンは自身の創作に影響を与えた人物として、ジャン=リュック・ゴダール、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー、ミケランジェロ・アントニオーニ、ジョン・カサヴェテスなどの映画作家たち、フランスの映画批評家アンドレ・バザン、そしてフェミニスト映画理論家ローラ・マルヴィの名を上げている。また、近年日本でも劇場公開され反響を得たシャンタル・アケルマンやウルリケ・オッティンガーら女性の映画作家と共にオムニバス映画『Seven Women Seven Sins』(1986・日本未公開)に参加していることからも、ゴードンがフェミニスト映画理論などを踏まえた、現代的で批評的な映画制作を実践する作り手であることが伺い知れるだろう。

ティーザービジュアルは、長編『ヴァラエティ』の舞台で、かつてニューヨークにあったポルノ映画館「VARIETY PHOTOPLAYS」を正面から捉えた写真を使用したもの。鮮やかなネオンの光が美しく輝く様子は、都市の猥雑な夜の雰囲気を醸し出している。19世紀末に建てられたとされるこの建物は、営業形態を変えながらも2004年まで「劇場」として遺っていた。その変遷の中でポルノ映画館だった時期があり、マーティン・スコセッシ監督『タクシードライバー』(1976)でもその外観を見ることができる。客席など内部を捉えている『ヴァラエティ』はこの歴史的なランドマークの一つの記録とも言えるだろう。

『ヴァラエティ』©1983 Variety Motion Pictures. All Rights Reseved. ©Kino Lorberinc. All Rights Reseved.

本企画の中心的な作品となる長編第一作『ヴァラエティ』は、これまでフェミニズム映画の文脈で捉えられながらも、「ポルノ」「ポルノ映画館」を取り上げてるために初公開当時から物議を醸し、様々な議論を起こしてきた。ゴードンは本作について、「男性的な空間に侵入し、それを覆したかったのです」と語っている。

この「挑発的」「攪乱的」とも言えるゴードンの企みに様々な才能が集結。脚本は実験的な小説家として日本でも1990年代に盛んに翻訳書が刊行されたキャシー・アッカー(『血みどろ贓物ハイスクール』)が担当。撮影はジム・ジャームッシュ監督『ストレンジャー・ザン・パラダイス』(1984)などで知られるトム・ディチロが担う。音楽は、バンド「ラウンジ・リザーズ(The Lounge Lizards)」で活動していたジョン・ルーリー。ディチロと共に初期ジャームッシュ組の重要人物であるルーリーが関わっていることからも、当時のニューヨークのインディペンデント映画を取り巻く状況、ひいてはアンダーグラウンドなアートシーンが垣間見られる作品とも言える。そして、写真家のナン・ゴールディンが「ナン」の役名で出演。本作制作時にスチール写真の撮影に携わり、2009年には同名の写真集が刊行されている。ほか、ウィル・パットン(『ミナリ』)、ルイス・ガスマン(『ブギーナイツ』)、ジョン・ウォーターズ作品常連のクッキー・ミューラーらが出演している。

『エンプティ・スーツケース』
『エニバディズ・ウーマン』

中短編2作品は、ゴードンの初期のキャリアである実験映画作家としての側面が色濃く出ている。『エンプティ・スーツケース』は、国際映画祭などで上映されて高く評価され、『ヴァラエティ』制作への足がかりとなった作品である。この作品でもナン・ゴールディンが出演・参加している。また、『エニバディズ・ウーマン』は映画館「VARIETY PHOTOPLAYS」を舞台に制作され、長編『ヴァラエティ』のプロトタイプと呼べる作品であり、直接的な繋がりを持つ内容となっている。制作から40年余りの時を超えてスクリーンに登場する3つの作品。現在の観客たちの眼にどのように映るのだろうか?

<ベット・ゴードン エンプティ ニューヨーク>は11月「渋谷シアター・イメージフォーラ」、今冬「大阪シネ・ヌーヴォ」ほか全国順次公開

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