大人も子どももたのしめる!札幌で出会う“洒落た木版画” の世界「カフェのゆったりとした時間とシンクロ」【札幌市南区】
札幌・南区の人気カフェ「Cafe RawLife(カフェ ロウライフ)」で木版画家wahee(ワヘイ)さんによる初の個展「和平木版画展 "waheexhibition"」が開催中です。親しみのあるモチーフを洒落た造形センスで描くwaheeさんの木版画。会場では新旧15点の作品が展示され、カフェの穏やかな空気とともに、ゆったりとアートを楽しむことができます。
【画像で見る】親しみのあるモチーフの木版画!和平木版画展 "waheexhibition"の様子(全6枚)
紙の表面を隆起させる技法を効果的に取り入れた作品
専門学校でグラフィックデザインを学び、東京の印刷会社で勤務した後、2016年頃から数々の浮世絵や木版画作品を目にするようになり、独学で木版画制作を始めたwaheeさん。まずは年賀状づくりから始め、2019年に札幌へ戻ってからは本格的に制作に取り組むように。
新人版画作家の登竜門「CWAJ現代版画展」や、「アワガミ国際ミニプリント展」に入選した作品では、和紙の表面を隆起させる浮世絵の「きめ出し」という技法(今で言うエンボス加工)を取り入れることに挑戦。この技法は本展での《sunny side up》や《onigiri》でも効果的に使われており、ふっくらとした質感が目を引きます。会場にはもう1点、この技法を使用した新作(意外なモチーフ!)があるので、ぜひチェックしてみてください。
エレキギターのデザインに影響!?滑らかな曲線が魅力
作品を特徴付ける滑らかな曲線は、waheeさん曰く「子どもの頃から好きだったエレキギターのデザインに影響を受けている」とのこと。初期のモチーフは愛らしい動物たちが多かったところから、近年食べ物や人間へと広がり、最近は無機質なものへと目が向くように。フライヤーに使用されている作品はその流れで制作したもので、自身が好きなタイポグラフィーや排水パイプのデザインからインスピレーションを受けています。
カフェの心地よさとアートが融合する“ゆったりとした空間”を
「Cafe RawLifeの店主の人柄も魅力的で、子どもも連れてきやすいところが(初個展の会場として)良いなと思いました。フラリと立ち寄って、版画を学校で習う前の子どもも、習った後の人も、こんな版画があるんだなと楽しんでもらえると嬉しいです」とwaheeさん。彼の作品には「Cafe RawLife」に流れるゆったりとした時間とシンクロするような味わいがあるので、ぜひ足を運んでのんびりしていってくださいね。
和平木版画展 "waheexhibition"
■開催日時:2025年10月16日(木)~11月24日(月) 11:00~18:00
■会場:cafe RawLife(札幌市南区藤野5条6-13-10)
■料金:無料
※カフェ店内での展示となりますのでワンオーダーをお願いします。
■定休日:月曜・火曜・水曜
※※11月3日(月)、4日(火)、5日(水)、24日(月)はオープン
【ライタープロフィール】
松田 仁央(ライター)
2007年から2010年まで「WG」というフリーペーパーを発行しつつ、2010年からフリーランスのライターとして活動。舞台芸術と美術が特に好きです。2002年頃からギャラリー等で絵画を中心に作品を購入しています。ここでのレポートが、誰かが「自分の一枚」に出会うきっかけになったら嬉しいです。