「アガサ・オール・アロング」が『スパイダーマン4』のヒントに?記憶にまつわる魔術の限界
マーベルの新ドラマの第1話では、前シリーズ「ワンダヴィジョン」の最終話でワンダに記憶と魔力を消されてしまったアガサ・ハークネスが、元の記憶を取り戻していく様が描かれた。
彼女が魔術を破って記憶を蘇らせることができたということは、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』のラストで、ピーター・パーカーにまつわる記憶を消された人々にも、同じことが起こりうるのではないだろうか?
この記事には、「アガサ・オール・アロング」第1話と『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』のネタバレが含まれています。
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記憶を操る魔術には限界がある?-->
この記事には、「アガサ・オール・アロング」第1話と『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』のネタバレが含まれています。
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「ワンダヴィジョン」の最終話でワンダに敗れたアガサは、「アガサ・オール・アロング」第1話『道を探せよ』でアグネスとして刑事ドラマの世界の中に閉じ込められていた。しかし、事件で発見された遺体がワンダ・マキシモフだったと気付くと、アグネスに異変が生じ始める。暑い、暑いと言いながら衣服を脱ぎ捨てていくと、「ワンダヴィジョン」時のエアロビ姿に変身、かと思いきやモノクロの姿に変貌したりと、彼女の外観は不安定なものとなっていく。
アグネスに接近するリオ・ヴァイダルによれば、ウエストビューでは「身元不明の女性が2人」姿を消したことになっていた。1人はワンダ・マキシモフで、そのもう1人こそ、アガサ・ハークネスだったのだ。アグネスは自ら、自身の正体がアガサ・ハークネスだったという事実に辿り着き、かつての記憶と共に()目覚めることとなる。
「アガサ・オール・アロング」第1話は、記憶を操る魔術には限界があることを示した。厳密には、ワンダがアガサにかけた魔術は、“アグネスという一般人のペルソナに、アガサを閉じ込める”というものであるのだが、アガサという自分の正体を忘却させられていたのも事実だ。「アガサ・オール・アロング」の第1話では、まずアグネスの前に現れた少年が取調室でなんらかの呪文を唱える。続いてリオは、アグネスは魔術によって呪縛されているが、抜け出すことができると告げた。何かのきっかけがあれば、記憶の魔術はそれを唱えた本人がいなくとも解除されることがあると推定できる。
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これに倣えば、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』で唱えられた「世の中の全員がピーター・パーカーのことを忘れる」という魔術の効力も永久不滅ではないと言える。『ノー・ウェイ・ホーム』のラストでは、ピーターが自分のことを忘れたMJに会うためにコーヒーショップを訪れていたが、このシーンの脚本では、店から出ていくピーターを見つめながらMJは既視感を心の中で感じていたと書かれているのだ。さらに、同シーンのMJは、前作『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』でピーターから贈られたブラック・ダリアのネックレスを着用している。
「アガサ・オール・アロング」でアガサがワンダにかけられた魔術を解いたように、MJや、ピーターと親しかった人々は、ドクター・ストレンジの魔術を何かしらの方法で自ら解くことができるかもしれない。すでにその片鱗を示したMJは、きっと「愛の力」でストレンジの魔術を超えることもあり得るだろう。
企画中という『スパイダーマン』第4作では、ピーター・パーカーがたった1人で自警団活動を続けているところから始まるだろう。新たなヴィランが現れ、“親愛なる隣人”が孤立無援の大ピンチに陥ったとき、MJやネッドが彼との記憶を取り戻せば、非常に大きな助力になるはずだ。