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【フェブラリーS】Kingmambo系の大型馬が活躍 根岸S完勝のコスタノヴァは血統、ローテとも文句なし

SPAIA

2025年フェブラリーSの注目血統,ⒸSPAIA

傾向解説

2025年最初のGⅠ・フェブラリーステークスは芝スタート、ワンターンの1600m、コーナー角が緩やか、直線が長いなど、12月のチャンピオンズCとは相違点が多く、よりスピードの持続力が求められる条件です。本記事では血統面を中心に、フェブラリーSのレース傾向を整理していきます。

最初に紹介したいのは、距離延長<距離短縮の前走距離別傾向。もちろん、同距離からのローテーションも悪くありませんが、格や間隔が合わないことが多いため、結果的には距離短縮馬の成績が最も良い結果となっています。

冒頭に触れた通り、東京ダート1600mは日本のダートコースの中でも特殊性の強い舞台のひとつであり、特に東京以外の前傾ラップになりやすいダート1400m以下とはレースの質が大きく異なります。

昨年も11番人気1着ペプチドナイル、5番人気2着ガイアフォースが距離短縮のローテーション。サウジC→ドバイWCのローテーションが中距離馬の主流になりつつあり、出走頭数は減少傾向にあるものの、今後も距離短縮組は軽視禁物の存在です。

ちなみに、過去10年において距離延長のローテーションで好走した11頭中9頭は根岸Sの連対馬で、残る2頭はJBCスプリントと兵庫ゴールドトロフィーからの臨戦でした。

特に根岸S連対馬の好走率はかなり高く、ローテーションの序列は距離延長・同距離<距離短縮<根岸S連対馬という並びでしょう。


<前走距離別成績(過去10年)>
・距離延長【4-3-4-56】
勝率6.0%/連対率10.4%/複勝率16.4%/単回収率31%/複回収率50%
→根岸S連対馬【4-2-3-4】
勝率30.8%/連対率46.2%/複勝率69.2%/単回収率160%/複回収率163%
・同距離【0-0-1-10】
勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率9.1%/単回収率0%/複回収率20%
・距離短縮【6-7-5-62】
勝率7.5%/連対率16.3%/複勝率22.5%/単回収率70%/複回収率89%

血統面ではサンデーサイレンス系の不振が特徴的。日本競馬は芝1600~2400m、特に東京芝2400mと阪神芝1600mを中心にGⅠが組まれており、それに合わせて生産が行われ、そして同条件に強い血統が日本の主流血統として繁栄しています。

近年の日本競馬を牽引しているサンデーサイレンスの血は当然上記の条件に強い血統であり、反対にスプリント戦やダート戦では他のスペシャリストに分があるというわけです。特にチャンピオンズCとの対比は大きく、同レースで凡走した馬の反撃には注意が必要です。


<父or母父サンデーサイレンス系(過去10年)>
・フェブラリーS【4-6-3-77】
勝率4.4%/連対率11.1%/複勝率14.4%/単回収率62%/複回収率64%
・チャンピオンズC【8-9-7-81】
勝率7.6%/連対率16.2%/複勝率22.9%/単回収率120%/複回収率103%

注目血統はKingmambo。近年のフェブラリーSは以前よりも勝ち時計が速くなっており、ダート向きのパワーだけではなく、高速決着に対応できるスピードが求められる傾向にあります。そして、そのような条件に滅法強いのがKingmamboであり、昨年は11番人気1着ペプチドナイル(父キングカメハメハ)、13番人気3着セキフウ(母父Kingmambo)が大波乱を演出しました。

ただ、Kingmambo系は多種多様な産駒を出す系統があるだけに、馬格がありスピードとパワーに優れたタイプを狙うのがベターでしょう。


<Kingmambo内包馬の馬体重別成績(過去5年)>
・~479kg【0-0-1-1】
勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率50.0%/単回収率0%/複回収率205%
・480~499kg【0-2-1-6】
勝率0.0%/連対率22.2%/複勝率33.3%/単回収率0%/複回収率196%
・500kg~【2-0-0-6】
勝率25.0%/連対率25.0%/複勝率25.0%/単回収率502%/複回収率122%

有力馬の血統解説

・コスタノヴァ
母カラフルブラッサムの半兄にはピイラニハイウェイ(2012年佐賀記念、浦和記念)がおり、母自身も芝1800~2000mで3勝を挙げた中距離馬。ロードカナロア産駒の本馬はピッチの利いたマイラー体型に出ており、幅広い舞台で能力を発揮できる優等生タイプです。

ロードカナロア×ハーツクライの晩成血統でもあるだけに、一戦毎に成長を感じさせる点も大きな魅力。根岸Sを圧勝してのローテーションも理想的で、初のGⅠ挑戦でも期待十分な素質馬です。

・ミッキーファイト
3代母エアグルーヴに遡る名牝系に属し、本馬の半兄には2022年チャンピオンズC勝ち馬ジュンライトボルトがいます。

ドレフォン産駒の本馬は兄よりもコンパクトな馬体の持ち主。中距離以上を得意とする友道厩舎から田中博厩舎に変わっている点からも、距離はマイル前後がベストではないでしょうか。新馬戦以来の1600m戦は非常に楽しみで、配合からのスケールもメンバー中屈指の一頭です。

・サンライズジパング
母サイマーはCoup de Folieの4×3という牝馬クロスを持ち、母の半兄には芝1600~2000mの豪GⅠを2勝したContributerがいます。キズナ産駒の本馬もHaloの血を4×6・5で継続しており、Storm Cat≒ロイヤルアカデミーⅡの3×4も特徴的です。

芝ダート兼用のマルチランナーで、みやこSのような高速馬場の中長距離戦がピッタリではないでしょうか。マイルのペースは少々忙しそうですが、器用さが求められない東京替わりはプラス材料です。


ライタープロフィール
坂上明大
1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。2023年11月には本島修司氏との共同執筆で『競馬の最高戦略書 予想生産性を上げる人の取捨選択の技術』(主婦の友社)を出版。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。

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記事:坂上明大

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