「この発言は撤回してもらいたいですね」 トランプ大統領、イラン核施設への攻撃を「広島・長崎と本質的には同じ」と主張
6月26日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏と寺島尚正アナウンサーが、トランプ大統領の発言に関するニュースについて意見を交わした。
藤井氏「(政府には)抗議してもらいたいですよね、『それは全く違います』と」
アメリカのトランプ大統領は25日、オランダのハーグで記者団に対し、アメリカ軍によるイランの核施設攻撃が「(イランとイスラエルとの)戦争を終結させた」と述べ、広島や長崎への原爆投下と「本質的には同じだ」と主張した。
トランプ氏は「広島や長崎の例を出したくないが」としつつ、アメリカ軍が攻撃しなければ「今も戦いは続いていた」と指摘し、攻撃判断は正しかったという見方を示した。
アメリカでは原爆投下が先の大戦で日本に戦争の継続を断念させ、日米の犠牲者がこれ以上増えるのを防いだとして正当化する人々が今も多くいるという。
寺島アナ「イランへの核施設攻撃が広島・長崎(への原爆投下)と本質は同じという、トランプ大統領のこの主張ですが、藤井さん、これはどうご覧になりますか?」
藤井氏「この発言は撤回してもらいたいですね。同じではないです。おっしゃっている意味が全くわからないというわけではないですが、例として非常に不適切だとは思います」
寺島アナ「トランプ大統領も『広島・長崎の例は使いたいくないが』と言って、この発言ですからね」
藤井氏「じゃあ使わないでいただきたい。日本としてはそう主張するべきだと僕は思います」
寺島アナ「そうですね。先ほど私がお伝えしたように、日米の犠牲者がこれ以上増えるのを防いだとして正当化する人がアメリカにいるって…」
藤井氏「それと同じロジックですよね。終わらせるために打ったんだっていうことでしょうけど、それはだって犯罪ですからね。ジェノサイドですから。それは撤回していただきたい」
寺島アナ「国際法違反ですものね」
藤井氏「まぁ国際法ということもありますし、まぁ人道上もじゃないですかね。核の使用ということは許せないです。被害者である日本国民としては抗議すべきだと思いますね」
寺島アナ「これは政府としては、どう対応していくんでしょうかね?」
藤井氏「抗議してもらいたいですよね、『それは全く違います』と。通常兵器と核兵器との間に大きな差があるわけですから」
寺島アナ「たとえば東京大空襲うんぬん、これも本来のルールとしては、全くもっていけないことをしでかしているのがアメリカっていう国ですからね」
藤井氏「全くそうですよ。私はトランプのやることに対しては概ね肯定的な評価を下すことが多いですが、それとこれとは別ですね」
寺島アナ「そうですね。ましてや普通の爆撃とは違う、核兵器を使ったというところで、訂正をしてもらいたいですよね」
藤井氏「そうですね、ナメられるにもほどがある」