夏の安眠をサポートしてくれる3つの栄養素、『GABA』『オルニチン』『エルゴチオネイン』とは?
野村邦丸がパーソナリティを務めるラジオ番組『くにまる食堂』(文化放送・毎週月曜から木曜9時~13時)内で火曜日の11時半ごろから放送されている「ホクトpresents きのこで菌活~カモン健康!」。きのこを食べて体の内側から「健康」になる方法について、「日頃の生活の中で気になる健康」をテーマに、毎週、その道の専門家に話を聴く。
今週は、『池谷医院』院長で、医学博士の池谷敏郎先生に「夏の睡眠ケア」というテーマで話を伺った。
質の高い眠りを得るためのポイントとして、体温調節がとても重要だそう。身体の中心部の熱である「深部体温」が寝る段階で少しずつ下がっていくことで、眠りの質が良くなると考えられており、暑さの中で眠る時の部屋の温度が高かったりすると「深部体温」を下げることができず、うまく眠れないようだ。池谷は眠る時の環境を整えることが大事だと語る。
野村邦丸「どうすればいいですか?」
池谷敏郎「まず、エアコンをしっかり付けていただく。これが最も大事じゃないかと思います。だいたい部屋の温度を28度以下に保ちたいので、設定は26とか27度ぐらいでエアコンつけるのがいいと思います。もう1つポイントは湿度を上げないことが大事なんです。湿度計で測った場合に60%を超えないように湿度を保っていただけるといいと思います」
邦丸「簡単に睡眠の質を上げる方法があるというんですが、池谷先生教えてもらえますか?」
池谷「そうですね。これはまず気持ちを沈めて、いわゆる自律神経の交感神経をおさえて副交感神経にする。これも眠りの質を上げるわけですけども、そのポイントがマッサージなんですね。マッサージする場所は色々ありますが、最も簡単なのは耳のマッサージ。まず、親指と人差し指で両耳をつまんでいただいて。まず上の部分つまんだら上に引っ張っていく。ぎゅ~っと引っ張って、また戻す。今度横の部分をおさえたら横にグッと引っ張って、また戻す。今度は耳たぶの辺りを触って、ぐっと下に下げてまた手を離して戻す。これを3回ずつぐらい繰り返してもらうといいかなと思うんです」
邦丸「簡単ですね」
池谷「そうなんです。こうすると、高ぶった交感神経、神経の緊張が和らいで副交感神経優位になって眠りに入っていくことができます」
邦丸「こんな簡単なマッサージでだいぶ違うもんですか?」
池谷「そうですね。首周りを少し動かしてもらってもいいんですけども、ちょっと耳を触っていただくと手っ取り早いかなと思います」
邦丸「良いこと聞いた。肝心の食事ですが、何を摂ればいいでしょうか」
池谷「そうですね。夏の摂りたい栄養素のポイント3つあるんですけども、まず大事なのが『GABA』という成分ですね。これはストレスホルモンの働きをおさえてくれて、リラックスモードに変えてくれるんですね。快適な眠りにもつながりますし、精神的なリラックスにつながっていきます。もう1つは『オルニチン』なんですね。これは肝臓に良くて、もう1つ大事なポイントがあって、ストレスを感じた時に分泌されるストレスホルモンを抑制する働きがあるといわれてるんです。これはきのこにも入ってますからね」
邦丸「さっきの『GABA』も『オルニチン』もきのこに豊富に含まれている」
池谷「そうなんですよ。この2つの成分はリラックスに働くんですけども、これがきのこに含まれているわけですね」
邦丸「3つ目は先生どうですか?」
池谷「3つ目も実はきのこならではの成分なんですけども、きのこの様な菌類でしか作ることができない希少なアミノ酸なんですが、『エルゴチオネイン』というものがあるんです。最も主な働きは抗酸化作用と言いまして、私たちがストレスを受けたり夏の紫外線なんかを受けますと「活性酸素」というものが身体内に生じて、これがいろいろな臓器を錆び付かせてしまうんです。この悪影響をおさえてくれるのが抗酸化作用なんですけども、こういった働きをしてくれるんですね。夏のストレスから身を守ってくれる成分になります」
邦丸「3つの強い味方『GABA』『オルニチン』『エルゴチオネイン』。いずれもきのこに含まれている。まして、『エルゴチオネイン』はきのこしか作れない」
池谷「そうなんです。これが私たちの夏の体調不良から身を守ってくれる成分と言えると思います」
邦丸「ちなみに池谷先生。夏場に好んで召し上がっているきのこ料理ってありますか?」
池谷「そうですね。まずお酒のつまみできのこが非常に役に立ってるんですけど、ツナ缶としめじ、まいたけ、エリンギなどを混ぜておろしにんにくを混ぜて、少し味付けをして和えて、レンジでチンして冷やしといて、これを食べるんですよ」
邦丸「先生、完全に酒のつまみですね」
池谷「そうなんです。つまみとしてもいいんですけど、これ食事の時に食べてもおいしいです」
邦丸「ご飯に乗っけてもいいですよね」
池谷「そうなんです。素麺なんかにも入りますからね」