子持ち家庭の8割が「災害に備えている」 すぐマネしたい「家族の命を守る」防災アイデアを大公開
子どものいる家庭における災害意識を調査し、実際にやっている防災アイデアを聞きました。防災リュック、ローリングストック、停電時の対策など参考になるものばかりです。
アンケート結果グラフ:子持ち家庭の8割が「災害に備えている」2024年は元日の能登半島地震に始まり、夏には南海トラフ地震臨時情報が発表されるなど、いっそう防災意識の高まる年でもありました。また地震以外でも毎年のように異常気象や台風による被害が発生しており、災害はいつ誰に降りかかってもおかしくありません。今回は子持ち家庭における災害への備えの実態を調査し、さらに各家庭における防災アイデアを聞きました。
コクリコラボアンケート「AnyMaMa(エニママ)」登録者およびコクリコメルマガ会員を対象に2024年12月9日~12月20日インターネット上で実施。有効回答数は89件。
「災害への備え」子持ち家庭の実態
コクリコラボアンケート
コクリコラボでは子育て中の家庭の防災対策の実態を調査しました。「災害に備えた準備をしているか」という質問に対し、78.7%が「はい」と回答しており、防災意識が高いことがうかがえます。
コクリコラボアンケート
次に具体的にどんな備えをしているのかを聞いた結果が、上のグラフです。上位2つは生きるために必要な「食糧と水」への備えでした。注目すべきは、「懐中電灯やラジオ」「モバイルバッテリーなどの電源関連」など情報手段やその基本となる電気への備えが上位にランクインしていることです。同じく上位にある「トイレ関連」や「衛生用品」も子持ち家庭にとって切実です。一方で「子ども用の防災備蓄」はやや低い結果となり、まだ改善の余地があるのではないかと感じました。
子持ち家庭が実際にやっている防災アイデアをご紹介
実際に子どもがいる家庭では、どのような防災対策をしているのでしょうか。パパママが実際にやっていることやアイデアをご紹介します。
◆食糧や水
まずは食べもの関連についての備えです。
・缶詰のローリングストック、炊飯器以外での米の炊きかたの練習をする。・長期保存可能なレトルト食品を用意しておくだけでなく、定期的に子どもといっしょに食べてみて味が好みに合うかを確認する。カゴメの5年保存可能野菜スープはちょっとしょっぱめですがうちの子たちは好きです(少し水で薄めるときもあります)。
せっかく食糧を備蓄していても、実際の災害が起きたときに子どもが食べてくれなければ意味がありません。ローリングストックで消費したり、定期的に味の好みを確認したりする方法は、なるほどと思いました。
・キャラクターのカレーを常備しています! 最悪温めなくても大丈夫で、子どもも喜びます。
非常時こそ見慣れたキャラクターの食べもので、少しでも不安をやわらげたいですね。
・押し入れが狭いので、ふだん使っていないスーツケースにストック食品などを入れている。・夏のレジャーに使うような大型の保冷キャリーバッグに、10年備蓄水を24本詰めています。
効率的な収納場所のアイデアを教えてくれたママもいました。ローリングストックについては以下の記事もご参照ください。
・参考:コクリコ記事『【防災企画】「子どもの防災食」をローリングストック法で用意しよう』
・お風呂のお湯を浴槽に翌日まで溜めておく。
飲み水以外の生活用水について多かったアイデアです。ただし小さなお子さんがいる家庭では、家庭内での事故につながる可能性もあるため注意が必要です。
◆防災リュック
写真:beauty_box/イメージマート
避難するときに持ち出す防災リュック。子ども用を用意しているという声が多数ありました。
・防災リュックを大人用と子ども用で2種類用意しています。子ども用は、息子と防災関連の本を読みながら、一緒に中身を準備しました。息子でも背負って運べるよう、軽めにしています。・子どものリュックやランドセルに、電話番号・飴・小銭をいれたちっちゃい透明の小分けビニール(100均とかで何十枚もはいっているような小さいやつ)を入れています。不安なときに、甘いものを食べたら落ち着くと聞いたので……。
被災するのは親と一緒のときとは限りません。防災リュックに限らず、ふだん使っているリュックやランドセルへの防災対策はとても参考になります。
◆電源関連
オール電化住宅も増えており、子連れ世帯にとって電源関連の備えは特に大切なポイントです。
・太陽光発電でスマホの充電ができるもの。
という比較的手軽なものから、
・昔は、そんなに大げさなと思っていましたが、今は電気がないとはじまらないので大きな非常用電源を買いました。
という本格的な備えをしている声も寄せられました。
・懐中電灯は、ランタンや電池式充電器になるもの、ヘッドライト、と種類別に複数持つようにしています。・枕元に懐中電灯を置いて寝ています。
夜間の災害で停電した場合など、すぐに取り出したい懐中電灯。子ども部屋などにも常備しておくとよさそうですね。
◆衣類など
衣服の備えは、わざわざ備蓄用に用意するのではなく、あるものをうまく利用しているパパママが多いようです。
・古着は捨てずに、災害時でも使用できるように保管しています。・おさがりでいただいた、少しオーバーサイズのものを防災バッグの衣類に入れている。
少し大きめのサイズだと寒いときに重ね着できるので一石二鳥ですね。
◆そのほかの対策
前述したように避難所への移動を想定した防災リュックも大切ですが、在宅避難の可能性を視野にいれて準備しているという声もありました。
・自宅は高台にあり、地盤も固い土地で土砂崩れの危険も少ない地域です。そのため、災害発生時は「自宅で過ごす」ことを念頭に防災用品を準備しています。
・車のなかにカイロ、毛布、長靴、防寒着、スコップなどを載せている。雪で立ち往生した経験や猛吹雪のなか歩いて帰宅した経験があります。防災士の資格もとりました。
大雪による車の立ち往生も毎年報じられています。こちらのママは車のなかで過ごせる対策を万全にしたうえ、防災士の資格までとったとのこと。意識の高さに頭が下がります。
1年に一度、日を決めて見直そう
子育て中のパパママが実践しているさまざまな防災アイデアをご紹介しました。アンケートのなかで印象的だったのが、
・3.11で被災しているので、毎年その日に点検しております。・毎年防災の日に備蓄や防災リュックの見直し(子ども服のサイズ変更など)をして、防災食品を家族で実際に食べてみる。
・衣替えのタイミングで防災リュックの中身を確認し、オムツなどのサイズアップをしておく。
というように、災害への備えや防災グッズを見直す日を決めるというアイデアです。子どもがいると、成長にあわせて変更する必要もあります。1年に一度は家族で防災対策を見直す日を習慣化してはいかがでしょうか?
※基本的にアンケート回答の原文をそのまま記載しています。ただし文字数の都合上、一部抜粋や主旨を損なわない範囲の要約・編集を行っている箇所があります。(明らかな誤字等は修正のうえ記載)
コクリコとAnyMaMa LIFESTYLE.Labが協働で、子育て課題解決×読書文化を目指すプロジェクト「コクリコラボ」。
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