「ビールでハワイ感じて」 熊澤酒造/筒井貴史さん
明治5年創業の熊澤酒造(茅ヶ崎市香川)がビールづくりを始めたのは1996年。日本酒を製造する冬場以外で、柱となる商品づくりを目指したのがきっかけだ。「湘南を代表するビールを」と目標を掲げ、ビールの本場ドイツから職人を招へい。指導を受けながらドイツスタイルの「湘南ビール」を誕生させた。ホノルルミーツで行われるクラフトビールイベント「ちがさきブリュワーズフェスティバル」にも出店する。
筒井さんはビールに興味を持ち、醸造学科のある都内の専門学校を経て熊澤酒造に入社した。ビールづくりに本格的に取り組むうちに、「酒席の中心にあるビールをつくれることに誇りを感じる」。醸造責任者を務める現在は、ビールフェスなどがあれば決まって参加する。「やっぱり、おいしいと言ってもらえるとうれしい」と笑顔。客の生の声を聞いてはビールづくりの参考にすることもあるという。
ハワイメーカーとコラボ経験
ハワイとの関係を築いたのは2022年。茅ヶ崎市からの打診を受け、姉妹都市交流の一環としてハワイのビール醸造所「ビアラボ」とのコラボ企画が実現し、記念ビール「ハワイアンヘイジー」をリリースした。ハワイから職人たちが同社を訪れ、意見交換しながらつくり上げたのは良い思い出だという。「ビアラボは新しくて、面白いビールをつくっているという印象があった。チャレンジ精神にも刺激を受けた。その姿勢は熊澤と共通していると思った」と振り返る。
ブリュワーズフェスには季節限定ビールを含む4種類を提供する予定。「湘南ビールを含めた全てのビールを味わって茅ヶ崎市全体のレベルの高さを知ってもらえれば」と筒井さん。「ビールとともにハワイを感じて、最高の一日にしてほしい」と願った。