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琵琶湖とアートが響き合う秋。まち全体が美術館になる『BIWAKOビエンナーレ2025』開催中!

しがトコ

【BIWAKOビエンナーレ2025/滋賀県近江八幡市】

琵琶湖を見渡す絶景もアートの一部に。
2年に一度、滋賀を舞台に開かれる国際芸術祭『BIWAKOビエンナーレ2025』が開催中です。

町家やお寺、カフェなど、歴史ある建物がアート空間に変わり、まち全体がまるで美術館のよう。
琵琶湖の風や光と響き合う作品も展示されています。

フランス、オーストリア、スウェーデン…と、海外作家も続々参加。
約70組の現代アーティストの作品が一挙に楽しめる、滋賀の芸術の秋へ出かけました。

聖徳太子ゆかりの歴史あるお寺でアート鑑賞

今回の注目会場のひとつは「長命寺」。
その名の通り、健康長寿・無病息災のご利益があるとされるお寺で、聖徳太子が御本尊を彫ったと伝わる歴史あるお寺です。

標高約250mの山の中腹に位置し、琵琶湖の近くから808段の石段を登ると、美しい境内にたどり着きます。
途中まで車でいくこともできるので体力に自信がない方もご安心を。

境内を進むと、重要文化財の本堂と三仏堂の間に架かる鮮やかな布!
これはビエンナーレの作品のひとつで、紫陽花寺とも呼ばれる長命寺に季節外れの紫陽花が咲いたみたい。
池の水面にも作品が反射し、木漏れ日までも作品のよう。

本堂の中にも中国から参加するアーティストの作品が飾られていました。
長い歴史を持つ寺院と、現代アートが違和感なく重なり合っています。

琵琶湖を見晴らせる展望台に設置されていたのは、透明な板に刻まれた詩。
石川雷太さんの作品です。

琵琶湖の風景と作品が重なり合って、時間がゆっくり流れていく感覚。
これは、美術館では絶対味わえない体験です。

石川さんの作品は、長命寺から車で10分ほど行った先にある「369cafe」でも展示されています。

石川さんによると「言葉の表現には限界がある。それを琵琶湖や緑の風景の前に展示することによってその限界を超えた表現ができる」とのこと。

たしかに、風景があることでより心に届くメッセージがありそう。
その日の天候や気分によっても受け止め方が変わる作品ですね。

古民家×現代アートの魔法

『BIWAKOビエンナーレ』のメイン会場は、近江商人の情緒を今に残す、近江八幡旧市街地。
江戸時代から続く町家や蔵、元酒造工場などが展示会場になっています。

会場となる町家の中には長年、放置されてきた空き家もあります。
それを地元の人や全国から集まるボランティアが、草を引き、床を磨き、丁寧に手入れして。
そこからアートが始まる。

建物に刻まれた歴史が作品と絶妙にマッチするのも見どころのひとつ。
作品を展示することで再生された建物にもぜひ注目してみてください。

展示作品は70点以上!感じ方もさまざま

真っ暗な蔵の中に一歩足を踏み入れると、そこはまるで異世界。
音楽と連動するように白い彼岸花が浮き上がり、水紋や魚の影などがゆらゆらと映し出されます。

この幻想的な空間に魅了され、中に入ると何時間もでてこない人もいるんだとか。

江戸時代から宿屋としてつかわれていた建物のかまどには、ゆらゆらと動く炎のような形をした作品がありました。
色も赤から青へと変わり、使われていないはずの台所に活気が戻ったように感じます。

古い木の香り、土壁の質感、差し込む光。
それぞれ趣が違う会場で、アートと建物が“対話”しているようです。

体験型の作品も!

庭に設置されていた大きな風船のような作品。
作品に近づいていくと「どうぞ~」と、作家の奥中章人さんが案内してくださいました。

中に入ってみると、そこは巨大なウォーターベッド!
「寝転がってみてください」と言われるがまま横になると、チャポン、チャポンと水の音。
その揺れがやさしく伝わってきて、なんとも不思議で心地いい感覚です。

しかも、このウォーターベッドは一人用ではなく、みんなで一緒にごろごろできるサイズ。
人の動きに合わせて水面がゆらぎ、まるで互いの存在を確かめ合っているよう。

「揺れることによって、別の人に自分の存在を知らせることができるんです」と奥中さん。
“人とのつながり”を感じる――それが奥中さんの作品テーマなのだそうです。

形を変えながら、時を刻んでゆく

今年で11回目を迎えたBIWAKOビエンナーレ。
そのテーマは「流転〜FLUX」。

総合ディレクターの中田洋子さんはこう話します。

「始めた当初は、江戸の風情を残す美しい町ではありましたが、放置された空き家が目立ち、ひっそりと寂しい様相でした。
それが回を重ねるごとに空き家の価値が見直され、カフェや宿泊所などに再活用されていくようになって。今は観光で訪れる人も多い町へと生まれ変わっていることを、とても嬉しく感じています」。

まちが少しずつ形を変えながら、生き続けている――
それもまた、“流転”の一つの姿かもしれません。

町も、人も、琵琶湖の水も、すべては流れ、変わり続ける。
再生された町家の畳に座ってアートを眺めていると、「流転」という言葉がすっと腑に落ちる感覚がありました。

町歩きを楽しみながら、芸術の秋へ

近江八幡旧市街地の各会場は、徒歩2〜10分くらいで巡れます。古い町並みを散策しながら、のんびり1日かけて楽しむのがおすすめ。

日本で唯一、湖に浮かぶ有人島・沖島も舞台となっています。
長命寺や沖島も行くなら、2日間かけてゆっくりその土地の空気感も味わってください。

美術館とは違う、その場所でしか味わえない体験。
思わず写真を撮りたくなる、誰かに話したくなる、そんな瞬間がたくさん待ってます。

会期中は、ワークショップやコンサートも開催予定。公式サイトで随時更新されているので、お出かけ前にはチェックしてみてください。

『BIWAKOビエンナーレ2025』の情報

開催会期 2025年9月20日(土) ~11月16日(日) 休場日 水曜日(11月12日の最終水曜日は開場) 公式サイト https://energyfield.org/biwakobiennale/ 開催エリア 滋賀県 近江八幡旧市街地、長命寺、沖島など

※この記事は、滋賀県の「地域資源活用交流創出事業に係るレガシー創出事業」の一貫で、『しがトコ』が企画・取材を担当し制作しました。 http://bino-shiga.net/

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