龍城ケ丘整備 市民が平塚市長を提訴 事業費巡り住民訴訟へ
平塚市が進める海岸整備(龍城ケ丘ゾーン整備・管理運営事業)について3月14日、市民3人が平塚市長を提訴した。同事業の管理・運営を担う「平塚SeasidePark共同事業体」に支出する事業費約3億1600万円の差し止めを求めている。横浜地方裁判所に同日付で訴状を提出した。
原告は平塚市役所内で会見を開き経緯を説明。昨年12月6日に監査委員に対して今回の訴訟と同内容の監査請求を実施したが、2月10日付で棄却されたことを不服として住民訴訟に踏み切ったという。
同事業は、公園の整備や運営を民間事業者に任せる代わりに、収益の一部を広場などの公共施設整備に充てる公募設置管理制度「Park―PFI」の手法を採用。都市公園法に基づき、収益が見込める飲食店や売店の整備費を事業者が負担し運営も行う「公募対象公園施設」と、噴水やベンチなどの都市公園に必要な「特定公園施設」などに分類し、整備される。
今回争点となる1階にコンビニエンスストア、屋上に津波避難機能を備えた「エントランス棟」は、「特定公園施設」として平塚市が建設費の9割(約3億1600万円)を支出し整備する。しかし、コンビニ運営は平塚市ではなく同事業体が担い、賃料などの収益を得るという。
原告は、平塚市が建設費を9割負担するコンビニエンスストアの管理許可を同事業体が得ることを前提に計画が進んでいること、コンビニエンスストアの賃料が収益となり、同事業に対する事業体の投資を回収する収益の柱となっていることなどを問題視。会見の中で「Park―PFIの制度を歪め、同事業体が負担すべき費用を平塚市が肩代わりするもの」と指摘していた。
提訴を受け落合克宏平塚市長は「訴状が届いていないので現時点ではコメントを差し控える」とした。(3月14日起稿)