【新連載】イヤイヤ期も夜泣きも“フルコース”だった息子・こうちゃんの「できない」ことが愛おしくなった日…室谷香菜子の「いっくじ」日記、始まります!
HBCアナウンサーの室谷香菜子が、息子「こうちゃん」の“一言”と、一緒にしたためる一句で、小学校入学までの1年間を”一句”(育)児日記につづります!
2018年6月、22時間の陣痛の末、息子「こうちゃん」がこの世に誕生しました。
はじめまして、我が子よ。
ドラマなどでは、産まれてきたばかりの我が子と初対面したお母さんは、分娩台で涙を流したり、「生まれてきてくれてありがとうね」などと笑顔で声をかけたりと、穏やかで心温まるシーンをよく目にします。
でも、思えばここまでの子育ての日々は、決して…決して!!順調なものではありませんでした。
出産後、分娩台から落ちそうになるほど悶えた「後陣痛」。
我が子を抱いた喜びでそんな痛みは吹き飛ば…ない!
産まれたらすぐにへこむと思っていたおなかのふくらみに戸惑いながら、否応なしに始まる育児。
そこから、子育てに休みの日はないと思い知るのです…。
それはまさに育児の関門の「フルコース」。
まず訪れたのは「夜泣き」の日々でした。
こうちゃんは、0歳の頃は夜中1時間おきに起きて泣く日もあり、夜泣きにはずいぶん悩まされました。
そのころは、日中、工事現場の高音の作業音までも赤ちゃんの泣き声に聞こえてビクビクしていました。
次に来たのは「ポイポイ期」。
一生懸命作ったごはんを床に「エイッ!ポ~イッ」と捨てて遊ぶのに夢中。
私が拾い上げると、ケタケタ笑ってさらに楽しそう。
そしてもう少し成長すると、噂通りの「イヤイヤ期」がやってきました…。
子育てのゴールが見えない日々
こうちゃんのイヤイヤ期…。これにはもうお手上げでした。
ひとたびスイッチが入ると「イ~ヤ~~~~~~!!!!」「うわあ~~~~~~!!!」
「しない!」
「やだ!いやなの~!」
「だっこだっこだっこ!」
「じぶんで~~~!」
道の真ん中に大の字に転がって大泣きされると、周りの目が気になって抱き上げます。
だけど、腕の中で活きの良いマグロのように跳ねて暴れまわります…。
なんて体力…。
対する私はげんなり…。
まだよちよち歩きのこうちゃんと手をつないで歩いていたころ、すれ違ったご年配の女性から言われたことがありました。
「今が一番幸せな時だね、小学校に入ったらあっという間に手が離れるよ」
小学校に入ったら…
あの時の私は、あれから何度も「あと〇年もあるんだ…」と思いました。
“あと〇年しか”ではなく、“あと〇年も”。
子育てのゴールなんて全く見えなかったからです。
「子育てはあっという間」って、本当に本当?
でも、そう思っていた私に、最近になってある変化が。
「もうお着替えしたから!」
それは「まだ一人ではできないことを見つけると嬉しくなる」ということ。
毎朝のお着替えも、その1つです。
その日の洋服を置いておくとスムーズに全て1人で着替えてくれるようになりましたが、わざと!?と思うくらい、前後ろ逆に着るのです。
トレーナーの柄は背中へ、ズボンのポケットは前側に。
「ママ、もうお着替えしたから」と、5歳はいつも得意げ!
「はや~いね~!」と言いながら、「今日もまた前後ろ逆」と、私は心の中でニヤニヤしながら直します。
この時間が愛おしい。
いつの間にかこうちゃんは、できること、手を離れることが増えたんだなと気が付きました。
道路で大泣きすることもなくなって。
それどころか、買い物の荷物を「持ってあげる~!」と一生懸命運んでくれる戦力になりました。
「だっこ!」とせがむ声も、気づいたらもうずっと聞いていません。
「できる」「手が離れる」ことはうれしいのに、時々寂しくなることも。
こうちゃんは、この春から保育園の年長さん。
長かった保育園生活もあと1年です。
「できる」ことがどんどん増えていく一方で、まだまだくすっとさせてくれる「できない」姿も。
小学校入学までの1年間をこうちゃんの一言と、したためる一句でつづっていきたいと思います。
ここで一句!
『もうできた 息子のお着替え 今日も逆』
****
文|HBCアナウンサー 室谷香菜子
青森県出身。2009年HBC入社。HBCラジオ「アフタービート」、「美香と香菜子のおさんぽ土曜日」などを担当。2018年第1子(男の子)を出産。趣味は寝かしつけ後のドラマ鑑賞と、美味しいお酒。息子(こうちゃん)との日常はInstagramでも発信中。
編集:Sitakke編集部あい