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初夏は新緑の「鷹峯」へ!青もみじの丸窓に光悦垣、吉野窓で風情を楽しむ

キョウトピ

初夏は新緑の「鷹峯」へ!青もみじの丸窓に光悦垣、吉野窓で風情を楽しむ

秋の紅葉で有名な鷹峯は、新緑の青もみじも美しくておすすめなエリアです。またこの時期は訪れる人も少ないので、ゆっくりと風情ある景色を楽しむこともできます。今回は、とてつもなく癒されたい時におすすめのスポットを紹介します。

鷹峯と本阿弥光悦

本阿弥光悦は、芸術家であり名プロデューサーとして多くの素晴らしい作品を残した人物です。
風神雷神図屏風で有名な俵屋宗達も本阿弥光悦とのコラボにより、一躍有名になりました。

via 藤花

徳川家康より鷹峯の地を拝領された光悦は、本阿弥一族だけでなく工芸職人たちも呼び寄せて、この地に芸術村を作り出しました。
今はその名残はありませんが、鷹峯には光悦ゆかりの寺院などがあり、静かで趣あるエリアとなっています。

源光庵

源光庵

via 藤花

源光庵は、曹洞宗の寺院で本堂にある「悟りの窓」「迷いの窓」で有名な寺院です。
初夏の時期は窓の向こうに映る青もみじが、秋には色鮮やかな紅葉が見られます。

「悟りの窓」と「迷いの窓」その意味は?

via 藤花

向かって右にある四角の窓が「迷いの窓」
生老病死という人生の生涯に経験する四苦八苦を表し、左の「悟りの窓」(丸窓)が禅と円通の心を表しています。
円は大宇宙を表現しているそうです。
歳を重ねると、人はいろいろな角が取れて丸くなると言いますが、こんな風にきれいな丸になれることはあるのでしょうか?
私が訪れたときには、この窓がゆっくりと眺められる場所に長椅子がありましたが、そこに座ってじっくりと人生について考えてみたくなりました。

血痕がはっきりと見える血天井

本堂の廊下を見上げると少し変わった模様が見えます。
よく見ると足型のようです。

実はこれ、伏見城の遺構なのです。
関ケ原の戦いの2週間前に、石田三成と家康の家臣・鳥居元忠が伏見城で激突。
約4万と言う石田軍に対し、元忠はわずか1800ほどの兵で2週間も粘りましたが、最後は城を枕に討死します。
伏見城での激戦により、城のあちこちには血染めの廊下や畳が残され、それらは供養のために江戸城のほか、京都市やその近郊の寺院の天井に用いられました。
その1つが源光庵の血天井です。
はっきりと残された足型に、武将の思いがこもっているようで、思わず手を合わせました。

源光庵の基本情報

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源光庵 基本情報

・住所 京都市北区鷹峯北鷹峯町47
・拝観時間 9:00~17:00(16:30受付終了)
・拝観料 大人400円(11月は500円)/小学生200円
アクセス
・バス「鷹峯源光庵前」徒歩約1分

https://genkouan.or.jp/

青もみじの参道が美しい光悦寺

via 藤花

光悦寺は、江戸時代初期に活躍した本阿弥光悦の邸宅跡に開かれた寺院です。
青もみじの間を木漏れ日がキラキラと光る美しい参道を通り、本堂へ。
その奥にあるのが庭園です。

光悦寺庭園

お庭に入ると美しい竹垣が見えてきます。

via 藤花

これは、本阿弥光悦が考え出したと伝わる「光悦垣」です。
斜めに組まれた竹と青もみじがとてもきれいです。
奥にちらっと見えているのは「大虚庵」という茶室。

via 藤花

この庭には「大虚庵」や「本阿弥庵」「三巴亭」など7つの茶室があります。

via 藤花

お庭の一番南にあるからは、鷹ヶ峰・鷲ヶ峰・天ヶ峰の三山が一望できる休憩所があります。
天気が良ければ京都市街、それに東山方面まで見通せます。
広大な景色にちっぽけな悩み事なんか吹っ飛んでしまいそうです。

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光悦寺には、本阿弥光悦をはじめとして本阿弥一族が静かに眠っています。

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光悦寺 基本情報

・住所 京都市北区鷹峯光悦町29
・拝観時間 8:00=17:00(紅葉時8:30~17:00)
・拝観料 400円(紅葉時500円)
アクセス
・バス「鷹峯源光庵前」徒歩約3分

吉野太夫ゆかりの常照寺

via 藤花

最後に紹介するのは常照寺です。
参道の向こうに見えている朱塗りの山門は、吉野太夫が寄進したと伝わる「吉野門」

via 藤花

正面からの写真を撮りたかったのですが、あいにくこの日は法事をされていて、門の向こうには参列者の方がいたので、斜めからの写真になってしまいました。
境内のお参りは可能でしたので、少し遠慮しながらお参りしました。

via 藤花
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常照寺も青もみじがとてもきれいで、清々しい空気が満ちていました。
本堂の奥には、吉野太夫ゆかりの遺芳庵があります。
遺芳庵にある大きくて丸い窓が「吉野窓」です。
少しだけ開かれた障子から青もみじがのぞいていて、風情があります。

via 藤花

ご覧になってわかるように、この丸窓は下の部分だけ直線になっています。
完全な円形ではないのは、吉野太夫がまだまだ精進しなければならない自身と重ね合わせたからそうです。

ひっそりとたたずむ白馬観音

本堂に向かって左手には、鬼子母神堂などがあります。
その手前に気になる看板が。

via 藤花
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看板横の小さな門をくぐって石段を下りていくと、そこには小さな池の向こうに白馬観音像が立っていました。

via 藤花

だれもいない秘密の場所に来たような、ちょっと怖いような不思議な光景でした。

via 藤花

1人で白馬観音様と対峙しているとすごく神妙な気持ちになって、明日からもっとまじめに生きていこうと思いました。
「いや、真面目に一生懸命生きてますけどねww」

常照寺の基本情報

・住所 京都市北区鷹峯北鷹峯町1番地
・境内自由
・庭園と堂内の拝観 8:30~17:00
・拝観料 大人400円/小学生200円
アクセス
・バス 「鷹峯源光庵前」徒歩約2分

http://tsakae.justhpbs.jp/joshoji/toppage.html

さいごに

鷹峯は、紅葉シーズン以外は比較的静かでゆっくりと散策出来るエリアです。
京都駅からは少し遠いですが、市営地下鉄「北大路」駅が始発のバスが出ています。
シーズン以外は座ることもできて、案外簡単に行くことができますよ。
静かに京都の風情を楽しみたい方は、ぜひ鷹峯を訪れてみてください。

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