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ジャズを楽しみながらゆったりした時間を過ごせる「ジャズ喫茶 スワン」。

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ジャズを楽しみながらゆったりした時間を過ごせる「ジャズ喫茶 スワン」。

西堀通から少し入った路地に「ジャズ喫茶 スワン」というお店があります。その名の通り、レコードや生演奏でジャズを楽しめる喫茶店です。雪の降るなかたどり着いて入口の扉を開くと、優しい声の和田さんが笑顔で迎えてくれました。

ジャズ喫茶 スワン

和田 孝夫 Takao Wada

1946年新潟市中央区生まれ。二代目店主。東京の大学を中退し、新潟に戻って父親の経営していた「ジャズ喫茶 スワン」を手伝いはじめる。趣味は登山とヨット。

新潟地震がきっかけで生まれた「ジャズ喫茶 スワン」。

——「ジャズ喫茶 スワン」は、いつ創業したんですか?

和田さん:新潟地震のあった1964年に創業したんです。……というか、実は古町6番町に「名曲喫茶 スワン」っていうお店が以前からあって、そのお店をオーディオやレコードごと父が引き継いだんですよ。前のオーナーが新潟地震のせいで経営を続けられなくなったんです。

——古町から西堀に移転してきたのは、いつ頃なんですか?

和田さん:創業してから10年後の1974年です。古町は家賃が高かったので、自宅を改装してリニューアルオープンすることにしました。私が手伝いはじめたのも、ちょうどその頃からなんですよ。

——和田さんはいつからジャズを聴いてきたんでしょう?

和田さん:私が生まれたのは太平洋戦争の敗戦間もない頃だったので、物心ついた頃にはまだアメリカの進駐軍が日本にいたんですよ。それでどんどんアメリカ文化が日本に入ってきていて、ラジオからもジャズが流れていたんです。だから聴くとはなしに耳に入って、自然と刷り込まれたんでしょうね。

——なるほど。

和田さん:当時の古町7〜8番町には高級クラブやキャバレーがたくさんあって、バンドが出演しては生演奏をしていたんです。東京からも多くのバンドが新潟へ来ていました。そんなバンドのメンバー達がうちの店に入り浸って、それでジャズ喫茶になったんですよ(笑)

古町を盛り上げるため「新潟ジャズストリート」を立ち上げる。

——おすすめのメニューはあるんでしょうか?

和田さん:そういうのはないんですよ(笑)。以前はランチメニューをはじめてみたこともあったんだけど、何をメインに営業しているのか、わかりにくくなっちゃうんです。うちはあくまでも「ジャズ喫茶」ということにこだわって営業しいています。

——そうすると、オーディオやレコードにこだわっているわけですね。

和田さん:そうですね。スピーカーもアンプも30年以上使い続けてきたもので、メンテナンスにもお金をかけています。自宅でも聴けるような設備ではお客様に申し訳ないですからね。……とはいっても、オーディオマニアはたくさんいるので、うち以上の設備を持った方も多いんですけどね(笑)

——お客さんはコーヒーを飲みながら、レコードでジャズを聴いて過ごすんですね。

和田さん:リクエストしていただいたレコードをおかけしています。あと週末にはバンドによるライブも開催しているんですよ。それから、今年は1月25日に開催される「新潟ジャズストリート」というジャズのイベントがあるんですけど、あれは私が他のジャズ喫茶と一緒にはじめたものなんです。

——そうだったんですね。どういういきさつではじめたんでしょうか?

和田さん:不景気で活気のなくなってしまった古町を、ジャズの力で盛り上げようと企画したんです。それぞれでライブや生演奏をおこなっていた店舗が、まとまって開催することで盛り上がるんじゃないかと思いました。第1回はジャズの日にあやかって、2003年の1月22日に開催したんです。

——1月22日って「ジャズの日」なんですね。

和田さん:1月は英語で「JANUARY」ですよね。22日を「ZZ」に見立てて合わせると「JAZZ」になることから「ジャズの日」と言われているんです(笑)

——なるほど(笑)。それにしても長く続いているイベントですよね。

和田さん:自分達のできる範囲で無理なくやってきたことが、長く続いている原因だと思っています。出演者には、経費が余ったなかからギャラを分配させてもらっているので、基本的にはノーギャラで協力していただいているようなものなんです。本当に感謝しています。

ジャズの自由さを、楽しんでほしい。

——和田さんが思う、ジャズの魅力を教えてください。

和田さん:元気なときも落ち込んでいるときも、自分の気分に合わせて聴くことができますよね。またBGMとして気軽に楽しむこともできるし、音の流れを深く味わうこともできるんです。

——いろいろな楽しみ方ができるんですね。

和田さん:自由に崩して演奏することもOKだから、別々のグループが同じ曲を演奏しても、まったく違った曲になっちゃうんです。その違いを楽しむのも面白いんですよ。楽器は演奏できるけど楽譜は読めない人たちが、口や耳で伝え広めたのがジャズだったそうなので自由度が高いんじゃないでしょうか。

——そうなんですね。でもいろいろなアレンジがあると、初心者はどれから聴けばいいか迷っちゃいそうです(笑)

和田さん:そうですね(笑)。だから最初はスタンダードの名曲から聴くことをおすすめします。そこからお好みを探してもらえればいいんじゃないでしょうか。

——なるほど。最期に今後の夢や展望があれば、お聞きしたいと思います。

和田さん:長く続けてきましたから、今さらそういうのはないですね。お客様が喜んでくれればそれでいいんです。それはお金に換えられないことですからね。それが見たくて年金つぎ込んで営業しているようなものなんですよ(笑)

ジャズ喫茶 スワン

新潟市中央区西堀通4番町819

025-223-4349

10:00-20:00(日曜祝日は12:00-18:00)

水曜休

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