【2025年最優】ローソン限定「ビッグピート スーパースモーキーハイボール」が万人受けガン無視の鬼スモーキーで神! コンビニでこれが出るの奇跡だろ…
ローソンがとんでもないものをブッこんできた。2025年8月12日から、全国のローソン限定で販売が始まった「ビッグピート スーパースモーキーハイボール」である。価格は438円。
個人的には、史上最も期待値が高い缶ハイボールだ……! ガチに最速で買ってきたのでレビューするぞ。
なお、当記事は極度に嗜好の偏ったスモーキー過激派が執筆しているため、一般とは感性がズレている可能性があります。
・ビッグピートとは
まず、ビッグピートとは何なのか? ウィスキーを飲まない人からすれば、1ミリも聞いたことがない、よくわからん新興三流ブランドかな? みたいな?
そういう印象でもおかしくない。ビッグピートは、スコットランドに拠点を置くダグラス・レイン社による、ブレンデッドウィスキーのブランド。
スタンダードなボトルは「ビッグピート オリジナル」という。こいつの最大の特徴はスコットランドのアイラ島にある、4つの伝説的な蒸留所(アードベッグ、カリラ、ボウモア、そしてポートエレン)のウィスキーのみを使用しているという点。
これら4つの蒸留所のウィスキーに共通するのは、この世の全ウィスキーの中でもトップクラスにスモーキーなフレーバーだ。
詳しくは “アイラモルト” でググっていただきたい。とりあえず、スモーキーなウィスキーを好む人が最終的に行きつくのも、このあたりのブランドになる。
しかもブレンドに使われているポートエレン蒸留所は1983年に閉鎖され、2024年に再稼働した。閉鎖期間中もビッグピートは作られ続けていたので、失われし閉鎖前のポートエレンの原酒が使われているのでは……みたいな噂が立つなど、特別な魅力を有するボトルだった。
なお、ポートエレン説については、個人的には、使われているとしても、そう表記することが嘘にならないようするためだけの、極めて僅かな量なのではないか……とは思っている。
しかしビッグピート公式HPではずっとポートエレンの原酒が使われていると明記されているので、使われてはいるのだろう。ポートエレンのボトルは現在約30万~100万円越えなので、まあ夢のある話ではある。
なんにせよスモーキー党にとっては、どうやったって最上級に美味い4つの蒸留所の酒をブレンドしたボトル。美味さは確定しており、私にとっても、この世で最も好きなブレンデッドウィスキーのブランドの1つだ。
なぜなら私は、過去のウィスキー関連の記事でも無駄に匂わせてきたが、愛飲歴20年の過激なアードベッグ信者。ウィスキーはスモーキであればあるほどいいと思っており、味覚も嗅覚も燻されすぎてだいぶ信用ならない。
ちなみにビッグピートが販売開始された時にはすでにアードベッグ信者だったので、ビッグピートが私のメインになることは無かった。しかし好ましい味ゆえに定期的にストックしていたボトルでもあるため、味はよく知っている。
・絶頂
もう前置きはいいだろう。ただ今の時刻は午前5時半。ガチに楽しみだったので午前4時半から近隣のローソンを回ってきたのだが、どうも早すぎたのか、それとも取り扱いの開始日が店舗次第なのか、なかなか発見できず、1時間ものローソン巡りの果てにゲットしてきたのがトップの画像。
原材料は、モルトと炭酸のみ。信頼できるハイボール缶の最低ラインを満たしている。原産地名もスコットランド。いいぞ。
ちょっと心配なのが、7%という度数。普通にアイラモルトを使って自分でハイボールを作るなら、度数が7%まで下がることはまずないと思う。
せっかくのスモーキーフレーバーや、ピーティさ、そして極上のヨード臭が希薄になりすぎていないか心配だが……
ああっ!!
たまらねぇ……! これだよこれ。皆さん、こいつを開ける時は、ギリギリまで鼻を近づけて、最初に噴出してくるガスの香りを堪能するべき。
今そこにアードベッグのボトルがあるのだが、間違いない。これはアードベッグがまあまあ入っている香り。でも、なんか少しオリジナルのビッグピートとは違う気もする。
炭酸は強くもなく弱くもなく。
色はほぼ透明。まあ7%ならこんなもんだと思う。
飲んでみると……あぁ! 香りの時点で確信していたが、これはちゃんとしてるぞ! ローソンがやりやがった!!
もう素晴らしいほどに、万人受けのラインから確実にはみ出したストロングなスモーキー&ピーティ!!
駄目な人は全く駄目だろう。SNSでアイラモルトと無縁の人がうっかり飲んでしまい、ゲロマズだと評するレビューが出てくることは想像に難くない。
客観的にみれば、だいぶ正露丸臭だものな。そしてつまりそれは、こいつが素晴らしいことの何よりもの証明になる。
感動した。コンビニのハイボール缶なんてのは、万人受けを狙ってヌルい仕上がりになるものだと諦めていたが、これはマジにアイラモルトで作るハイボールを、ちゃんとやっている。
個人的な嗜好の話で言えば、もうちょっとべったりしたオイリー感も欲しかったが、そこは控えめで爽快感がある。これはカリラが効いているのではないかと思われる。
カリラはアードベッグ同様にだいぶストロング系なのだが、ハイボールにすると素晴らしいキレの良さと爽快さを発揮するのだ。
ボウモアとポートエレンは、ぶっちゃけあんまり入っていない気がする。といってもポートエレンは私も20代の頃、まだ多少は出回っていた頃に飲んだきりなのだが。しかしビッグピートを構成する他の3銘柄はしょっちゅう飲んでいるので、この感想はそんなに外していないと思う。
特にボウモアが強く効いていたら、アードベッグじみた泥炭臭さは緩和され、ボウモアの爽やかな香りで上品寄りになっているだろう。これはまあまあ臭い(ディスっているのではない。この業界で臭いというのは、褒めている)ので、ボウモアの遺伝子は弱い気がする。
まとめると、ビッグピートの名前を冠してはいるが「ビッグピート オリジナル」をそのままハイボールにしたのではないように感じる。
これはもしかしたら、ローソンのオリジナルなブレンドではなかろうか。香りの面ではアードベッグが効いているが、味の面ではアードベッグとカリラが同率で最大手。そして、わずかにその他の謎の勢力の存在。中身もそんな感じな気がしてならない。
その他の謎の勢力にはボウモアでもポートエレンでもない、他のアイラ島の蒸留所の酒が微妙に入っていてもおかしくない気配もある。まあでも、主力はアードベッグとカリラなことに花京院の命を賭けよう。
何にせよ手抜きは無い。本物のアイラモルトを、真にスモーキーでピーティなウィスキーをコンビニハイボール缶で伝えるために限界まで努力をしつつ、しかし行き過ぎると過激派しか飲まない劇物に仕上がるため、特に好みが分かれるオイリー感やヨード臭は抑える努力をしたブレンドといった感想。
・缶から直飲みがベスト
ということで、個人的には史上最高に期待していた「ビッグピート スーパースモーキーハイボール」。これは2025年最優のコンビニハイボール缶に推したい。
まず、よく企画が通ったなと。ローソン内部の強い決定権を持つ層に、アイラモルトに確かな理解を持つ派閥があるに違いない。
日本で最も好意的な評価をされているハイボール缶は白州のシリーズだろう。つまり日本では白州みたいな爽やかな瑞々しい香りのウィスキーが特に好まれるのだ。
対して「ビッグピート スーパースモーキーハイボール」は、白州の対極にあると言っても過言ではない。表面的には土とか泥とか潮臭く、脂っこい正露丸みたいな、そういうフレーバーが堂々と前に出てきて、口に含むと口内で泥炭を燃やしているとしか言いようのない煙たさがある。
それはすなわち、アイラモルトの多くに共通する特徴にして長所。そんな、どう考えても少数にしか受けそうにないものを、臆せずしっかり作ってきたのは素晴らしいとしか言いようがない。
私の知る限りでアイラモルトをベースにしたコンビニハイボール缶は過去に無かったと思うし、スモーキーをウリにしたものでも、「ビッグピート スーパースモーキーハイボール」のレベルで真にスモーキーなものは1つも存在しなかったと思う。
これはもはや奇跡だ。ローソン限定の酒で、史上最もいい仕事をした商品の1つはこれで間違いない。グラスで飲んでも美味いが、少し冷やして缶のまま一気にいったほうが、スモーキー&ピーティみがよりストロングでグッド。冷やしすぎると臭さが鈍るので私はお勧めしない。臭い方が美味い。
参考リンク:ローソン、Big Peat
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.