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みくのしんさんにプロフィール帳書いてもらったら、本音と人生が見えた

NHK出版デジタルマガジン

みくのしんさんにプロフィール帳書いてもらったら、本音と人生が見えた

2025年11月25日に書籍『メールで「!」使っちゃダメですか? Z~バブル世代にプロフィール帳書いてもらったら、リアルな本音と人生が見えた』(コメント:ヨッピー、編:NHK出版)が発売になりました。帯コメントを書いたのは、WEBメディア「オモコロ」を中心に活躍する、ライターのみくのしんさん(著書は『本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む』ほか)。今回はそんなみくのしんさんに、「プロフィール帳」を書いてもらいました。

みくのしん プロフィール帳を書く

 好きな男子にプロフィール帳を書いてもらうのが緊張したという話を聞いたことがある。なんだその世界。全く持って知らない世界。
 今回「プロフィール帳」を書くという依頼があったとき、遊ばれてんじゃないんだろうか……? これが僕に回ってくるってどういうこと……? ギャルの人生のやりこみ要素……? もう、あなたはこの世の全部を楽しみきって、サブミッションみたいな部分もクリアしようとして僕にプロフィール帳渡してる……? 「みくのしんにプロフィール帳を書いてもらう」のトロフィー小さそっ。そんなふうに思いました。

 以前にも一度、大人になってプロフィール帳を埋めたことがあったけど、そのかわいい装飾と、思ってるよりパワフルな個人情報……。そのギャップがすごい。あえて言わないことをめちゃ聞いてくる。普段のコミュニケーションでは考えられない。それを、各世代の様々な職業の人に聞いたというのが、この本(『メールで「!」使っちゃダメですか?』)の醍醐味ですよね。

 今回久しぶりに……と言っても実は人生2回目ですが、やっぱりこれを書くのは照れる。こんなことを小学生? 中学生? の時にわざわざ書いて、交換していたと思うと、なに!? って思う。マメすぎない? そんで自分のプロフィール帳って毎回書いてるの? 飽きない?

……わ!!!!!!

 わかったかも……わからないけど……多分だけど……多分。デザインに個性があったり、答えやすい質問から、ちょっと過激で踏み込んだ質問とかあったりして……書く方も楽しいんじゃない!?!?
 ……すごいぜ。あえてNARUTOに出てくる鬼童丸みたいに言わせてもらうとすごいぜよ。

 なんだか書いていくうちに、素直に書ける部分と、照れくさいから書きたくないなぁ。と思う部分があって、そんなモジモジするのがたのしいのか……? と思ってたんですが、そんな中、照れ隠しの逆を行って「え~い」と書いた自分が出てきて、それがなんとも小っ恥ずかしかったです。

 「貯金額は?」みたいな質問があったんですけど、この時に「答えたくないよー!」みたいな回答でも多分、いいんだと思う。わからないけど。

 そうやって書いてるとき思ったのは、このプロフィール帳っていうのは、信頼で出来ているんじゃないか? ということ。それがよかった。遊びとはいえ、本気。本当の柔らかい腹の見せあい。だから交換した時に自分が気になる部分をはぐらかされたら、なんか、なんか、嫌だと思う。

 なので、今回は書きづらい箇所にたいして「いやだ〜ん」とかは言わず、その場を凌ぐようなスライド出来るボケをするわけでなく、真っ向から質問に対してお答えし、プロフィール帳に従いました。

そしてできたプロフィール帳がこちら。

僕のプロフィール帳

書き切ったとき、ちょっとだけテンションがあがった。

 素直に書き切ろう。そう思ってプロフィール帳を埋めれたとき、めちゃくちゃ今、学生かも。とちょっとだけテンションがあがりました。

 さて、今回書いたプロフィール帳ですが、完成した後不安になって担当の方に「これ、大丈夫でした?」と聞いたところ、何点か質問がありました(本当は「やり直し!」と、『世界はそれを愛と呼ぶんだぜ』のMVの最初みたいに言われてるかもしれない)。その質問に、この場を借りて答えさせていただきます。

Q:将来の夢
A:お母さん
担当の方からのコメント
「……なんと。理由をお伺いしたいです。」

 引いてるじゃないか。そうか。お母さんになりたいのってそうか。違うのか。
 なんだか人と違うと言われることは嬉しい一面もあるんですが、それは自分の中でもわかってる部分だったりするんですよね。でも、お母さんと当たり前に説明もなしに言うのは確かに怖いかも。
 このお母さんというのも僕が子どもの頃と随分イメージが変わってきて、説明が難しいんですけど、小学校の頃に、友だちとゲームしてたら急に掃除機かけだしたり、みんなが遊んでる時におやつ作って出してくれたり、そういう思い出が、親父より母さんの方が多かったんですよね。それで、そういう空間でみんなから愛されるような人になりたいなぁ、当たり前を作ってる人になりたいなぁ、と思っています。お母さんがそれ、と言うと難しそうな社会ですが、つまりそういうことが言いたいのです!

Q:1か月のお金の使い方
A:ジュース
担当の方からのコメント
「お気に入りのジュースがあるのでしょうか。なんのジュースか、どんな頻度で飲まれているのかなど知りたいです。」

 1か月にお金を何を使ってるかなんてあまり分からなくて、最近は本当に生活費と外食しかないかなーという感じです。映画も見に行ったけど、それを円グラフに入れてたらぐちゃぐちゃになるし……と思ったら、銭湯の帰りにたまにジュースを買うんですよね。なので円グラフに「ジュース」って書きました。オススメのジュース……。なんだろう……。ビタミンが取れるよ! とか、乳酸菌たくさん入ってるよ! みたいな、美味さと追加要素がある飲み物が好きです。

Q:好きな小銭BEST3
A:1位500円玉 2位100円玉 3位10円玉
担当の方からのコメント
「なぜその順番なのか知りたいです。金額順だとしても、50円玉が飛ばされているのは、何か理由があるのでしょうか?」

 書いて提出したのはほんの3日前のことなのに、そう言われると本当にそうだよ、と思いますね。昨日の自分の行動に責任をあまり持っていないので、自分が忘れている部分を言われると笑ってしまう。
 もちろん、50円玉と迷いました。ただ、やっぱり50円玉の側面が100円玉に酷似してる点、大きさもあまり変わらないのも嫌です。
 そもそも1位が500円玉じゃないかもしれない。金額で1位にはなってるけど、100円玉ってかなり好きなんですよ。1位を争う。ただ、500円玉って1位じゃなかったら何位なの? ということもあるので、1位にしましたが、結構100円玉は好きなんです。見た目がかっこいい。100の文字と色。渋い。そしていろんな面を持っているのも人間らしくて好きなんですよね。心強さもあり、親しみやすさもある。弱さはない。100円がある嬉しさは誰でも覚えてると思う。そして、逆にたった100円!? みたいな喜びもあるはずだ。そんな裏表のない人間味に溢れてる100円玉が好きなのに、そいつに似せて、真ん中に穴を開けて「およよ?」みたいな顔してる50円玉が、あんまり好きになれなく、10円玉が3位になりました。

 さて今回、この本の帯コメントを書いたのですが、できたコピーは
「個人情報のジェットフィーバーフィーバー! なんか知らんけど、鼻血出そう!!!!!!!!!!」。

 会話で聞こうとしたら2週間かけても聞き出せるかわからないようなプライベートな内容を、見開きページ1枚で知れるのは本当にすごい。そしてこの量。みんな手書きで書いたのか……と思うとすごく驚いて、ついつい「鼻血」という言葉が出てきてしまいました。誰かの秘め事をいとも容易く見ているような。あの頃特有の信頼関係のような。口約束で物事が進みまくっていく雰囲気みたいなのはすごく懐かしく「鼻血」でした。

 改めまして、プロフィール帳。なんやかんや言ってましたが楽しかったです。

未来を見るのは生きてくことで可能ですが、過去に舞い戻るのは不可能じゃないですか。そんな中、ちょっとでも学生時代にタイムスリップをしたような経験をさせてもらえた気がして、それがなんだか楽しかったし、嬉しかったです。

みくのしん
1990年、東京都生まれ。株式会社バーグハンバーグバーグ所属のディレクター・ライター。著書の『本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む~走れメロス・一房の葡萄・杜子春・本棚』、『本が読めない33歳が国語の教科書を読む やまなし・少年の日の思い出・山月記・枕草子』(いずれも大和書房)が大ヒット。

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