東京都調布市での子育て体験談。子育て支援情報や子育てにおすすめのエリアは?
私は、調布市在住で小学生の子を持つワーママです。調布市で生まれ育った私は、社会人になり調布を離れましたが、結婚して子育てを意識したときに、迷いなく調布を選んで舞い戻ってきました。
それから8年間、調布で子育てをしてみたところ、「調布市以外での子育ては考えられない」と思うほど、多くのメリットを感じています。今回は、調布市が子育てに魅力的な理由を、私の体験談を交えながら紹介します。
調布市で子育て中
調布市の概要と、私が調布で子育てをしたいと思った理由を紹介します。
調布市の概要
調布市は東京都多摩地域の東部に位置し、面積は21.58平方キロメートル、人口は24万人を超えています。
市内には「角川大映スタジオ」や「日活調布撮影所」など、約40社の映画・映像関連企業が集まり、古くから映画産業が盛んな地域です。現在は多摩地域最大級のシネマコンプレックス「イオンシネマ シアタス調布」の開業により、「映画のまち調布」として一層の賑わいを見せています。
また、深大寺や多摩川・野川など、自然が豊かで公園も多く、閑静な住環境が魅力です。交通面では、京王線が市内を縦断し、新宿まで最短約20分で移動できるため、通勤・通学に便利な立地といえるでしょう。調布駅周辺は再開発が進み、商業施設や保育・医療機関が充実するなど、暮らしやすい街づくりが進行中です。
このように、調布市は「自然の豊かな郊外の安心感」と「都会の利便性」のバランスが整っていることから、子育てにぴったりな街だと感じています。
わが家が子育て環境に調布市を選んだワケ
私は結婚当初、東京都の別の区に住んでいました。しかし子育てをすることを考えたときに、自分が生まれ育った調布市に住むことを決めました。なぜなら、自然や公園が多く、自身も伸び伸びと幼少期を過ごすことができた経験と、調布駅前の再開発が活発で年々利便性が高まっている点に魅力を感じていたからです。
特に決め手となったポイントが3つあります。子育て環境に調布市を選んだ理由(1)自然の豊かな環境
調布市には、多摩川や野川の水辺、深大寺周辺の豊かな緑、200を越える都市公園があります。私は、子どもに自然が多く外遊びが楽しめる環境で育ってほしいという思いがあったので、この環境が最適だと思いました。
子育て環境に調布市を選んだ理由(2)駅前は暮らしに便利な施設が豊富
京王線調布駅前には、「トリエ京王調布」や「調布PARCO」といった商業施設があります。ビックカメラ・ユニクロ・無印良品・GU・成城石井など、人気の店舗が多くてショッピングを楽しめます。駅の周辺には複数のスーパーや飲食店、ジムや病院など、暮らしに必要不可欠な施設が多数あり、調布駅だけで生活が完結できる便利さが魅力です。
子育て環境に調布市を選んだ理由(3)新宿まで約20分。都心部へのアクセス良好
調布駅は京王線の特急が止まる駅で、新宿まで約20分で移動できます。都営地下鉄新宿線への乗り入れや、京王井の頭線への乗り換えもでき、渋谷や吉祥寺にもアクセスしやすいです。中央自動車道の調布インターチェンジもあるので、車でのお出かけにも便利なエリアです。
実際どう?調布市の子育て
数字で見る調布市の子育て事情
調布市の総人口は、増加傾向が続いています。年少人口(0〜14歳)は2025年で約3万272人、総人口の約12.6%を占めていますが、年少人口は今後減少に転じると予測されています(2025年3月時点)。
調布市の保育施設数は以下のとおりです(2025年5月20日時点)。
認可保育所:78園
認証保育所:10園
幼稚園:14園
2024年4月1日時点の調布市の待機児童数は13人で、前年の14人から1人減少しています。また、上記施設以外にも病児・病後児保育施設や調布市家庭福祉員による家庭保育施設などもあり、子どもを預けられる環境が整っています。
調布市の子育て支援情報
調布市では「子どもは調布の宝、未来への希望」をスローガンとした「調布市子ども条例」が策定されています。調布市の子育て支援情報のなかでも特徴的なものを5つ紹介します。
調布市の子育て支援情報(1)ようこそ調布っ子サポート事業
妊娠中から出産・子育て期までを安心して過ごせるようなサポート体制が特徴的です。妊娠時には2度の妊婦支援給付金が支給され、産後には助産師や保健師等の「こんにちは赤ちゃん訪問」など、地域と共に子育てを始める体制があり、安心して子育てにのぞめる環境が整っています。
調布市の子育て支援情報(2)ベビーシッター助成など手厚い保育サポート
調布市には、「ベビーシッター及び家事・育児支援サービス利用料助成」が用意されています。事業者に支払った助成対象サービス利用料の2分の1が助成となるため、保育の手助けが依頼しやすくなる制度です。
対象内容や申請期間などの詳しい条件は、調布市のホームページで確認できます。調布市の子育て支援情報(3)親子で参加できる交流の場が豊富
調布市では、乳児・幼児交流事業として、「コロコロパンダ」「ニコニコパンダ」などが「子ども家庭支援センターすこやか」を中心に、数ヶ所で定期開催されています。赤ちゃん体操や絵本の読み聞かせ、育児相談や保護者同士の情報交換など、内容はさまざまです。
「家庭支援センターすこやか」では、平日に参加が難しいパパたちにも嬉しい日曜日開催もあります。詳しくはホームページのスケジュールを確認してください。
調布駅の近くには、乳幼児が遊べる施設「プレイセンターちょうふ」があります。保育士や助産師さんに育児相談ができる相談室があり、親子で参加できる安心の場所です。外遊びができない暑い日や雨の日でも、室内で思いっきり子どもを遊ばせられるのでおすすめです。毎月第2土曜日・日曜日、年末年始が定休日で、それ以外の日は9時から17時まで開放されています。
さらに市内11ヶ所の児童館では、「子育て広場」が平日9時〜5時に開催されています。妊娠中から情報収集の場としても利用することが可能です。
このように、調布市では地域と共に子育てに向き合える交流の場が多数用意されています。私は育休中にこのような施設や交流会に参加し、地域のママ友・パパ友と出会うことができました。調布市の子育て支援情報(4)0〜18歳まで医療費助成制度あり
調布市では、0歳から18歳に達する日の以後最初の3月31日まで、子どもの医療費(健康保険適用の医療費)の自己負担分を助成する制度があります。わが子も乳幼児期には頻繁に体調を崩して病院に通っていたので、非常に助かりました。
調布市の子育て支援情報(5)バースデーサポート事業
調布市では、1歳と2歳のお誕生日を迎えた際に、相談や情報提供をしてくれるバースデーサポート事業があります。アンケートに答えると「育児パッケージ」が贈られます。
育児パッケージの内容(1歳・2歳共通)
・子育てパンフレット
・こども商品券e-Gift
第1子 3万円
第2子 3万5,000円
第3子以降 4万円
以前は「ファーストバースデーサポート」として初めてのお誕生日、1歳のみが対象でしたが、現在は2歳も対象になったようです。子どもの成長や行動範囲の変化が著しい1〜2歳に手厚いサポートが受けられるのは、安心感があります。対象など詳しい条件は調布市のホームページで確認できます。
調布市での子育て体験談
私が調布市で子育てをしていて感じた「調布市の子育てのしやすさ」について、体験談を交えながら紹介します。
調布市で子育てをする魅力
調布市で子育てをしてみて感じた魅力をまとめてみました。
調布市で子育てをする魅力(1)バリエーションに富んだ公園が充実
調布市には多くの公園があり、遊具の種類も豊富で、定期的に整備されています。
地元の子どもたちに人気の「ターザン児童遊園」は、動物モチーフをあしらったカラフルなアスレチックに、4台のブランコ・砂場・ロング滑り台と、遊具の種類が豊富です。ボール遊びなどができる広場もあり、年齢に応じたさまざまな遊びを楽しめます。
屋根付きのベンチやトイレが設置されていて、近くにはコンビニや大型ドラッグストアもあり、長時間の利用も安心です。休日は多くの子どもたちで賑わっています。
施設名:ターザン児童遊園
所在地:東京都調布市下石原2-54-2
アクセス:調布駅から徒歩約11分
調布駅と西調布駅の間にある「鬼太郎ひろば」は、観光スポットとしても有名な公園です。漫画家の水木しげる氏が調布市に住んでいたことから、市内のいたるところに鬼太郎スポットがありますが、この「鬼太郎ひろば」は子どもたちにも大人気です。
公園には「ぬりかべクライミング」や、「鬼太郎の家」滑り台など、鬼太郎の妖怪たちをモチーフにした遊具やオブジェがあります。公園は京王線のトンネル出口に位置し、地下と地上を出入りする京王線の車両を間近で見られるスポットもあります。電車好きの子どもには最高の環境といえるでしょう。
施設名:鬼太郎ひろば
所在地:東京都調布市下石原1丁目58-5
アクセス:京王線調布駅中央口から徒歩約12分
調布市で子育てをする魅力(2)地域全体で子育てを支えてくれる
調布市は新設の保育所を増やすなど待機児童問題にも取り組み続け、待機児童数は減少しています。保育園の送迎や一時保育など、困ったときに手助けしてもらえる「ファミリー・サポート・センター」や、子育て中の親子の居場所となるコミュニティスペースを設けるなど、地域と共に子育てをできる環境が整っています。
共働き世帯の「小一の壁」対策として、学童の定員数拡充や放課後子ども教室事業「あそビバ」の運営にも力を入れています。「小一の壁」とは、子どもが小学校に入学することで保育園時代に比べて保育時間が短くなり、親の就労時間とのズレが生じるなど、共働き家庭にとって新たな課題となる状況のことです。こうした課題に対応するために、放課後の居場所や見守り体制を整える取り組みが進められています。
子どもたちが放課後に安全・安心に活動でき、学年を越えた子どもたちが交流できる場所として無料で利用できる「あそビバ」は、市内の全市立小学校に設置されています。わが家は共働きですが、「あそビバ」を活用することで、小一の壁にぶつかることなく、スムーズに小学生ライフをスタートできました。
調布市の子育て環境
私は調布市での8年間の子育てを通して思うのは、レジャーやアクティビティの豊富さ、街のキッズファーストな雰囲気が、子育てをしやすい理由につながっているように感じました。
調布市の子育て環境(1)ピクニックやレジャーの選択肢が多い
調布市は休日のお出かけ先の選択肢が多い点が魅力です。歴史ある深大寺界隈には、自然の豊かな参道を散策でき、「都立神代植物公園」があります。季節のお花や植物で彩られた園内を楽しめるため、広い芝生や売店があるので、子どもとピクニックをするのに便利です。
施設名:都立神代植物公園
所在地:東京都調布市深大寺元町5-31-10
アクセス:調布駅から小田急バス(12番乗り場)から吉祥寺駅または三鷹駅行き「神代植物公園前」下車
開園時間:午前9時30分~午後5時
休園日:毎週月曜日(月曜日が国民の祝日や振替休日、都民の日の場合はその翌日)・年末年始
調布市と府中市の堺にある「都立武蔵野の森公園」は、大型公園です。調布飛行場の横に位置しているため、飛び立つ飛行機を眺めたり、池で暮らすカルガモを見たりとさまざまな楽しみ方ができるスポットです。週末にはシートや簡易テントを持参してピクニックをする家族で賑わいます。
施設名:都立武蔵野の森公園
所在地:東京都府中市朝日町3丁目
アクセス:西武多摩川線「多磨」から徒歩5分
そのほかにも「多摩動物公園」や「よみうりランド遊園地」、「サンリオピューロランド」など、子どもが楽しめるレジャー施設へのアクセスのよさも調布市の魅力です。わが家は自動車を所持していないため、電車で気軽に出かけられる立地は最高だと感じています。
調布市の子育て環境(2)ベビールームや子連れOKの店舗が豊富
調布駅前の「トリエ京王調布」や「調布パルコ」は、ベビールームや授乳室が設置されていたり、ベビーカーを貸し出していたりと、赤ちゃん連れでも安心な環境がそろっています。
トリエ京王調布の4階にあるベビースペースは広く、清潔感があります。個室の授乳室やベビーが遊べるエリアもあり、わが家は何度も利用していました。
また、調布駅周辺にはキッズメニューやキッズチェアを用意している飲食店が多数あり、実際に子育てをしてみると、想像以上にキッズファーストな街で驚きました。調布駅から北上した甲州街道沿いの「マクドナルド 20号調布店」には、プレイランドが設置されているため、子どもたちが大好きな場所です。
駅前の居酒屋「目利きの銀次 調布南口店」には、キッズスペース付きの個室があり、ママ会やパパ会が開催されているのをよく見かけます。このように、座敷やキッズスペースのある飲食店が多いため、乳幼児連れでの外食に困ることはありませんでした。
調布市の住まい事情
調布市の子育てをしやすい間取りの家賃相場を、周辺の家賃相場と比較してみましょう。
ファミリー向けの2LDK・3K・3DKの間取りで、調布市の家賃相場は17万円でした。隣の府中市は17.52万円、世田谷区は24.57万円です。東京23区内の世田谷区より少し郊外に行くだけで家賃相場にこれだけの差があることに驚きました。
周辺の街に比べ家賃はお手頃なうえに、調布駅前の利便性や都心へのアクセスのよさを考えると住みやすい街といえるのではないでしょうか。
調布市の子育て世帯におすすめのエリア
調布市といえば、調布駅前が利便性も高く人気のエリアです。ここでは、子育てをしやすいという視点でおすすめのエリアを2ヶ所ピックアップしました。
調布市の子育て世帯におすすめのエリア(1)仙川駅周辺
仙川駅は調布市の東部に位置し、世田谷区と隣接するエリアです。建築家・安藤忠雄氏が設計した建物が並ぶストリートやおしゃれなカフェ、ミュージアムがあって芸術的な雰囲気を感じます。
「島忠 ホームズ仙川店」には西松屋やしまむらが、「ブロードスクエア仙川」にはユニクロや飲食店などが入っており、日用品の買い物にも便利です。学習塾や幼児の習い事教室も豊富なため、子育て世帯に人気のエリアです。
調布市の子育て世帯におすすめのエリア(2)京王多摩川駅周辺
京王多摩川駅周辺は1LDKで11.48万円と調布駅と比べると、家賃相場がやや低めながら、徒歩や自転車で調布駅にアクセスできるエリアです。保育園や小学校、複数の公園も駅周辺にあります。調布花火大会の日には多摩川駅周辺は多くの人で賑わうスポットでもあります。
このエリアをおすすめする理由の1つが、2027年の完成を目指した駅前の再開発「京王多摩川まちづくりプロジェクト」が始まったことです。駅前には住居や商業施設、保育園や福祉・医療施設などが新設される予定で、地域の憩いの場としての魅力がますます高まりそうです。
調布市は豊かな自然と便利さの中で、地域とのつながりを感じながら子育てができる街
調布市で8年ほど子育てをしてみて私が感じているのは、地域が一緒に子育てを見守ってくれているという安心感です。保育所や学童クラブ、子育て交流施設が充実していて、保育で困ったときにすぐに相談できる場所があるという心強さが子育ての味方となりました。
わが家は小一の壁にもぶつかることなく、学童クラブや地域の習い事に頼りながら現在も子育てと仕事を両立しています。
街には風情ある自然や整備された公園、便利な施設などが充実しているので、子育てのフェーズによってさまざまな利便性を実感できるでしょう。
調布駅前はまだまだ再開発の途中なので、これからも子育てがしやすい環境として盛り上がりを見せていくと思います。
東京都の多摩地域へのお引越しを検討している方は、ぜひ調布市も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
この記事では画像に一部PIXTA提供画像を使用しています。