睡眠不足は脳にゴミがたまる!? 最強デトックスはたっぷり睡眠【眠れなくなるほど面白い 図解 デトックスの話】
7時間以上の睡眠が最強のデトックスへの近道
睡眠不足で脳の毒出し機能が低下する
ここまで漢方薬や入浴により、デトックスの作用が高まることを紹介しました。最後は「睡眠と脳の毒出し」について、お話ししたいと思います。
認知症の原因物質とされる「β-アミロイド」は、健康な人の脳にも存在するたんぱく質の一種です。Y-8通常はこれを脳内のゴミとして、脳のまわりを満たす「脳脊髄液(のうせきずいえき)」が洗い流すことで認知症の発症の芽を摘んでいます。
ところが、睡眠不足が続くと脳脊髄液のクリーニング機能が低下するため、次第にβ-アミロイドが脳内に蓄積され、認知症の発症リスクを高めてしまいます。健康維持はもとより、認知症予防にも十分な睡眠が必要となるわけです。
私が推奨する睡眠時間はズバリ7時間。最低でも7時間は寝ないと、脳と体の休息、細胞の修復ができないからです。難しい場合は昼寝などを含むトータル時間でかまいません。
じつはわれわれが寝ている間、体内では全身の細胞の点検や修復などが行われています。成人の細胞は約3兆個といわれていますから、その仕事量は想像を絶するもの。だからこそ、たっぷり睡眠をとって総点検やメンテナンスの時間を確保する必要があるのです。
睡眠時間が短いほどがんになりやすい、というデータもあります。健康で長生きをしたいなら、分けてでもいいので睡眠を十分にとりましょう。
寝ている間に体内はこんなに働いている!
体を修復
質のよい睡眠をとることで、骨や筋肉、細胞などのダメージを修復する成長ホルモンの分泌が十分に行われます。これにより新陳代謝が高まり、脂肪の分解や疲労物質などの排出も促されます。
β-アミロイドを脳から排除
アルツハイマー型認知症の発症の原因とされている、脳内でつくられるたんぱく質の一種β-アミロイド。通常は自然に分解、排出されますが、運動不足や睡眠不足などが原因で蓄積すると悪影響を及ぼします。
肌や髪を再生
睡眠を促し、免疫力を高めるためにも欠かせない脳内ホルモンのメラトニンは睡眠中に分泌されます。抗酸化作用が強いので肌の老化やシミ、しわを防ぎ、肌のターンオーバーを促進し、肌や髪を再生するのにも不可欠です。
睡眠時間別 かかりやすい病気
人は睡眠中に脳や体内の調整を行います。睡眠の時間が短かったり、質が悪かったりすると、調整がうまくいかず様々な不調を引き起こす原因に。
7時間
7時間未満の睡眠が続くと不安感が高まり、抑うつ傾向が強まるため、うつ病など精神疾患の原因になります。
6時間
6時間未満の睡眠が続くと、狭心症や心筋梗塞などの心臓疾患や、乳がんなどを発症するリスクが高
まります。
5時間
5時間未満の睡眠が続くと、糖尿病や呼吸器疾患、性機能障害など様々な病気のリスクが高まります。
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シナモン
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【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 デトックスの話 』著:加藤 雅俊