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「沖縄のために勝ち取りたい」CSの鍵を握るアレックス・カーク…クーリーとの“ツインタワー”に手応え。琉球ゴールデンキングス

OKITIVE

A東京で2連覇を経験し、琉球でも優勝を狙うカーク(長嶺真輝撮影)
ポストプレーからゴールを狙うアレックス・カーク=5月4日、沖縄サントリーアリーナ(長嶺真輝撮影)

プロバスケットボールBリーグ1部(B1)のプレーオフ「チャンピオンシップ(CS)」が5月9日、開幕する。レギュラーシーズン(RS)の上位8チームが集い、2戦先勝方式のトーナメント戦で2024-25シーズンの年間王者を決める。 2シーズンぶりに西地区を制した琉球ゴールデンキングス(全体3位)は5月9〜12日、沖縄サントリーアリーナに同地区2位の島根スサノオマジック(全体6位)を迎え、準々決勝に挑む。 当然ではあるが、CS進出チームは全て強敵だ。いずれも日本代表クラスや力のある帰化選手を擁し、プレーヤーの層が厚い。「RSとは別の大会」と評されるほどプレー強度も上がる。そのため、ディフェンスやリバウンドでどれだけ優位に立てるかは重要な要素となる。 それを念頭にCSでの戦いを展望すると、キングスが勝ち上がるための大きなキーマンは帰化選手のアレックス・カークだろう。プレーのキレを欠いた昨シーズンに比べて今季は好調を維持し、ジャック・クーリー、ヴィック・ロー、ケヴェ・アルマの外国籍選手3人と共にインサイドに厚みをもたらしている。 島根を含め、外国籍選手2人と合わせ、帰化選手や日本人ビッグマンらを同時にコートに立たせる「3BIG」を強みとするチームも多いため、カークがどれだけ攻守でアドバンテージを取れるかは勝敗に直結するポイントだ。 5月3日にあった佐賀バルーナーズとのRS最終節の初戦終了後、カークがCSへの意気込みを語った。

平均リバウンド数で「1位vs3位」の島根戦

共にコートに立ってゴール下を支配するカーク(左)とクーリー(長嶺真輝撮影)

RSにおける島根との直接対決の結果は1勝3敗。キングスにとっては初戦から難敵との対戦となる。 勝負の最大のポイントはリバウンドだ。キングスは身長211cmのカーク、島根は203cmのエヴァンス・ルークと、双方とも日本代表歴のある帰化選手が所属しており、高さとフィジカルを強みとしている。 平均リバウンド数はキングスが43.4本でリーグ1位、島根が40.0本で3位。オフェンスリバウンド後の得点を示す「セカンドチャンスポイント」はキングスが16.9点でトップ、島根が13.2点で4位につける。RSの直接対決4試合はいずれもリバウンド数で上回ったチームが勝利した。 カークも空中戦の重要度は強く自覚している。 「島根とのシリーズは、どちらがより多くリバウンドを取れるかが大きな鍵になると思っています。自分のサイズを生かしてオフェンスにいい影響を与え、リバウンドにも貢献したい。守備ではできる限りヘルプディフェンスすることを心掛け、相手に混乱を引き起こしたいです」 直接対決の最後の一戦となった4月27日の試合は、前日に足首を痛めて欠場したが、その後の最終節ではいつも通りコートを駆けた。「幸いなことに症状はひどくありませんでした。スタッフの素晴らしいサポートもあり、とても調子が良いです」と笑みを浮かべた。 島根はスタートから3BIGでキングスのインサイド陣に対抗することが予想され、カークも先発で出場する可能性が高い。ただ、本人はベンチスタートも含め、いつでもコートに立つ心構えはできているという。 「(キングスが)3BIGでのスタートになるかは分かりませんが、チームが勝つために自分にできることを考えるだけです。ベンチから出ても、準備はできています。エヴァンス選手といい戦いができることを願っています」

「リバウンドが楽になる」とクーリー

豪快にダンクシュートを叩き込むクーリー(長嶺真輝撮影)

今シーズン、カークが機能している要因の一つとして、コート上での選手同士の距離感を示す「スペーシング」がうまく保てていることが挙げられる。 特に、過去に3度リバウンド王を獲得しているクーリーは同じセンターだが、共に出場している時は、よりシュートレンジが広いカークが外角にもポジションを取る。それにより、オフェンスの流動性を保ったままツインタワーのリバウンドの強さを生かすことができるようになった。 カークを含めた3BIGは、大きく分けてクーリーがいる時と、自身がメインのセンターとなってロー、アルマと出る時の2パターンがある。どちらのラインナップで戦うかで、ポジショニングなどプレーの仕方を変化させているという。 「ジャックと一緒にプレーする時はスペーシングに気を付ける必要があります。ペイントエリアに入り、その後にシールする時もタイミングを見極めないといけません。ジャックがどこでプレーしているかということに影響を受けます。一方で、ヴィック、ケヴェとプレーする時はもっと広いスペースがあり、自分がスクリーンをセットしたりします。このラインナップの時の方が、自分にとってはより自然な動きをしているように感じますが、今シーズンは自分とジャックが一緒にプレーする時も、とても良い成果を挙げられていると感じています」 同じく3BIGを強みとするアルバルク東京に勝利した3月の天皇杯決勝も、ツインタワーでゴール下を支配したことが勝因の一つとなった。それを機に、カークとクーリーが共にコートに立つラインナップが大きな武器に定着した印象だ。 相棒のクーリーも強い手応えを感じている。以下は、5月4日のRS最終戦後のコメントだ。 「アレックスと一緒に出る時はスペースの使い方が異なりますが、彼はオープンなポジションを見付けて動くのが得意なので、私の仕事を容易にしてくれます。オフェンスリバウンドを取る能力も素晴らしいです。自分とアレックスが一緒にいると、相手は自分をブロックするために複数人を割くことができないので、1対1の状況でリバウンドを取るのがずっと楽になります」 所属6シーズン目のクーリーは平均リバウンド数が9.9本で、キャリアで初めて二桁を割ったが、チーム平均の43.4本はBリーグにおけるキングス史上最多の数字である。それだけリバウンドが取れる選手が増えたということを意味しており、相手チームにとっては脅威が増大したと見ていいだろう。

ゾーンディフェンスの攻略でもキーマンに

A東京で2連覇を経験し、琉球でも優勝を狙うカーク(長嶺真輝撮影)

キングスがインサイドに強みを有していることから、島根戦では相手がゾーンディフェンスを使う場面も多そうだ。 RS最終戦の佐賀戦でも多用されたが、この時は苦戦する場面が目立った。強みであるインサイドをうまく使いきれず、アウトサイドでパスを回して単調なオフェンスになってしまった。 ゾーンディフェンスの攻略においてもカークはキーマンになる。佐賀との第2戦後、桶谷大HCは「今日みたいにゾーンを敷かれた時のポストムーブはアレックスが上手い。そこに入れられる時はパスを入れて、ダッグイン(ゴール下でディフェンダーを抑えながらパスを受けるポストプレー)はジャックがするなど、バランスを取りながら対策していきたいです」と見通していた。 カークも相手にインサイドを固められたとしても、中と外からバランス良く攻める必要があると見る。 「私たちはできる限りインサイドを攻撃し続けると思います。そしたら、おそらく自分とジャックに対してポストトラップを仕掛けられる場面が出てくるはずです。そうなった時は、そこからボールを外に動かしていきたいと考えています」 様々なコメントからも分かるように、CSへの心構えは既にできているカーク。A東京時代には2連覇を達成しており、経験は十分だ。ホームとなって2シーズン目となる沖縄、そして琉球というチームへの思いも強い。 「自分はキングスの一員としてチャンピオンシップを勝ち取りたいと思っています。岸本やジャック、ヴィック、B3から加わった平良など、ここには本当に素晴らしい仲間たちがいる。A東京では連覇をすることができて、共に戦ったメンバーが兄弟のような存在になりました。私は琉球でもチャンピオンシップを勝ち取りたい。それはチームや仲間のためだけでなく、沖縄全体のためでもあります」 昨シーズンは3年連続でファイナルに進出したが、惜しくも優勝を逃したキングス。カークがCSでも好調を維持することができれば、リベンジの舞台まで駆け上がる可能性は高まるはずだ。

琉球ゴールデンキングスの今シーズンを振り返る

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