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【ミリオンヒッツ1994】TUBE「終わらない夏に」湘南サウンドは日本の夏の必須アイテム!

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1994年06月18日 TUBEのアルバム「終わらない夏に」発売日

リレー連載【ミリオンヒッツ1994】vol.11
終わらない夏に(アルバム)/ TUBE
▶ 発売:1994年6月18日
▶ 売上枚数:101.5万枚

"夏のTUBE" という徹底されたイメージ戦略


1985年にデビューしたTUBEは、翌年の「シーズン・イン・ザ・サン」でブレイク以降ヒットを連ね、90年代に入ってからも「あー夏休み」「さよならイエスタデイ」「ガラスのメモリーズ」などを毎年ヒットさせた。改めてディスコグラフィを眺めてみると、この頃のシングルリリースは5月と7月のローテーションできっちり組まれており、"夏のTUBE" というバンドのイメージ戦略が徹底されていたことが判る。

1993年5月にリリースされた「夏を待ちきれなくて」では初のチャート1位を獲得。続く7月の「だって夏じゃない」も1位、翌1994年5月リリースの「夏を抱きしめて」もまた1位と、正しく日本の夏を牽引していた。18枚目のシングルだった「夏を抱きしめて」はミリオン認定され、彼らの最大ヒットシングルとなっている。そして同曲が収録されたアルバムが、翌6月に出された通算14枚目となるオリジナル・アルバム『終わらない夏に』であった。

3作目の1位獲得アルバムとなった「終わらない夏に」


『終わらない夏に』は、それまでの長戸大幸プロデュースから、初めてのセルフプロデュースとなった作品。前々年の『納涼』、前年の『浪漫の夏』に続く、3作目の1位獲得アルバムとなり、オリジナルでは初のミリオンセラーとなった。作詞は全て前田亘輝、作曲は春畑道哉、アレンジはTUBEによる全11曲。

前田のヴォーカルも絶好調でいきなり夏気分全開の「もう負けないよ」に続いて、2曲目で早くも「夏を抱きしめて」が登場する。スローな導入部からすぐにお馴染みのサビへ。トヨタの新型車、カローラセレスのCMソングとしてテレビから盛んに流れていたのが思い出される。筒井道隆と稲森いずみが出演していたドラマ仕立てのCMだった。

アルバムタイトルが反映された「終わらない夢に」や、ミディアムテンポのゆったりしたサマーソング「My summer girl」、テンション高めで楽しげな「それでも恋は素敵」など、眩しい太陽と心地よい海風を体感させるような曲ばかり。「傷だらけのHero」はテレビ朝日系『熱闘甲子園』のオープニングテーマに使用されていた。終始キャッチーなメロディーで夏の恋が描かれた「Tシャツとブルージーンズと… 」はTUBEらしさが最も顕著で、ノンタイアップだったのが不思議なくらいの佳曲である。

熱く歌い上げられる「夏よありがとう」は『熱闘甲子園』のエンディングテーマと共に、日本テレビ系『第14回全国高等学校クイズ選手権』のエンディングテーマにもなった。夢多き高校生の夏はいつだって熱いのだ。

加山雄三やサザンオールスターズの流れを汲む湘南サウンドの立派な担い手


TUBEのメンバーは前田亘輝が厚木市、春畑道哉は東京都町田市、角野秀行と松本玲二は座間市出身。出自は若干微妙でありながらも、加山雄三やサザンオールスターズの流れを汲む湘南サウンドの立派な担い手となった。

サザンはずっとトップを走り続けているとはいえ、ともすれば昭和で途絶えてしまうかもしれなかったこのジャンルを平成にも存続させる役割を果たした功績は大きい。1991年のシングル「湘南My Love」がそのことを象徴している。さらにはサマーミュージックの代名詞としての揺るぎないポジションを得た。90年代は夏のTUBE、冬の広瀬香美がすっかり定番化した時代といえる。

夏が近づくと反射的に聴きたくなってくるTUBEのナンバー。オリジナルアルバムでは2020年の『日本の夏からこんにちは』が今のところ最新アルバムとなっているが、今年はデビュー40年目、そして来年2025年にはいよいよ40周年を迎える。令和の夏を最高に盛り上げてくれる新しいアルバムを聴かせてくれることだろう。今なお健在の湘南サウンドは日本の夏の必須アイテムなのだ。今年もまた暑い暑い夏が来る!

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