『気性が激しい猫』に共通する3つの特徴とうまい付き合い方 すぐ噛んだり暴れたり…なぜ?
1.すぐ威嚇してくる
気性が激しい猫は、すぐに威嚇しがちです。鋭い犬歯をむき出しにして、「シャアーッ!」とものすごい形相で唸り声を上げます。飼い主さんからすると、非常にショックでただひたすら混乱するばかりの場面です。
愛猫の威嚇は、これ以上不用意に近づくと容赦しない、という切羽詰まった意思の表れです。心理的背景には、強い警戒心があります。多くの場合、もともとの性格と言うよりも、育った環境が関係していると考えていいでしょう。
たとえば、外猫時代に見知らぬ人間にイヤなことをされたなど、つらい過去を体験した猫は、保護猫として迎え入れても、なかなか懐いてくれない場合があります。性格形成にとって大切な子猫期に心の傷を負ってしまうと、成猫になっても簡単には修復できません。
このタイプの猫になじんでもらうためには、まず、安心できる環境を整えてあげることが大切です。キャットタワーや隠れ家を適切な場所に置くと、気持ち的にもゆったり過ごせます。さらに、おやつを積極的に活用するのもポイントです。
2.猫パンチが乱れ飛ぶ
2つ目は、猫パンチが乱れ飛んでくることです。猫パンチは、ボクシングで言えば、ジャブ的な意味合いがあり、KOする破壊力はないものの、相手をけん制する効果は十分に備わっています。
猫は野生時代から強い縄張り意識があるため、たとえ飼い主さんであろうとも、必要以上に接近すれば、パーソナルスペースに侵入した、と判断されてしまいます。愛猫が飼い主さんに猫パンチを浴びせかけるのは、攻撃というよりも、むしろ防御のためです。
このタイプの猫の根底にも、前項と同様に、子猫時代の体験が深く関わっています。
子猫の社会化期(生後2~7週目まで)は、母猫や兄弟猫との関わりのなかで、コミュニケーションや猫としての作法を学ぶ大切な時期です。
社会化期よりも前に、母猫や兄弟猫と引き離されてしまうと、十分な「社会性」が育たないまま、成猫になってしまいます。本来はだんだんおさまっていくはずの攻撃性が、そのまま残ってしまうことも珍しくありません。
猫パンチや噛み癖、暴れ癖のある愛猫に対しては、飼い主さん本位で近づいたり、撫でたりしないことが重要です。むやみに刺激すれば、猫パンチが乱れ飛んできます。ほどよい距離感を保ちつつ、なるべくいっしょの時間を過ごしてみてください。
猫は賢く、飼い主さんをしっかり観察しています。恐れる必要もない、とわかれば、少しずつ距離感も縮まってくるので、過剰に心配しないようにしましょう。
3.やたらと興奮しやすい(過剰反応)
3つ目は、やたらと興奮してしまう猫です。最も象徴的に表れるのは、おもちゃ遊びの場面で、遊びに熱中するあまり、つい飼い主さんの手や腕を噛んだり、引っかいたりします。このタイプの猫は、通常の猫よりもずっと野性気質が濃いめです。
愛猫がおもちゃ遊びに夢中になるのは、決して悪いことではありません。ただ、おもちゃ遊びの流れで、噛まれたり、引っかいたりされては、飼い主さんも非常に困ります。
過剰な攻撃性の裏側には、やはり、子猫の社会化期の過ごし方が影響しています。この時期に、他者との交流体験が乏しいと、遊ぶにしても力加減がわかりません。本人は普通にやっているつもりでも、度を越えて、相手(飼い主さん)を傷つけてしまうことがあります。
おもちゃ遊びのときに、愛猫から噛まれたり、引っかかれたりした場合は、すぐに遊びをやめて、今いる部屋から静かに退出してみてください。攻撃的行動=飼い主さんが去ってしまう、ということがだんだん理解できるようになれば、愛猫の行動も穏やかになります。
大きな物音や飼い主さんの派手な動きに反応して、興奮することもあるので、日頃からなるべく落ち着いた態度でふるまうことが肝心です。
まとめ
生来の気質によるものもありますが、多くの場合、猫の性格形成は、子猫時代の環境に強く影響を受けます。今回の記事では、気性の激しい猫の特徴として、3つのポイントを上げました。
良好な関係を築くうえで大事なのは、ほどよい距離感を保つこと、決して無理強いしないことです。さらに、上手におやつなどで興味を引くことも効果的。できるだけ長くいっしょの時間を過ごすと、飼い主さんの人となりも理解してくれるようになります。
気長に構えて、雪どけの喜びを実感してみてください。