『猫がニガテな人』ほど猫に好かれるナゾ…3つの理由 無意識に猫に好かれる態度を取っている?
1.一定の距離感を保つから
猫は基本的に警戒心が強い動物です。慣れないうちは、一定の距離感を保ちつつ、相手がどんな人物であるか、入念に見極めようとします。ある意味、人間で言うところの「人見知りの性格」に似ているかもしれません。
分析の結果、「悪い人じゃなさそうだ…」とわかれば、好奇心も手伝って、自分から近づいてくることもあります。
逆に、急に距離を詰められると、生来のセキュリティシステムが作動し、たちまち逃亡してしまいます。自分よりも数倍も大きい存在が、「抱っこさせて~!」とズンズン迫ってきたら、街を破壊する巨大怪獣と同じで、ただただ恐ろしいばかりです。
猫が苦手な人は、自分から猫に近づくようなことはありません。たとえ同じ空間にいても、できるだけ離れようとします。実は、その微妙な距離感こそ、猫にとっては安心できる距離感です。
仮に両者の隔たりを「ニャーシャル・ディスタンス」と名づけるなら、「気が向きさえすれば、自由に出入りできるフリースペース」というふうに猫は解釈します。
猫が苦手な人は、不動ニャン鑑定士から見れば、おそらく、またとない優良物件なのでしょう。本人の思いとは裏腹に、逆に好かれてしまうのが、ある意味、面白いところです。
2.じっと見てこないから
猫同士の見つめ合いは、挑発行為と同じです。平和主義者で、争いごとを好まない猫は、よほどのことがない限り、相手をじっと見つめることはありません。いったん視線が交錯すれば、やがて、抗争が勃発してしまいます。
困ったことに(猫からすれば)、猫好きさんのなかには、猫を見つけると、カメラで言う追尾AF機能が自動的に作動してしまう人もいます。一度、フォーカス・ロックしたら、猫の動きをひたすら追い続けます。
「愛とは、相手を見つめ続けること」であれば、凝視されたくない猫にとって、あまりにも重くてつらい愛です。正直言って、ストレス以外の何ものでもありません。
猫が苦手な人は、その点、自分から見つめることもないし、たとえ猫から見つめられても見ないフリでやり過ごします。揉め事を避ける猫のリスク対策と同じです。
視線を逸らす行為は、人間界では、不快感や嫌悪感を表します。一方、猫界では、同じ行為でも、「敵意はございません」という好意に映ります。
つまり、慌てて視線を逸らせば、本人の思いとは裏腹に、「自分に気があるかも…」と猫に思わせてしまう可能性があるわけです。
かくして、猫が苦手な人は、「オレのこと、好きなんだろ…」と目をハートマークにした猫から、しっぽピーン&スリスリの熱烈大歓迎を受けます。
3.落ち着いているから
猫は大声を出す人や派手に動く人が苦手です。身の危険を感じ、ただちに安全な場所に避難したくなります。猫が元気いっぱいな子供を避けがちなのは、そのためです。
猫を前にすると、かわいさのあまり、子供のようにテンション高くふるまってしまう人もいます。人懐っこい猫なら別ですが、大げさなリアクションは、多くの猫にとって無用なストレスを与えるだけです。
並々ならぬ好意は、出力方法を間違えれば、かえって猫を遠ざけてしまいます。
一方、猫が苦手な人は、すべてにおいて控えめです。積極的な関心もないので、大声で猫を呼ぶこともなければ、撫でるためにズカズカと接近することもありません。なるべく目立たないようにおとなしくして、視界の端に猫が通ってもスルーして済ませます。
「一定の距離感を保つ」「見つめない(敵意がない)」に加え、「落ち着いている」という好条件がそろうと、猫は、逆に注目せざるをえません。「もの静かな猫だ…友達になりたいかも」とつい気になって、興味深げに近づいていってしまいます。
猫が苦手な人は、本人の思いとは裏腹に、マル秘テク「マタタビ・パラドックス(そっけない態度に出れば出るほど、猫がすり寄ってくる)」を駆使している、と言っていいかもしれません。
まとめ
多くの場合、猫との関わりでは、積極性よりも受け身な態度、つまり、待つことが大切です。近づくべきか、逃げるべきか、常に猫側が主導権を握っています。
今回は、猫が苦手な人に限って猫に好かれる、という摩訶不思議な現象について紹介しました。
一定の距離を保ちながら、決して目をじっと見ることなく、物静かにたたずむ―そんな人物に、猫は思わず惹きつけられてしまいます。それこそ、猫の視点でとらえた「猫が苦手な人」の実像です。
猫好きなのに、なぜか猫からそっぽを向かれてしまう人は、本文で紹介した3つの態度を真似してみてください。もしかすると、意中の猫に振り向いてもらえるかもしれません。