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【箸を使わない】江戸時代の宿場町・大内宿の名物「ネギそば」が超ウマい…けど死ぬほど食べづらい!

ロケットニュース24

福島県・南会津の山間にある宿場町「大内宿(おおうちじゅく)」。江戸時代の街並みがそのまま残る風景はまるでタイムスリップしたかのようだが、この場所には今なお旅行者を驚かせる名物があるという。それは……

大和屋の「ネギそば」だ。聞くところによると、器に長ネギが丸ごと1本のっているらしい。箸の代わりにネギを使ってそばをすするそうだ……ちょっと意味が分からないが、昔からの風習なのだろうか。実際に食べて確かめてきたので報告したい。

【写真】江戸時代の宿場町がそのまま残る大内宿

・大内宿

大内宿は江戸時代に会津若松と日光今市を結ぶ重要な道「会津西街道」の宿場町として栄えた。今も街道沿いには30軒を超える茅葺き屋根の民家が立ち並び、江戸時代の街並みがそのままの姿で保存されている。

そんな歴史情緒ある街並みを散策しつつ、お目当てのネギそばを食べることに。大内宿の名店・大和屋は朝8時15分から営業していると聞いて朝イチでやってきた。人通りはまだ少なく、静かな宿場町を独占しているような贅沢な気分である。

・大和屋

さて、大和屋もザ・江戸時代スタイルのそば屋だった。完全に『まんが日本昔ばなし』のビジュアル。そういえば、お土産屋さんの店主が「雪景色も最高ですよ」と言っていた。たしかに日本ならではの風情がさらに感じられるだろう。

店頭の看板には「ねぎ1本で食べるねぎそば」と書いてある。「ネギで食べるならうちですよ」というアピールなのか。調べたところ、大内宿にねぎそばは10軒以上あるらしい。ともあれ、早朝から営業している店舗は少ないようだ。

人気の大和屋も平日の朝イチということで、まだお客さんはいなかった。一番乗りで入店。

外でも食べられるようだが、囲炉裏のある店内の方があたたかそうだったので座敷席へ。さっそく注文したのはもちろん「ねぎ1本で食べる ねぎそば・温(1200円)」。どう考えても食べづらそうな見た目が逆にそそられる。

・ねぎ1本で食べる ねぎそば

ちなみにネギで食べるスタイルは単なる奇抜なアイデアではなく、もともとは婚礼などの祝いの席で子孫繁栄を願って振舞われた料理だという。宴もたけなわとなった頃、料理番が「そば口上」を披露した後に出されたのが由来らしい。にしても……

マジかよ。

・ムズイ

いざ挑戦してみると……これがなかなかムズイ。慎重にすくい上げないとツルンと滑り落ちる。「器に口を近づけると食べやすいですよ」とスタッフの方。なるほど……それでも、うまく口に運べるようになるまで少し時間がかかった。

箸代わりのネギを薬味としてかじりながら食べていく。シャキッとした辛味と甘味が温かいつゆと合わさってウマい。てか、この “ワイルドスタイル” も美味しさを引き上げる要因な気がする。ただ、もちろん箸も用意されているので途中でチェンジしてもいいだろう。

寒い朝だったこともあり食べ進めるごとに体がポカポカしてきた。味もしっかり本格派。大内宿の名物にふさわしい一杯だった

・近くには温泉も

江戸時代の風情と激レア食体験を同時に楽しめる大内宿。近くには芦ノ牧温泉なんかもあるので温泉とセットで計画しても面白いかも。機会があればぜひ足を運んでみてほしい。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名:大和屋
住所:福島県南会津郡下郷町大内山本6
時間:8:15〜16:30

執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.

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