世界陸上の注目株に急浮上!村竹ラシッドが男子110メートル障害で日本選手初の12秒台
12秒92の日本新記録で優勝
陸上のアスリート・ナイト・ゲームズ・イン福井が16日、福井県営陸上競技場で行われ、男子110メートル障害決勝で村竹ラシッド(JAL)が12秒92(追い風0.6メートル)の日本新記録で優勝した。日本選手で12秒台をマークしたのは史上初。今季の世界2位、世界歴代11位に相当する好記録だった。
従来の日本記録は、順天堂大の先輩でもある泉谷駿介(住友電工)がマークし、自身も2023年9月の日本学生対校選手権で並んだ13秒04。アジアでもアテネオリンピック金メダリスト劉翔(中国)が2006年に作った12秒88(当時の世界記録)に次ぐ歴代2位となった。
9月に東京で行われる世界陸上の日本代表には泉谷駿介、野本周成とともに内定しており、一躍メダル候補に躍り出た。
世陸3連覇、パリ五輪金メダルのホロウェイと東京で対決へ
村竹はトーゴ人の父と日本人の母の間に生まれ、千葉・松戸国際高3年時に110メートル障害でインターハイ優勝。2022年のオレゴン世界陸上は予選敗退したが、2024年パリオリンピックでは13秒21で5位入賞を果たした。日本男子のトラック短距離種目では、1932年ロサンゼルスオリンピック100mメートルの吉岡隆徳の6位を上回る歴代最高順位だった。
今季も世界最高峰のダイヤモンドリーグで安定した成績を残し、5月のアジア選手権でも優勝するなど好調キープ。パリオリンピックで金メダルに輝いたグラント・ホロウェイ(アメリカ)は向かい風0.1メートルだったとはいえ優勝タイム12秒99で、今回の村竹の記録はそれを上回っている。世界陸上3連覇中のホロウェイと東京世界陸上での対決は注目を集めるだろう。
ちなみに世界記録は2012年にアリエス・メリット(アメリカ)がマークした12秒80。まだ23歳で無限の可能性を秘める村竹の今後が楽しみだ。
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記事:SPAIA編集部