サムライ顔ではなく平安顔です~塩野瑛久さん
塩野瑛久さん(Part 2)
1995年東京生まれ。2012年に芸能界デビューして、2013年に「獣電戦隊キョウリュウジャー」の立風館ソウジ/キョウリュウグリーン役でレギュラー出演を務めた後、数々のドラマ・映画・舞台で活躍。去年はNHK大河ドラマ「光る君へ」で一条天皇を演じて話題を呼びました。
出水:小さい頃はどんな少年だったんでしょうか?
塩野:やんちゃでしたね。アニメだったりが好きで、「ドラゴンボール」とかが流行ってたっていうのもあって、天下一武道界ごっこだとか言いながらみんなで戦いながらとか、修行だって言って木に登ったりとか、そんなことばっかりしましたね。アクティブで、外で遊ぶことも多くて、泥団子をどんだけピカピカにできるかととかやってました。
JK:子供の頃から評判でした?
塩野:評判は全然ないです。どちらかというと僕はおとなしい方で、そういうのも友だちの影響で、友だちについていくような感じが多かったですね。
出水:その頃将来の夢とか、こういうものになりたいなっていうのは何かあったんですか?
塩野:それもですね、みんながサッカーをやってて僕もサッカーを習いだしたりしたんですけど、サッカー選手になりたいって周りが言うから、僕もサッカー選手になりたいってなんとなく言ってた。どこかしら周りに流されて生きてきたというか、周りの流れを真似するように生きてきたことが多いかなと。僕の自我というか、自分はこういう人間なんだっていうのが芽生えたのは、中学を卒業して、この世界に足を踏み入れた瞬間ぐらいからな気がしますね。
JK:オーディションに行ったのは中学生?
塩野:高校生ぐらいの年ですね。実は僕高校には進学してなくて、中学卒業して実家のクレープ屋さんで働いてました。クレープが上手です(^^)
JK:あれちょっと憧れましたよね!シューって。
塩野:もうずっとだから練習してましたね。実際に中学卒業して、高校生ぐらいの年の時には店頭に立ってずっと焼いてました。
JK:かわいい子いるよって評判、絶対あったと思う!
塩野:確かに高校が近かったので、そういうので来てくれた方もいるのかなとは思います。
出水:その後、芸能界に入られたきっかけが2011年第24回ジュノンスーパーボーイコンテストで、審査員特別賞と青木賞をW受賞されるんですが、オーディションに出るきっかけは?
塩野:お客さんが勧めてくださったと言いますか・・・とくに高校進学してないっていうのもあり、この先何で食べていくだったりとか全然ぼやっとしていて、自分は何になりたいのかっていうのが全然見つからない状態だったんですけど。
JK:今は大成功ですね! an anの表紙ですよ、みなさん!
出水:俳優として進みたい、この道でいきたいんだって思ったのはどの作品との出会いがきっかけだったんですか?
塩野:自分がこの世界に入るのかもしれないって思った時に、やっぱりドラマだったりを見る目がすごく変わったんですよね。
JK:見方が研究科になっちゃったのね。
塩野:僕はこういう道に進もうとしているんだってことを実感して。とくに衝撃を受けたのが、劇団新幹線さんの「ドクロ城の七人」という舞台。出会った時はもうすでに上演はされていなくて、舞台を映像化した劇シネだったんですね。それを見た時に、お芝居のあり方が今までの僕の概念とはまるっきり変わっていて。僕は今まで映像、映画、ドラマのお芝居しか見たことなかったんですけど、舞台のお芝居に触れたことによってすごく見方が変わったんです。
JK:じゃあこれから舞台俳優っていうお芝居に出たらどうですか?
塩野:舞台もすごく大好きで、今までも舞台は踏んできたんですけど、舞台もやっぱりやっていきたい思いはあります。
出水:下積みの時期もあったそうですが、人生でいろんな選択をする時はわりとスッと決められる方ですか?
塩野:じっくり悩みますね。石橋を叩きに叩きまくるタイプなので(^^)結構慎重になって、頭使って考えちゃう方ですね。直感型ではないです。だいぶ理論型だと思います。
出水:ジュンコさんとちょっと違いますね(^^)
JK:私は直感型。まったく何も考えてない直感型、ひらめき型。それこそ私が一番羨ましいのは、セリフとか覚えられない。体がもう受け付けないみたい。嫌になっちゃうぐらい。だから学校では国語の時間ダメだった。丸暗記で言わなきゃいけない。あれがダメ。
塩野:僕もそんなに得意な方じゃないんですよね、セリフを覚えること。
JK:でも役になりきるってあるでしょ? そうするとバーって覚えられる?
塩野:それはあります。台本に書いてある気持ちだったり・・・一言一句間違えないぞっていうのは意識はしないようにして。そういうのを意識しだすとやっぱり全然自分の言葉にならないし、役柄の言葉に昇華しないといけないので。
JK:とくに時代物は時代が違うからね。ご自分の経験でマサカは?
塩野:an anの表紙をまさかジュンコさんの衣装で出ることになるのがマサカでした! 突然の出来事すぎました!! 今日呼ばれたこともまさかですし・・・結構びっくりが連続でしたね、ここ最近。
JK:よかった、嬉しい! 来てくださってありがとうございます!
出水:こういう雑誌の表紙の企画で、「この衣装で」って決まってるパターンは珍しいんですか?
塩野:珍しいです! 表紙に関してはだいたいan anさんの方でこういう表紙にしたいっていうなんとなくのものが決まっていて、そこに対して僕がスタイリストをつけた時に「こういう風にしたい」という話のもと表紙が作られたりするんですけど・・・「ええっ、これで表紙か?」っていうのはありました。
出水:他に最近、昔でもいいんですけど「マサカこんなことになるなんて」と思ったことありますか?
塩野:大河ドラマの一条天皇に決まったことは大きいかなと思っていて・・・というのも、今までオーディションも少なからず受けてきたんですけど、全然箸にも棒にも引っかからない状態で、どうしたもんかと思っていたところで。大河だったりそっち方向は多分僕には合わないんだなと思って、NHKさんにハマらないんだなって思ったんですね。
出水:それくらいたくさん受けてらっしゃったんですか!
塩野:だからそっちじゃなく、違う方向で頑張ろうって思ってたところだったんですよ。そこでオーディションのお芝居がある意味、力が抜けてたのが良かったのかもしれない。
JK:でもかえって一旦静止して見つめ直す時間がないと、前ばっかり見て方向が違うかもしれないでしょう。そういうのってあるんですよ、本当に。抜け方がちょうどバランスがよかったかもしれない。それとタイミングってあるよね。
塩野:まさにおっしゃる通りで、たぶん平安時代だからよかったんですよね。今までの大河ドラマは合戦が多かったりとか、荒々しく・・・たぶん僕はサムライ顔じゃないんですよね。
JK:全然違うと思う(笑)
塩野:でもやったこともあるんで、やると意外とハマるはハマるんですけど、やっぱりオーディションの段階ではなかなかイメージが結びつく人が少なくて。
JK:サムライ顔ってもうちょっとごっつい顔、刀を持って似合う人。刀似合わないよね! 笛が似合う! 平安で良かった!
塩野:それはそれで褒め言葉として(笑)
JK:役者さんだから、今後どんな映画に参加したいとか、どんな監督に会いたいとか?
塩野:やりたい監督は数多くいるんですけども、自分が等身大と言いますか、あまり作品の構成に縛られないものに参加してみたいっていう意味で言うと、今泉力也監督だったりはあまり飾らない人物、現代の等身大の若者を描くことが多かったりするので、そういったものをやってみたいなというのもあります。あと坂本裕司さんの脚本はすごく昔から大好きで、何かしら面白いなと思ったら坂本裕司さんの脚本だったことが多かったりするので、そういった作品に出たいなっていう思いもありますね。
JK:思うことが大切。思えば叶えられるから!
出水:お休みがあるとしたらどんなことをしたいですか?
塩野:実は海外旅行にあんまり行ったことがなくてですね・・・韓国は一応行ったことはあるんですけども、他は全然行ったことがなくて。プライベートで行ったりとかしたいな・・・ロンドンの街並みとか行きたいなと思いますね。あと建造物。
JK:まず一歩出ることね。一人で行くってちょっと厳しいかもしれないけど。ニューヨークはどうですか?
塩野:ニューヨークも興味ありますね。
出水:ジュンコさん、いろんなところにツテがあるんですよ。もし行かれる際はご相談ください(^^) あらためて、最後に「魔物」の見どころを話していただけますか。
塩野:僕の演じる凍也という人物が、そもそも殺人事件の犯人なのか? 善人なのか悪人なのか? そんなところは議題ではないんですけども、凍也いう人物の生態みたいなものを皆さんがどう感じるのか、僕自身も気になるところなので見てもらいたいですし、麻生久美子さん演じる華陣あやめもどんな結末を迎えるのか・・・冒頭に裁判所で弁論しているシーンが後半に向けてどう繋がっていくのか、そこを楽しみに見ていただけたらと思います。
(TBSラジオ『コシノジュンコ MASACA』より抜粋)