スター・ウォーズ、スター・トレック、エイリアン、3大SFの美学は混同できない ─ 「『エイリアン』は錆び、滴り、湿気」
「SFには3大ブランドがあります。『スター・トレック』と『スター・ウォーズ』、そして『エイリアン』です」。
米にてそう語るのは、現在 スターにて絶賛配信中のドラマ「エイリアン:アース」ノア・ホーリー監督だ。この3大SFには、それぞれの特色がある。
『スター・ウォーズ』の世界には(はるか昔の設定ながら)近未来的な宇宙船や基地、ドロイドやアイテムが登場するが、それらには生活感や使用感が表現されている。オイルや土の匂いが漂ってきそうな「薄汚れたSF」は、『スター・ウォーズ』の世界にリアリティを与える重要な要素だ。
一方で『スター・トレック』は理想社会的なビジュアル哲学だ。オブジェクトには艶や滑らかさがあふれ、清潔感ある洗練的な印象を与えている。同じSF作品であっても、その美術言語には驚くほどの違いを見て取れる。
「それぞれの美学を混同することはできません」とホーリーは語る。彼の見る『エイリアン』美術はこうだ。「物が少しだけ錆びていたり、滴っていたり、湿気があったり……そいういう要素が、雰囲気作りにおいて超重要なんです」。
(C)2025 FX Productions, LLC. Courtesy of FX Networks and Hulu
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そのジメジメ感は、ドラマ「エイリアン:アース」でよく表現されている。登場人物らが過ごすマジノ号内ではスチーム蒸気があちこちから吹き出し、キャラクターは額を汗で湿らせている。船内では、『エイリアン』シリーズ美術の密かな象徴である“鎖”がぶら下がっているのを見ることができる。
「鎖はたくさんあるんです」とホーリーは、ちょっと意外な裏話を語っている。「セットでは、何かに繋げられていたわけではないんですけどね。天井もなかったから、何か適当なものにぶら下げているんです」。
ドラマ「エイリアン:アース」はディズニープラス スターで独占配信中。独自の美術にも大注目だ。
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