各先生が作品の魅力を語る!今から読む際の注目ポイントは?『誰かこの状況を説明してください! ~契約から始まるウェディング~』原作者:徒然花先生・キャラクター原案:萩原 凛先生・漫画家:木野咲カズラ先生インタビュー
貧乏貴族令嬢のヴィオラと超名門公爵家のイケメン当主、サーシス様。二人の縁談からはじまる、お飾りの妻生活を明るい作風で描く『誰かこの状況を説明してください! ~契約から始まるウェディング~』。
本作は第1話が「小説家になろう」に投稿されてから、2025年1月で12年を迎えました。原作小説はもちろん、コミカライズ作品やドラマCD、舞台なども展開されている人気作品です。
今回アニメイトタイムズでは、原作者・徒然花先生、キャラクター原案・萩原 凛先生、漫画家・木野咲カズラ先生の3人にインタビューを実施!
連載開始当時の心境をはじめ、今から作品に触れるという方に向けて、本作の魅力や注目ポイントなどを語っていただきました!
【写真】『誰かこの状況を説明してください!』各先生インタビュー
明るい修羅場を書くのに苦労しました
──第1話となる「縁談という名の商談」を投稿されてから、今年2025年1月で12年を迎えましたが、現在の心境はいかがですか?
徒然花先生(以下、徒然花):質問を見て、初めて気付きました。12年! 自分が一番驚いております。
ひとことで言えば『そんなに経ってたのか〜!』ですね。これまでも、軽い気持ちで軽〜く書くスタイルできておりましたので……。
思いがけずたくさんの方に読んでいただき、それが嬉しくてどんどん書き進めていたら今度は出版社さんに見つけていただいたという幸運が訪れたのが、つい先日のことのように思い出されます。
ここまで続けられたのは、応援してくれる読者様に恵まれたからだと思っています。応援してくださる読者様にお話を届けたいという気持ちは今でも変わらず、むしろ、お話の続きを書く原動力になっています。
これからも、楽しいお話をお届けできるように頑張ります。
──本作を執筆されたきっかけや経緯をお教えください。また、今だから話せるエピソードなどありますか?
徒然花:色々と読んできた中で、浮気されたり裏切られたりするお話はたくさんあるけど、どれも悲劇的だったので、たまには明るいお話を読んでみたいなぁと思ったのがきっかけです。ないなら作っちゃおう、と。自分が結構あっけらかんとした性格なので、ジメジメしたのが苦手で。
いろんなところで言っているのでご存じの方もいらっしゃるとは思いますが、最初は10,000文字くらいの短編で書く予定でした。でも、書いていたら『10,000じゃ足らない』ということに気付き、急遽(?)長編にしました。しかも、長編といっても10話くらいの予定だったのですが……もはや200話を超えていますね。
──いまから本作を読むという方に向けて、本作の注目ポイントをお教えください。また、徒然花先生ご自身が特にお気に入りというポイントなどありますか?
徒然花:注目ポイント……は、やはり主人公ヴィオラの性格でしょうか。結構なマイナスポイントからの結婚生活だったはずなのに、なぜか楽しく過ごせてしまうところなどは、一緒にポジティブに明るくなっていただけるのではないかと思います。
気に入っているシーンは、やはり後半の修羅場のところですね。明るい修羅場を書くのに苦労しました(明るい修羅場ってなんだ)。第三者目線で他人の修羅場を書くのが難しくて難しくて……何度か書き直した記憶があります。書き終えた後は解放感? 変なテンション? で、その後を一気に書けた覚えがあります。『ここか、苦労したところは』と思いながら読んでいただけたらいいなと思います。
──本作はコミカライズ化もされていますが、原作者である徒然花先生から見たコミカライズ作品の魅力を教えてください。
徒然花:原作のイメージを崩すことなく、その上、原作以上に面白くしていただいているところが最大の魅力だと思います!!
どちらかというとコミカルなお話を、時にシリアスを交えて軽やかに描いてくださっていると思います。毎話、監修としてネームから読ませていただいているのですが『次はどんな展開かな〜?』と、完全に一読者になってしまっています。
話の展開もさることながら、何より、キャラクターたちが生き生きと動いてくれているのがいいですね。ヴィオラは可愛いし、旦那様はかっこいいし、そのほかのキャラクターたちも、もちろんいい味を出してます。
ただただ原作に沿ってというわけでもなく、コミカライズオリジナルのストーリーなども展開されているので、原作を読んだ方でもまた新鮮な感覚で読んでいただけると思います。
──ファンの方に向けてメッセージをお願いします。
徒然花:いつも温かい応援、ありがとうございます。数あるお話の中から拙作を見つけ、読んでくださっていることに感謝です。
ここまでお話が続いていること、そしてコミカライズや舞台、Otomo Booksという音源(?)化など、たくさんの展開を迎えられているのも、ひとえに読者様の応援があってのことと思っています。感謝してもしきれません。
みなさまに、一つでもたくさん話をお届けしたいという気持ちがモチベーションなので、これからも応援、よろしくお願いいたします。
楽しんでいただけるよう、頑張ります。
ヴィオラの存在がまさに本作の魅力そのものです
──本作のイラストを描かれる際に、気をつけていることやこだわっていることはありますか?
キャラクター原案・萩原 凛先生(以下、萩原):私にとってこの作品は初めてのライトノベルのお仕事で、毎巻全てにおいて学び、気をつけることばかりだったように思いますが、一つ挙げるとすればドレスデザインでしょうか。
本作の世界はヨーロッパ風でありながら、シンプルなドレスが流行とされているので、フリルなどの華やかな装飾を極力取り入れないように気をつけていました。デザインの際は現代のウェディングドレスを参考にすることが多かったです。
また本作は、一枚のイラストに登場するキャラクター数が多い傾向にあります。サブキャラクターとの交流が楽しいこの作品らしく、場面全体を見ているようなイメージで賑やかなものになっていると思います。
──キャラクター原案を務める萩原 凛先生が思うヴィオラとサーシスの魅力を教えてください。また、特にお気に入りのキャラクターはいますか?
萩原:ヴィオラの魅力は、周囲を巻き込んでしまうほどの、純粋で屈託のない明るい性格だと思います。ヴィオラの存在がまさに本作の魅力そのものです。
サーシスは序盤こそ好感を抱きづらいかもしれませんが、汚名返上のために奔走する姿は意外にも健気で、きっと応援したくなってくると思いますよ。
個人的にお気に入りのキャラクターですが、強いて挙げるとすればユリダリスです。サーシスに振り回されて苦労していそうなところが好きですね。
デザイン的な面ではミモザがお気に入りです。ミモザはデザインの際全くと言っていいほど悩みませんでした。侍女なので服装も髪型も制約がありますが、その中でも元気で可愛らしい雰囲気が出せたのではないかと思っています。
──いまから本作を読むという方に向けて、本作の注目ポイントを教えてください。また、特にお気に入りというポイントなどありますか?
萩原:ヴィオラとサーシス、そしてサーシスの愛人のカレンデュラ。この3人がいざ対面するシーンは、特に大きな見どころだと思います。それぞれどんな反応をするのか、どんな結果になるのか?楽しみにしながら読んでいただきたいです。
またヴィオラやサーシスだけでなく、サブキャラクターの人生が描かれるのも本作の魅力の一つです。
公爵家の使用人たちをはじめ、サーシス所属の騎士団のメンバー、義父母や令嬢たち……続々と登場する個性豊かなキャラクターにも注目してみてください。
本作は常に明るく朗らかな雰囲気で、つらく悲しくなるような展開がありません。元気なときはもちろん、疲れているなと感じたときにも、是非お手に取ってみてください。
誰も傷つかない物語でもあるのが見どころだと思います
──コミカライズを手掛けられている木野咲カズラ先生から見た原作小説の魅力はどういったところにありますか? また、コミカライズでの見どころもあわせて教えてください。
漫画家・木野咲カズラ先生(以下、木野咲):徒然花先生の書かれる原作小説の魅力は、何と言っても気負わず読めて楽しめるところにあると思います! 本作の出だしはいわゆる「ざまぁ系」に属するとは思いますが、誰も傷つかない物語でもあるのが見どころだと思います。ヴィオラ自身に旦那様に対する「ざまぁ」な気持ちは全くなく、読んでいるこちらが勝手にスカッとするんです。
旦那様は、最初はくせ者かと思いますが(笑)読み進めていくうちにお似合いの2人だなと思えるようになると思います。コミカライズがぴったりの作品なので、なるべく原作の魅力が伝わるようにネームにはこだわっています。
──本作のコミカライズを描かれるなかで、特にこだわっていることや特に好きなキャラクターを教えてください。
木野咲:旦那様が最初にやらかしているマイナスからのスタートなので、なるべく原作で描写されている心情をカットせず、2人の心が(主にヴィオラの気持ちが)並ぶところまで丁寧に描こうと心がけてきました。恋愛感情がゼロからのスタートなので、この2人まだくっついてないんだ…と描いていてもびっくりするくらい長い道のりでした(笑)。
個人的に好きなキャラクターは旦那様の彼女として登場するカレンデュラ様です。毒のような華のある女性を描く機会はあまりないので描くのが楽しかったです。自分を曲げずさっぱりしているところも好きです。
──いまから本作を読むという方に向けて、本作の注目ポイントや先生の思う特にお気に入りのポイントを教えてください。
木野咲:ヴィオラがとても楽観的でタフな女の子なので、この子なら大丈夫という安心感があります。それは物語の始めから現在続いている続刊まで変わりません。
ヴィオラの明るい性格が一番のお気に入りです。それは多分読者様も同じではないかと思います。加えてコメディタッチなお話なので気分転換にはぴったりです!
コミカライズは第10巻を迎え、原作の『契約から始まるウェディング』編を一通り描き終えたところです。今から読み始めてくださると先を待たずに一気読みができるのもポイントです!(笑) 原作ではドラマCDも出ているのでぜひ聴いてみてください。
最新刊情報
原作小説最新9巻
誰かこの状況を説明してください!~契約から始まったふたりのその後~ 9
超名門貴族・サーシスと“契約”結婚したヴィオラ。
ウキウキ使用人生活はついに旦那様公認になり、奥様業だって慣れたもの。日々健やかに育つ娘・レティのお世話もバッチリな中、レティの可愛さに旦那様をはじめメロメロになるダメ大人が続出!! 使用人さんたちがレアな一面を垣間見せるなか新たな年を迎えた。
国を挙げての一大イベント・フルールの日の準備に追われつつも、みんなに愛されるレティの誕生日の準備に張り切るヴィオラ。だけど、レティのなぜなぜ期が到来して――?
ネットで話題沸騰! 貧乏令嬢と旦那様の“契約”ウェディング・コメディ第九弾、今回も書き下ろし100ページ超えのサービス満載で登場です!
コミカライズ最新10巻
誰かこの状況を説明してください! ~契約から始まるウェディング~ 10
オーランティア兄妹に捕まってしまったヴィオラ。
使用人さんたちとの猛特訓のおかげで、一旦は窮地を切り抜けるも
怒り心頭の相手はしつこくて!?
そんな中、ヴィオラの救出に向かったサーシスは、ついに王太子との直接対決へ…!
──遊びは終わりだ。覚悟はいいか?
貧乏令嬢と旦那様との“契約”から始まる大人気ウェディング・コメディ、
新たなステージへの第10巻!