「冗談だろ!」オリンピックメダリストを称える彫像、お粗末すぎて撤去(ケニア)
2024年パリオリンピックが11日に閉幕し、祖国にメダルを持ち帰った選手たちが地元で盛大に称えられている。そんな中、東アフリカのケニアでは3人の選手を称えるために彫像が建てられた。ところが彫像は、本人に似ても似つかない出来だったため地元住民の反感を買うこととなり、撤去されてしまった。米ニュースメディア『New York Post』などが伝えている。
【写真】まるで子供が作ったような出来栄えに「敬意に欠ける行為」と怒りの声も
ケニアの大地溝帯(リフトバレー)に位置するエルドレットは、オリンピックメダリストなど陸上競技における世界的トップアスリートを輩出し、「チャンピオンの故郷」として知られている。この町に市のステータスを授与する式典が15日に行われることとなり、それに先立って町の農業とスポーツの功績を紹介するためにテーマ別の芸術作品を多数設置した。その中にアスリートの像もあり、陸上女子1500メートルで金メダルに輝いたフェイス・キピエゴン選手(Faith Kipyegon)や、パリ五輪では男子マラソンで惜しくもレース途中で棄権してしまったが、東京五輪で金メダルを獲得したエリウド・キプチョゲ選手とおぼしき彫像がお披露目された。
選手たちの功績を称える彫像は式典の目玉になるはずだったが、これらの彫像が本人たちに全く似ていない上に腕や脚には筋肉の質感が感じられず、まるで子供が作ったような出来栄えだったことで失笑の声があがった。エルドレット地方当局はこれらの彫像が誰なのか名前は明かしていないものの、SNSでは2体の彫像がそれぞれフェイス・キピエゴン選手とエリウド・キプチョゲ選手だと言われており、あとの1体は不明だという。
この彫像はSNSで瞬く間に拡散され、「これ冗談だろ!」「恥知らず」「レベル低すぎ」といった声や、次のような意見があがった。
「まるでブラジルのカーニバルのために作られたようだ。」
「これが我々のアスリートに対する扱いなのか?」
「これは完全なジョークであり、彼らに対して敬意に欠ける行為だ。」
「フェイス・キピエゴン選手とエリウド・キプチョゲ選手に敬意を払った彫像を建ててくれ。」
英国放送協会『BBC』によると、エルドレット地方当局は多くの批判を受けて、式典の前夜の14日に3体の彫像を撤去したという。ケニアの人たちからは彫像を撤去したことについて歓迎する声がSNSに見受けられたが、今後新しい彫像が建てられるのかは明らかになっていない。なお、式典は15日に無事行われ、ウィリアム・ルト大統領によりエルドレットは市の地位を授与された。
ちなみにペルーのニュースメディア『LaRepublica.pe』によると、彫像を制作した彫刻家に対して制裁を加えるようにといった声もあがっているという。しかし今のところ、措置が講じられたことは報道されていない。
画像は『Gwalla X「These statue of Faith Kipyegon and Eliud Kipchoge in Eldoret represent our collective mediocrity as a country.」』『LaRepublica.pe 「Homenaje a atletas de Kenia termina en una burla mundial por peculiar motivo」(Foto: X/LocosXCorrerOK)』『Faith Kipyegon Instagram「The 1500m you feel like my house and yesterday I came home again.」』『Eliud Kipchoge - EGH Instagram「When you are ready to lay it all on the line」』より
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)