野菜たっぷりおばんざいランチは週2回だけ!神戸花隈『ひいらぎ』で沁みるお昼の定食 神戸市
みなと元町駅(神戸市中央区)から山側・花隈方面に向かう途中で、粋な提灯を掲げているお店を発見。黒い文字で『ひいらぎ 旬菜』とあります。
入口の黒板には、お昼の定食が「おまかせ」で1,000円と案内されています。この立地で、この価格。“野菜たっぷり”という言葉も相まって、思わず足が止まります。
営業時間を確認すると、ランチは火曜と木曜のみ。店先には立派な柊の鉢植えが置かれ、店名の由来に思いを巡らせながら店内へ。
奥へ続く店内には季節の花が飾られ、洗練された小料理屋の空気が漂っています。女将の清末真澄さんが、カウンター越しに穏やかな笑顔で「いらっしゃい」と迎えてくれました。
入り口近くの席に座り、早速ランチをオーダー。提供は1種類なので悩まなくていいのは、優柔不断な筆者にはありがたい。目の前に飾られたススキを眺めながら、落ち着いた空間の心地よさを味わいます。
やがて、お目当ての料理が到着。大皿には魚料理、小鉢にはシシトウの炒め物、赤キャベツの酢漬け、きゃらぶきの3品が並びます。ご飯、味噌汁、香の物が盆いっぱいに揃い、野菜が多く使われているのがひと目で分かります。
具材たっぷりのとろりとした餡に隠れている白身魚は、お箸でつかむとほろっとほぐれるほど柔らか。野菜が中心の出汁は驚くほど甘やかで上品。心に沁みる味わいです。
3種の小鉢の中でも印象に残ったのが、甘長ししとうの炒め煮。醤油と味噌というシンプルな調味ながら、どこか違う深みがあります。実は女将は自ら畑を持ち、季節ごとの野菜を育てているのだそう。自家菜園の新鮮な野菜が料理に生きています。
「素材選びはもちろん、野菜を中心とした料理はすべて手作りし、体に優しくほっとする味を大切にしています。ランチは週2回ですが、夜も同じようなおばんざいを用意しています」と清末さん。
なかでも、冬だけでなく一年を通して提供されているおでんも人気で、この日は仕込みの様子を見せてもらいました。
来年の3月で開店から丸5年を迎えるという同店。「ワンオペのためランチはたくさん用意できず15食限定にしています。夜は食事や会話を楽しみながら、まったり過ごしてほしい」とのこと。
JR元町、阪神西元町、地下鉄みなと元町の3駅が利用できる立地は、仕事帰りにも訪れやすく、女性のひとり客も多いそう。優しい女将と手作りのおばんざいに癒やされっぱなしで、次回はひとり飲みにも訪れたくなる一軒でした。
場所
ひいらぎ 旬菜
(神戸市中央区元町通4丁目5-6 中野第2ビル 1階)
営業時間
17:30~22:30
ランチは火曜と木曜のみ(11:30~13:30)
定休日
水・日・祝日