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100%堆肥化素材でできたスニーカー スイス発「SOLK」誕生

ELEMINIST

すべての素材が100%堆肥化できるというスニーカーブランド「SOLK(ソルク)」が誕生した。スニーカーには「Made to Fade(消えるためにつくられた)」のメッセージが添えられている。

シューズ業界のベテランが開発した循環型スニーカー

SOLK

2025年6月、世界初となる100%バイオサーキュラリティなスニーカーブランド「SOLK(ソルク)」が誕生した。バイオサーキュラリティとは、生物資源を活用して使用後も資源として再利用し、環境への負荷を抑えること。

スイス発の同ブランドは、adidas、Helly Hansen、ZARAなど、スポーツブランドからライフスタイル分野に至るまで、グローバルなフットウェア製品の開発に30年以上携わってきたベテラン、David Solk(デイヴィッド・ソルク)とIrmi Kreuzer(イルミ・クロイツァー)の2名によって設立された。

6月3日にコペンハーゲンで開催された「グローバル・ファッション・サミット」にて、一般公開された「Fade 101」はSOLKのファーストモデルとなる。シンプルでタイムレスなデザインはデイリー使いに適しており、アウトラインには「Made to Fade(消えるためにつくられた)」のメッセージが刻まれている。カラーは、アイボリー、ブラック、サンド、エンバーの4色展開。

SOLK

「Made to Fade(消えるためにつくられた)」のメッセージ。

サステナブルなものづくりはすでに当たり前となっている欧州だが、SOLKのアイデアと技術は競合他社の一歩先を進んでいるといえる。ベトナムに自社生産施設を所有し、素材の開発から製造、労働環境の管理だけでなく、製品が消費者に渡り、寿命が終わって処分されるまで、環境への影響を最小限に抑えた循環型スニーカーを発明したのだ。

ファーストモデル「Fade 101」は、遺伝子組み換え肥料を与えず、飼育環境の整った牧場で育った牛から採取されたドイツ製のレザーを使用。他にも、天然ゴムのソール、100%バイオ由来の裏地、認証取得済みの堆肥化可能なシューレースが使用されている。接着剤の使用は最小限に抑えられ、裏地は廃棄物を出さない一体型ニット構造になっている。また、かかとのフィット感の良さ、ゆとりのあるつま先、通気性の良さなど、素材への配慮だけでなく、履き心地の良さも重視されている。

SOLK

AI駆動のレザーカッティングにより端材を削減。既存の機械を再利用し、独自の生産・コンポストシステムを構築し、履き古したスニーカーを栄養豊富な堆肥に変換することが可能だ。すべての素材は、200種以上の有害物質についてスクリーニングされ、堆肥化後の植物の安全な成長も検証済みとのこと。

SOLK

SOLKの共同創業者、デイヴィット。

ここまで徹底された循環型スニーカーの開発に至った経緯はなんだったのだろうか。共同創業者のデイヴィッドは以下のように述べている。

「長年、私たちはさまざまなブランドのために靴をつくってきました。しかし今、自分たちが本当にほしかった製品、つまり、履き心地がよく、そして、環境に害を残しにくいシューズをようやくつくることができたのです。Fade 101 は “サステナビリティへの一歩” ではありません。スニーカーという存在そのものを根本から再考したものなのです。私たちは業界のあり方そのものを変えることが目標です」

「Fade 101」は現在オフィシャルサイトにて予約可能。また、8月には新色が登場予定だ。

※参考
SOLK

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