ジュビロ磐田のハッチンソン監督、アウェー仙台戦後コメント。アウェー初勝利も「60分以降は我々のフットボールを捨てていた」
ジュビロ磐田は3月23日、アウェーでベガルタ仙台に3−2で競り勝ち、苦しみながらも今季アウェー初勝利を挙げました。一時は2−0から追いつかれましたが、今季加入した佐藤凌我選手が後半43分に決勝点。ハッチンソン監督は試合後の記者会見で、今後に向けて収穫と課題を挙げました。
一問一答
ー試合の総括を。
よく指導されていて本当にいい形で試合を進めてくる相手だったが、最初の60分はうまくゲームコントロールできていた。ただ残念だったのは、それ以降、我々のフットボールを捨てたというか、我々のフットボールができなかったこと。
本来3点目を目指すべきところで「2−0でOK」というようなメンタリティだった思う。それは我々が信じているものではない。選手もわかっているはず。そこが残念な点だった。
ただクラブのフットボールや文化を変革していこうというところで、2−0から追い付かれたところで、さらに3点目を取れたことは非常に良かったと思う。こういった環境で勝てたことは良かった。
ただ、さらに良くしていきたい。ボールを持っていても、持っていなくても、試合の主導権を握れるような。それが今日はできなかった。選手もスタッフも多くの学びがあった試合だと思う。次の試合にフォーカスしていきたい。
ー(決勝点を決めた)佐藤選手については、監督が2試合ほど前に酷評したことがあった。この間、彼にはどのような変化があったか?
選手というのは試合ごとにパフォーマンスが変わってくる。ここ数週間は、凌我(佐藤選手)自身の基準でプレーができていないと思っていたし、私ももっとできると思っていた。凌我はチームをさらに前へと前進させていけるような選手だと思っている。
凌我だけでなく全員がこのチームにおいて重要な選手ではあるが、今日は凌我が入ったことでエネルギッシュになった。(佐藤選手が)ハードワークしてワンタッチでゴールを決めることができたのは良かった。
昂志郎(角選手)も良かった。まだトップ下として学んでいるところではあるが、2試合連続でいいパフォーマンスを発揮できていたと思う。
これはシーズン最初から選手たちに常に言っているようにポジション争い。年齢が一番上であろうと一番下であろうと、一番給料をもらっていようとそうでなかろうと、一番調子のいい選手、そしてチームに価値をもたらすことができる選手がプレーをするということ。
ー60分以降に自分たちのフットボールができなかったのはどんなところに問題があったか。
最初はボールを持っていた時は非常に落ち着いて、相手のプレッシャーを受けても、その中で相手のプレスを迂回できていた。ロングボールも狙いを持っていればいいのだが、60分以降は、ただ狙いもなく蹴っているシーンが増え、受身になった。
このフットボールは1人がさぼったり、またはボールを受けたがらなかったり、動かなかったり、集団でプレーしなくなった途端に破綻する。
守備もまだまだ改善しなければいけない。私もこのチームにとって何が一番ベストなのかを探っているところ。今も改善しているところではあるが、ボールにプレッシャーがかからなかったり、シュートを許したり、セカンドボールを拾うためにハードワークできなかったり。そうしたキーファクターができなかったと思う。
ただ本当に選手が見せたキャラクターは強かった。本当に引き分けても、負けてもおかしくなかった試合で勝ちを手繰り寄せたということは非常に良かったと思う。
ー60分以降の話とつながるが、交代枠3人を使っても流れは変わらなかった。監督自身の反省点はあるか。
松原后が今週ずっと体調が良くなく、練習も満足にできていなかったので、(先発で使ったことは)一つの賭けではあった。(松原の交代については)チームにエネルギーをもたらすというか、エネルギッシュに前線からプレスをかけて相手の強みのロングボールを止める狙いだったが、確かに良い流れを引き寄せられなかった。4枚目でもう少し流れを変えることができればよかったかなと思う。