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先生たちの“ホンネ”聞いてみた!②「尋常じゃない…」ベテランもびっくりのリアルな1日のスケジュールとは

Sitakke

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いま教育の現場を担う「先生」たちが揺れています。

5月、教員の働き方改革などを議論している文部科学省の諮問機関は、残業代の代わりに支払われている「調整額」を、現在の月給4%から10%以上に引き上げることなどを盛り込んだ「提言案」を示しました。

現場から上がったのは…抗議の声でした。

▼先生たちの“ホンネ”聞いてみた!①思わず「帰れるわけねえだろ!」休めない、終わらない…教育現場の実状から続く

北海道教職員組合の山谷一夫中央執行委員長は「今の問題は教職員のなり手不足や欠員補充」と声をあげます。

新潟県の教職員組合・今井淳執行委員長は「『お金を払うからもっと頑張りなさい』という捉えでは、学校現場は成り立っていない」と話します。

一部では“定額働かせ放題”と揶揄されることもある労働環境に、現役の先生たちは…。

20代(教員歴6年)
「どんどん疲弊してしまっていって、何も考える気力がなくなってしまう…」

50代(教員歴36年)
「こういう働き方が何も変わらないんだったら、先生を目指す若者は絶対増えないと思う」

先生の働き方を改善するには、何が求められているのでしょうか。## 「先生」を目指す学生たちの本音は

北海道北広島市にある星槎道都大学。
将来、「先生」を目指している学生たちは、教育現場の現状についてどう感じているのでしょうか。

ある学生は「中学校のある先生は『教師にだけはなるな』と言っていた。やっぱり大変な仕事なんだなと思った」と言います。

またほかの学生からは「モンスターペアレントについてよく聞いていて、自分が病んだらどうしようと考えることはあるけれど、自分の中でしっかり芯を持って、強い意志で教員になれたらいいなと思う」と不安と希望の声も。

教員採用試験の志願者数は、減少しています。
2025年度の北海道内の志願者数は3582人。前の年より483人減って、ここ10年で最低となっています。

教壇に立つ先生たちには、どんな悩みがあるのでしょうか?
北海道内の小学校で働く20代から50代の先生3人に“本音”を語ってもらいました。

20代(教員歴6年)
「家に帰ってもうまく休み切れていない実感がしていて。寝て起きるけれど、リセットされていないまま、また学校に行って…。寝ていても学校の夢を見たり…」

激務を続ける先生たちは、どんな1日を過ごしているのでしょうか。

休憩といいながら実際は…

まずは50代のベテラン先生。
朝4時半に起きて出勤。就業後、午後3時半まで休みなく働き続けています。

50代(教員歴36年)
「午後3時半になったら休憩が45分間あって、その後、終わりに勤務時間が15分くっついている。いわゆる昼休憩じゃないんだけど、『間に休憩がちゃんと挟まっている』っていう、形式的にはそうなっている」

「ほぼ休憩している人はいないから業務がずっと続いている感じだけど、いわゆる自発的勤務…勤務時間外にやっているから。『自分がやりたいからやっているんでしょ』って…」

テストの採点や打ち合わせなど、ほとんど休憩を取らずに働き、午後6時に学校を出ます。家に帰ってからも“明日の準備”が…。

50代(教員歴36年)
「学校で終わらなかった仕事を、夕食を食べた後にまた少しやる。明日だけではなくって、これからやる授業の準備、教材作り、プリント作り、そういうものも含めてですけど」

40代の中堅の先生は、スポーツ少年団の指導も行っていて、ベテランの先生同様、午後8時ごろまで、ほぼ休むことなく勤務。

家族との時間をとるために、次の日の準備などは、出勤前の早朝に行うようにしています。そして「給食」の時間も…。

40代(教員歴20年)
「自分が食べるのは、本当にものの何分かでパッと食べる。あとは子どもたちの食べている様子を見たり、残ったもののおかわりを聞いたり、もうあっという間に給食時間は終わる」

50代(教員歴36年)
「よく保護者や一般の方は『先生方の休憩時間ってお昼なんでしょ?給食を食べているとき、休憩なんでしょ?』と思っているんだけど、違うんだよね」

そして…20代の若手先生は、ほかの2人も驚くような過ごし方をしていました。

睡眠時間は3時間!

50代(教員歴36年)
「えっ?深夜1時に寝るのー?ホント!?」

ベテラン先生から思わず驚きの声が…。
教員歴6年の20代の先生は、少しでも自分の時間を確保するため、睡眠時間を削っているといいます。

20代(教員歴6年)
「どうしても自由な時間が欲しいので、自分の趣味である読書をして、大体眠たくなってきたら寝て、4時くらいに起きて…」

50代(教員歴36年)
「もう、あり得ないよね」

40代(教員歴20年)
「3時間しか寝ていないですよ…」

20代(教員歴6年)
「でも…なんか体が慣れているのか、もうその時間にはちゃんと起きられるので」

50代(教員歴36年)
「いや、だって疲れなんか全然取れないよ、3時間でしょ?明日の授業準備で、夢見るんでしょ?」

若手先生は現在、1年生の担任をしているため、ほかの学年に比べて授業数は少ないはずですが…。

20代(教員歴6年)
「放課後に準備する時間は長いと思うんですけど、その分1年生は助けが必要な子どもたちが多いので。助けるためにはどうしていかなきゃいけないのか打ち合わせをしたり、教材を準備したり…。気づいたら午後6時になっていることが多いです…自分の生活ヤバイなと思って」

ベテランと中堅の先生からも「ヤバい」「尋常じゃない」と声が上がる生活環境…。

それでも先生を続ける理由。根底にあるのは、「よりよい授業」のためです。

子どもたちにいい学びを…そのための時間が欲しい

20代(教員歴6年)
「若い先生は、授業に対する引き出しが少ない分、いろいろ準備しなきゃいけない。だけどほかの業務が沢山あって、なかなかそこまでたどり着けない現状があります」

50代(教員歴36年)
「私にとって一番の褒め言葉は『先生、きょうの授業はあっという間に終わったね』って言われること。ものすごく嬉しい言葉ですよね。そうするための授業を準備する時間は…本当に足りない。だから、自信を持って明日の授業時間に臨みきれない」

40代(教員歴20年)
「授業の質が良くなければ、子どもたちにとっての豊かな学びには繋がっていかない。そういった一番かけたい時間に、しっかり時間をかけられる勤務体制になってくれたら」

授業の質を向上させたいと取り組んでいるのに、先生たちには、その準備のために時間を割く余裕がないというのが実情のようです。

こうした状況を見る限り、先生たちの“労働環境の改善”は待ったなし…というところにあるようです。

今回、取材に応じてくれた小学校に勤務する3人の先生は、いずれも教育現場に立つ仕事にやりがいを感じていると話しています。
とにかく授業内容を充実させるために、時間が欲しい…とのことでした。

では、激務をこなす教師の待遇面はどうなっているのでしょうか…給料の手取り額は次の通りです。

・教員歴6年の【20代】の先生は、手取り約20万円
・教員歴20年の【40代】の先生は、手取りで約30万円
   
このほかにボーナスの支給があります。
  
教育現場の待遇改善という点にプラスして、子どもを預けている親としても、小さいことであっても先生に協力できることはないのか…という視点は持っていたいと思います。

より良い教育現場、学びの場にしてためにも、一人でも多くの協力が必要なのではないでしょうか。

そうした状況から、どうすれば抜け出すことができるのか。いま一度、学びの場について、社会の誰もが、先生たちに寄り添う気持ちが必要かもしれません。

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2024年6月7日)の情報に基づきます。

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