県内外の小学6年生、85人がエントリー。くふうハヤテベンチャーズ静岡ジュニアチームの最終選考を取材した
12月に開催が予定される『NPB12球団ジュニアトーナメント KONAMI CUP〜第20回記念大会〜』。プロ野球12球団が結成したジュニアチームが戦う少年野球大会だ。
今回くふうハヤテも招待チームとして参加することになったため、チーム結成に向け、小学6年生の男女を対象に8月からセレクションが行われた。
最終選出人数は16人の予定だが、静岡県内全域、東京、埼玉、岐阜から合計85人がエントリー。3次選考までに50メートル走などの基礎能力やノック、試合形式のテストを実施。
そして9月14日、富士市の富士整形外科病院で、メディカルチェックと面談による最終選考が行われた。
球団スタッフによる受験生とその保護者との面談では、野球に関する質問に加えて、選手自身の人となりも聞かれるなど、全体的にリラックスした雰囲気の下で行われた。
最終選考を受けた受験生からは「静岡出身なのでハヤテの一員として戦いたい!」「(これまでのセレクションで)レベルの高さを感じている」「チームの皆と友だちになって一緒に野球できるのが楽しみ」といった期待の声が上がる一方、「僕が試合に出られるかはちょっと不安…」といった小学生らしい本音も聞かれた。
メディカルチェックでは、エコー(超音波検査器)等を用いて肩や肘の状態を確認したり、理学療法士によって同部の動作に付随する可動域の広さや痛みや動きの制限の有無までチェック。終了後には体幹や股関節も含めたケアやストレッチの方法と解説用動画のQRコードが添付された紙が受験者1人1人に手渡され、選考を無事通過した場合、チーム始動までに体の状態を整えられるようなサポートも行われていた。
メディカルチェックを担当したのは、くふうハヤテのチームドクターも務める富士整形外科病院の木島丈博医師。これまでに多くのプロ野球選手の手術やリハビリを担当する整形外科医師でありながら、『野球マニア』な一面もあり、プロ野球がシーズンオフの期間にはプロ選手を招いて野球教室を開催するなど、精力的に活動している。
その木島氏の“助手”という形で、当日はくふうハヤテの投手でありながら、群馬大学医学部を卒業し、医師免許も持つ竹内奎人選手が練習を終えた後にスクラブ(医療用白衣の一種)姿で登場。現役の投手でありながら、いずれは整形外科医としての道も志す“右腕”は、「怪我なく思いっきりプレーしてほしいと思うから、こういった機会をしっかり設けて状態を確認するのは良いことだと思う」と笑顔で答えた。
二人は高校時代から面識があり、竹内選手自身も群馬大時代に木島氏の執刀で右肘の手術を受けている。その後も医学部生として木島氏のもとで研修を行うなど、関係性は深い。
ただそこはやはり現役投手。今シーズン登板し続けている勲章とも言える日焼けした小麦色の肌は診察室でよく目立ち、受験した子どもたちにとっても「体も大きくて、迫力があった」と気になる存在だったようだ。
くふうハヤテベンチャーズ静岡ジュニアチームは、10月から始動する予定だ。
文:SBSアナウンサー 松下晴輝