相模女子高吹奏楽部 目標へ向け練習、意識改革 編成変更で2年目で成果
第30回東関東吹奏楽コンクールが9月7日、栃木県で行われ、県代表として出場した相模女子大学高等部吹奏楽部がA部門で銀賞を受賞した。同部がA部門に出場するのは今年で2年目。常連の強豪校が揃う中、県大会では1位となる朝日新聞社賞を受賞する快進撃を見せた。
高校生の部は人数や曲数によって2つの部門に分かれている。30人以内の編成で自由曲のみの演奏となるB部門に対し、A部門は55人以内の編成で課題曲と自由曲の演奏で競う。
同部はこれまでB部門に出場してきた。2021年から2年連続で、同部門の最上部大会である東日本学校吹奏楽大会金賞を受賞している。東関東吹奏楽コンクールの人数改定により、昨年からA部門に出場。県大会で金賞を受賞し、東関東大会に出場した。
ペア練に工夫
同部によると、編成を変えることで演奏する曲数が増え、課題曲と自由曲の練習のバランスが大変だったという。
特に4つの曲目から選ぶ課題曲は、他校と演奏が被りやすい。同校が今回のコンクールで演奏した課題曲は酒井格作曲の『メルヘン』。常任指揮者の関井うららさんは「『メルヘン』は多くの学校が選んでいる。その中でも差をつけるために、冒頭にインパクトが出るよう何度も練習した」と話す。
コンクールメンバーは55人。初心者や中学から楽器を変えた部員もいるため、経験に差が出てしまうのが課題であった。そのため注力したのは「ペア練習」。同じ楽器ではなく異なる楽器同士がペアで練習し、最後は部員の前で成果を披露する。部員の前で演奏することで、各々の曲に対するニュアンスを同じものにしてきた。
行動変える点呼
練習だけでなく、目標達成への意識を高めることにも取り組んだ。
同部が今年掲げた目標は「東関東大会金賞」。部長でホルンパートの鈴木理心(りみ)さん(3年)は「返事や行動を直さないと目標は達成できないと思った」と話す。3年生が主体となり、改善できる点を話し合った。例えば点呼では、1人ずつ名前を呼ぶことを始めた。返事を徹底することで、目標達成への気持ちを部員全員で共有した。
県大会で朝日新聞社賞に選ばれたときは少しの間の後、嬉しい悲鳴が上がった。昨年は金賞の中でも一番下、銀賞と1点差だったため、部員たちは今回の結果は予想していなかったという。
鈴木さんは「力強さと素直さがあり、部員に向上心がある」と、快進撃の秘訣を語った。