『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』熱すぎるテガソード愛と仲間を包む優しさ。暴神竜儀/ゴジュウティラノは“ゴジュウジャーのお母さん”!?【ゴジュウジャーメンバーの魅力 第3回】
2025年3月より放送中のナンバーワン戦隊ゴジュウジャー。スーパー戦隊シリーズ50周年を記念したアニバーサリー作品で、動物や恐竜=「獣(けもの、ジュウ)」をモチーフにしたヒーローが大活躍しています!
ゴジュウジャーのメンバーは、性格も価値観もバラバラで、全員がワケありの“はぐれ者”。そんな中で、ひときわ異彩を放っているのがゴジュウティラノに変身する暴神竜儀(ばくがみ・りゅうぎ)。彼は家族と疎遠になっており、テガソードを熱狂的に信仰する姿は“狂信者”とまで言われています。そのあまりの崇拝ぶりに、ゴジュウジャーの仲間たちですら思わず引いてしまうことも……。
しかし一方で、真面目で礼儀正しい“育ちのいいお坊ちゃま”でもある竜儀。さらに面倒見のよさも相まって、好きになってしまう人が続出中! この記事では、そんな竜儀のクセ強すぎる信仰心など、魅力を詳しく紹介していきます。読み終わる頃には、あなたも彼の“信奉者”になっているかも……⁉
“操り人形”だった少年が見つけた光
竜儀の一番の魅力は、なんといっても「テガソードへの熱心な信仰心」ではないでしょうか。初登場からして常軌を逸しており、なんとグランドピアノを担いで現れ、テガソードを称える賛歌を熱唱。そのインパクトは忘れられません……! さらに、吠たちが少しでもテガソードを雑に扱おうものなら、即座に激怒。時には、テガソード本人ですら、気を使ってしまうほどの入れ込みぶりを見せています。
そんな強すぎる想いの背景には、竜儀の過去がありました。彼の生まれは、天才外科医を代々輩出してきた暴神家。幼いころから両親の厳しい教育に縛られ、自らを“操り人形”と評するほど窮屈な人生を送ってきました。そんな日々の中で、偶然目にした古書に記されていたテガソードの存在。そこに光を見出した竜儀は「敬愛するテガソードに仕え、人々をあらゆるしがらみから解放する」という願いを胸に、家を飛び出したのです。
幼少期から竜儀を支えてきた家政婦・家守召子(やもり・しょうこ)が、竜儀を連れ戻すためにテガソードと契約してまで迎えに来たときも、その決意は揺らぎませんでした。テガソードと共に戦う姿を見せることで、召子をも説得し、自分の道を選び取ったのです。
たとえ「狂信者」とバカにされても、幼いころに見つけた光を大人になっても追い続ける竜儀。そのひたむきさに心を打たれる人は少なくありません。
とはいえ、その熱心さがズレた方向に転んでしまうことも。テガソードの祭壇のセンスがイマイチだったり、信仰が熱烈すぎて周囲を驚かせてしまう場面も多く、シリアスとコミカルの両面で魅力を放っています。
にじみ出る育ちの良さは、やっぱり“お坊ちゃま”!?
竜儀のもう1つの魅力は、その生い立ちゆえの育ちの良さと品のある立ち振る舞い。“お坊ちゃま”の彼は、さまざまな場面でその真面目さや礼儀正しさを自然に発揮してしまいます。
例えば、テガソードと契約し87歳から17歳まで若返ったゴジュウイーグル/猛原禽次郎(たけはら・きんじろう)に対しては、ゴジュウジャーの中で唯一「さん付け」で呼ぶ徹底ぶり。禽次郎本人が「もっと気軽に呼んでほしい」とお願いしても、「そういうわけには」と笑顔でかわし、年長者への敬意を崩しません。
第13・14話で登場した礼儀作法を自慢とするマナーノーワンとのバトルでは、その知識量と落ち着いた所作で互角以上に渡り合い、相手を一時丸め込む場面も。さらに第29話のおもてなしノーワンとのバトルでは、仲間たちから自然に頼られる姿が描かれました。ゴジュウジャーのメンバー内で最年長ということもあり、どっしりと構えつつも時に優しく声をかける面倒見の良さに安心感を覚えます。SNSや東映公式ブログで“ゴジュウジャーのお母さん”と呼ばれているのも納得です(第6話でのおままごとで母親役を務めたことも影響しているのかも?)。他にも細やかなシーンで、竜儀の育ちの良さや紳士的な人柄が際立っています。
一方で、まさに“お坊ちゃま”らしい世間知らずな一面も愛すべきポイントです! 第2話より喫茶店「テガソードの里」で店長を務める竜儀ですが、提供するパフェの価格をなんと2500円に設定。お客さんとして訪れたゴジュウユニコーン/一河角乃(いちかわ・すみの)に「高すぎる」と引かれ、必死に「適正価格を教えてほしい」と頼み込む姿には、思わずクスッとしてしまいました。
完璧なマナーと真面目さに加えて、ときおり見せる世間知らずなギャップ。その“品の良さ×抜け感”のバランスこそ、竜儀が多くの人に愛される理由の1つなのです。
テガソード信奉者が選ぶ道
第29話で、自分の中に潜むエゴに気づいた竜儀は、「テガソード様にとっては、私でなくても誰かが指輪を集めてくれればいい」と吠に願いを託し、静かにチームを去っていきましす。さらにゴジュウティラノの指輪までもが別の人物の手に渡るという衝撃的な展開に、SNSでは「ゴレンジャーのパロディ?」「このまま退場ってこと?」「いや、絶対戻ってくるはず!」とさまざまな声が飛び交っていました。
そんな『ゴジュウジャー』は、物語の中盤へと差し掛かっています。竜儀が去った今、チームにどんな変化が生まれ、彼らがどう成長し、絆を深めていくのか。そして、果たして竜儀自身が再び戻ってくる日は訪れるのか。視聴者の期待はますます高まるばかりです。
竜儀の信仰心に共鳴するもよし、ほかのメンバーの魅力を掘り下げるもよし。彼らの葛藤や成長をリアルタイムで見届けられる体験は、きっとあなたの胸を熱くしてくれるはず。
まだまだ続くゴジュウジャーの物語。あなたの“ナンバーワン”になるのは、果たして誰なのでしょうか?
[文/五六七 八千代]