パ・リーグ球団別2024年MVP ソフトバンク近藤健介が断トツ!日本ハム・レイエス、ロッテ岡大海も活躍
首位打者と最高出塁率の近藤健介はwRAA54.3
プロ野球パ・リーグの全日程が終了した。ソフトバンクが91勝を挙げる独走で4年ぶりに優勝。2年連続最下位、5年連続Bクラスだった日本ハムが2位に躍進し、3位ロッテとクライマックスシリーズで戦うことになった。
SPAIAでは開幕から143試合のwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「年間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。
12球団トップのwRAA54.3をマークしたのはソフトバンク近藤健介。打率.314で首位打者、.439で最高出塁率のタイトルを獲得し、19本塁打、72打点、92四球と文句のない成績だった。9月16日のオリックス戦で右足首を痛めて戦線離脱したが、全体練習には合流しており、クライマックスシリーズ・ファイナルステージでの復帰が期待される。
ソフトバンク勢は栗原陵矢がwRAA28.0、34本塁打、99打点で二冠に輝いた山川穂高がwRAA27.8と高い数値を叩き出しているが、その中でも近藤は断トツ。パ・リーグでは唯一、打率3割をマークしており、押しも押されもせぬ日本球界最高の打者と言っても過言ではない。
楽天・辰己涼介は走攻守で貢献
2位に入った日本ハムはレイエスがwRAA28.8で、清宮幸太郎(25.6)を抑えてチームトップだった。来日1年目の今季前半は苦しんだが、日本の投手に順応してきた夏場から爆発。球団新記録の25試合連続安打を放つなど、打率.290、25本塁打、65打点の成績を残した。
3位ロッテは岡大海がチームトップのwRAA25.9。規定打席にはわずかに届かなかったものの103試合に出場して打率.287、7本塁打、33打点をマークした。本塁打と打点は昨季と並ぶ自己最多タイ、28二塁打は自己最多だった昨季の16本を大幅に上回り、チームではソト、ポランコに次ぐ長打率.434だった。
4位でCS進出を逃した楽天は、最多安打のタイトルを獲得した辰己涼介がwRAA21.9だった。6年目の今季は打率.294、7本塁打、58打点。wRAAの項目には入っていないが、盗塁も20個決めており、外野手のNPB記録を76年ぶりに更新するシーズン392刺殺をマークするなど走攻守でチームに貢献した。
オリックス森友哉は打線牽引、西武は佐藤龍世がトップも寂しい数字
4連覇ならず5位に沈んだオリックスは森友哉がwRAA19.9を記録した。移籍2年目の今季は打率.281、9本塁打、46打点。昨季(打率.294、18本塁打、64打点)よりは成績を落としたものの、得点力不足の打線を牽引する働きだった。
最下位・西武は佐藤龍世がチームトップだったものの、wRAA8.8と寂しい数字。93試合出場、7本塁打、34打点はいずれもキャリアハイだったが、他のレギュラー陣の活躍や活きのいい若手の台頭も待たれるところだ。西口文也新監督の手腕が注目される。
セ・リーグはDeNAオースティンがトップのwRAA48.1をマークするなど必ずしもチームの順位と年間MVPのwRAAは一致しなかったが、パ・リーグはきれいに一致した。中心打者の活躍はそれだけチームへの影響も大きいと言える。CS、日本シリーズでも主軸の活躍が勝敗を分けるかもしれない。
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記事:SPAIA編集部