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フジテレビの10時間会見からみる日本のジャーナリズム

文化放送

2月7日(金)、ニュースキャスター・長野智子がパーソナリティを務めるラジオ番組「長野智子アップデート」(文化放送・15時30分~17時)が放送。午後4時台「ニュースアップデート」のコーナーでは、「フジテレビの10時間会見からみる日本のジャーナリズム」というテーマで、ジャーナリストの青木理氏に話を伺った。

鈴木敏夫(文化放送解説委員)「もう改めてご説明する必要もないかもしれませんけども、フジテレビジョンの記者会見が行われて、(午後)4時から始まって、深夜をまたいで、休憩もあったんですけれども、2時くらいまで続いてしまったと。その中では同じような質問が繰り返されたり、一人の記者が30分くらい時間を占めてしまったり、罵声が飛んだり、それをなだめるような質問もあったりということで、なかなかカオスになってしまったのではないかという指摘もあるというこの記者会見について、青木さんにお聞きしたいと思います」

長野智子「神保哲生さんが(記者会見に)参加されていて、神保さんとお話したんですけれども。まず記者会見場に入った時に神保さんは『あっ……』って思ったって。それは何かっていうと、各記者の全部の椅子にペットボトルの水が置かれていて、しかも配線コードが設置されていて、『これはもうフジテレビは(会見を)長くやるつもりなんだな』っていうのを、まず最初に思ったと、その設えで。で、それからずっと神保さんは手を上げながら聞いていくわけですけど、やっぱり途中で『(この会見は)フジテレビが仕組んで長くやって、言われたい放題で記者から糾弾をされて、っていうのを見せるものなんだな』っていうのがもうわかってきたので、神保さんは『本当は更問いしたい質問がいっぱいあったんだけれども、諦めて途中退席した』っていうことをおっしゃっていて。青木さんには色々とお伺いしたいことがあるんですけども、記者会見って事実関係を明らかにするために質問をするっていう意味では、神保さんは『質問は5つで済んだし、あの10時間。その5つに更問いすることで、色々なことがたぶん明らかになってきたはず』とおっしゃっていて。記者の正義感から糾弾するような演説は、ほとんどの人は聞きたくないですよね?だから“正義感”っていう言葉も私はちょっと抵抗があるっていうか。どちらかというと本当に落ち着いて事実関係を更問いしながらでも明らかにしていく、っていうふうにならないもんなんですかね?」

青木理「難しいですよね。これはもう少し話を広げれば、インタビューをするっていうのが、我々のこの職業の、ある種のプロフェッショナリズムみたいなことでいうと、たとえばインタビューではお行儀よく『あー、そうでございますね、そうでございますね』って言っていたらインタビューにはならない。長野さんだったらテレビの世界で本当にそういうところはよくあったと思うんですけど、人の表情の本音の部分を出したければ、時に失礼なことを聞いて怒らせる、あるいは、ちょっと聞いちゃいけないようなことを聞いて動揺させるっていうのも、インタビューのテクニックとしてはあり得るわけですよね」

長野「ありますね」

青木「それが物事の本質に迫ったりとか、あるいは、その人の本当に持っている表情一つだけでも引き出すっていうことがテクニックの中には含まれている。それだったら僕は怒るとかっていうのもテクニックの一つとしてはあるんだけれども、それが難しいのは、メディア環境の激変に伴って、取材の仕方まで見られるっていうことになってくると、よっぽどプロフェッショナルに徹してやらないと、それ自体が批判の対象になる。逆に言えば、批判の対象になったって聞くべきことは聞くってことが必要なんだけれども、それも見られているんだっていうことを自覚しなければいけないっていう状況になってきているっていうあたりが、メディア・ジャーナリズムの世界に関わってきて、なかなか難しい時代だなっていうふうに思ったりはしますよね」

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