「アボカド」の食べ過ぎNG!体に起こりうる“2つのリスク”と適切な摂取量
「栄養があるから」といって、一度に“アボカド”をたくさん食べていませんか? じつは、適正量を超えると体にとってデメリットがある可能性も。今回は、摂南大学農学部 食品栄養学科の織田 奈央子先生に「アボカドの食べ過ぎによって起こりうるリスクや1日の適正量」を教えていただきました。栄養を効率的に摂る食べ方も併せて要チェックです!
教えてくれたのは……織田 奈央子先生
摂南大学農学部 食品栄養学科助教。専門分野は、栄養学。五大栄養素であるミネラルの中でも特にリンに注目して研究。主な研究には「ミネラル代謝の変動と生体への影響」「食事性リンに着目した病気が出来上がっていく仕組みや予防法」などがある。
「アボカド」の食べ過ぎによって起こりうる健康リスクとは
クリーミーで濃厚な風味が人気のアボカドですが、過剰に摂取すると健康リスクが生じる可能性があるため、適量を心がけることが大切なのだそうです。どのようなリスクが考えられるのかを織田先生に伺いました。
織田先生:アボカドは「世界で最も栄養価の高い果物」としてギネスブックにも認定されているほど、栄養価の高い果物です。1個あたりのエネルギーは約220kcalで、お茶碗一杯分のご飯と同程度。脂質を多く含むことから、“森のバター”とも呼ばれており、脂質が約18g含まれています。
そのため、健康に良いからといって食べ過ぎると、肥満のリスクが高くなったり、下痢や胃もたれなどの消化器症状を引き起こしたりする可能性があり、注意が必要です。
適切な摂取量であれば体にうれしいメリットも!「1日の適量」は?
食べ過ぎはNGですが、適切な量の摂取であれば体にとってうれしいメリットがあるとのこと。1日にどのくらいの量が望ましいのでしょうか。
織田先生:適切な摂取量は明確に示されていませんが、上述のとおりアボカドは高エネルギー食品であるため、1日に2分の1個程度の摂取が望ましいとされています。
アボカドは脂質を豊富に含み、良質な油であるオレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸を多く含んでいます。不飽和脂肪酸は悪玉コレステロールを低下させる働きがあり、生活習慣病の予防にも役立ちます。
また、糖質やたんぱく質の代謝を助ける働きのあるビタミンB群、抗酸化作用をもつビタミンE、腸内環境を良好に保つ食物繊維などの多くの栄養素を含んでおり、非常に栄養価の高い食べ物です。
一緒に食べて栄養の吸収アップ!おすすめの食べ方
織田先生によると、アボカドの栄養を効率的に摂取するためには、一緒に食べるとよい食材があるのだそうです。おすすめの食べ方を教えていただきました。
織田先生:アボカドに含まれるビタミンEは、ビタミンCと一緒に摂取することで相乗効果が得られます。ビタミンEのもつ抗酸化作用をビタミンCが持続させる働きがあるといわれており、美肌効果などが期待されます。そのため、ビタミンCを豊富に含む、じゃがいもやパプリカ、ブロッコリーなどと一緒に食べるとよいでしょう。
適正量でおいしく健康的に食べよう
アボカドをおいしく健康的に食べるためには、1日の適切な摂取量を知っておくことが大切です。組み合わせる食材の工夫もしながら、上手に食卓に取り入れてみてくださいね!
shukana/webライター