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伊勢原産ナシ 受粉作業佳境に 市内農家で〈伊勢原市〉

タウンニュース

一つひとつ手作業で受粉を行う小泉さん

県内有数のナシの生産量を誇る伊勢原市。市内各地のナシ園では、白く小さな花が一面に咲き、農家の手作業による人工授粉がピークを迎えている。4月12日、市内神戸の小泉和明さん(58)のナシ園を取材した。

JA湘南果樹部会伊勢原支部のナシ部長を務め、30アールの敷地で「豊水」をはじめ、「幸水」「愛甘水」など8品種のナシを栽培する小泉さん。作業は気温が20度近くなる晴れた日に行うのが一般的。

受粉作業は花粉に「石松子(せきしょうし)」というピンク色の増量剤を混ぜ合わせたものを、綿帽子のような「梵天」で一つひとつの花に丁寧に手作業で実施。この日は同園で一番多く栽培されている「豊水」に受粉が行われた。

小泉さんによれば、ナシの花はひとつの花そう(花のかたまり)に6〜7個の花が下から順番に咲く。上向きに咲いている花ではなく、横向きに咲いている3番目か、4番目の花に受粉させると実が大きくなるという。

またナシの受粉は、違う品種の花粉をつける必要があることから、事前に採取した「長十郎」の花粉を「豊水」に受粉させた。

ナシの人工授粉は桜が満開になった後に行われることが多く、今年は桜の開花が昨年より10日ほど遅かったが、「去年が特に早かっただけで、今年はほぼ平年並み。作業も順調」。さらに「暖かい日が続き、受粉が順調にいけば良い。これから実が育つ時に、雹が降ると、実に傷がついてしまうので心配」と話す。

今後の天候などにも左右されるが、「愛甘水」が8月初め、「幸水」がお盆、「豊水」は9月下旬頃に出荷。「豊水は実が大きく、酸味がしっかりしてバランスが良いのが特徴」と小泉さん。

JA湘南の担当者によれば市内でナシを栽培している農家は40件ほどで、栽培面積は11ヘクタールになる。

早期退職しナシ作り

県農業技術センターの職員として県内農家の農業指導などを行っていた小泉さん。7年前に早期退職し、40年ほど前に父の忠司さん(89)が始めたナシ作りを引き継いでいる。「実際にナシ作りをやってみると、草刈りから防除、薬をかけるタイミングなど難しく、日々勉強中」としながらも、「伊勢原は古い産地で情報交換も盛ん、技術も高く、品質も安定している」と太鼓判を押している。

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