佐川急便ら、都内初ドローンレベル3.5飛行による宅配便配送プロジェクトを実施
佐川急便株式会社(以下、佐川急便)、イームズロボティクス株式会社(以下、イームズロボティクス)、一般財団法人日本気象協会(以下、日本気象協会)、株式会社サンドラッグ(以下、サンドラッグ)は、山間地域の利便性向上に向けたドローンレベル3.5飛行による宅配便配送の実証実験を実施した
4者は、2022年7月28日に東京都が実施する「ドローン物流サービス社会実装促進事業」における支援対象プロジェクトの選定を受け、山間地域の生活利便性向上および持続可能な配送スキーム構築を目指し、協議を重ねドローン配送プロジェクトを共同で進めてきた。
本プロジェクトでは、2023年1月にドローンレベル2飛行の実証を1か月間、10月にはドローンレベル2飛行ながらも個人宅の敷地内への離発着を含むドローン配送の実証を1か月間実施した。そして、今回の実証では、同年12月に国土交通省より制度化されたドローンレベル3.5飛行による宅配便配送を実施した。
概要
青梅市の山間地域にて、ドローンによる宅配便配送の実証実験を実施した。到着したドローンから受取人が自分で荷物を取り出す今後の運用を想定した内容も実施している。また、青梅市成木エリア(旧北小曾木ふれあいセンター)への配送実験では、災害による道路等断絶時を想定した救援物資輸送の実証も実施した。
飛行ルート図・二俣尾ルート:青梅市二俣尾二丁目運動広場 ~ 青梅市二俣尾五丁目南運動広場(約1.8km)・災害時対応検証ルート:青梅市二俣尾五丁目第二運動広場 ~ 旧北小曾木ふれあいセンター(約2.5km)
出典:国土地理院撮影 空中写真(2007年撮影)を編集
実施日及び実施時間帯
令和6年2月26日(月)から3月8日(金)まで(平日10日間のうち天候の影響で5日間実施) 午前12時頃から午後4時頃まで、1日最大3往復6フライト
プロジェクト実施者
佐川急便・事業統括・実証要件定義・実証計画策定・関係各所との合意形成イームズロボティクス・機体製作および提供・ドローン運航管理・飛行許可申請・通信環境の整備日本気象協会・気象観測地点の選定・気象観測装置の設置・気象データ提供、 分析サンドラッグ・注文関連スキームの検討・商品提供
使用したドローン機体
LAB6150(イームズロボティクス社製)機体サイズ
(プロペラ込)2213×2011×980mm機体重量
(バッテリー込)14.9kg最大ペイロード10kg
東京都内初のドローンレベル3.5飛行を成功させ、実際にドローンから荷物を受け取って頂いた地域住民向けに実施したアンケートでは、ドローン配送を今後も利用したいと回答者の割合が96%と高水準になった。
また、ドローンレベル3.5での飛行となるため、道路横断時の補助者や看板といった立入管理措置を機上カメラで代替できるなど、事業化に向けての課題であった人件費を大きく削減できたという。
今後も持続可能な社会の実現を目指し、安全で効率的なドローンサービス実装に向けた取り組みを推進していくとしている。
佐川急便