元教員の藤原貞子さんが9月8日、逗子市でドキュメンタリー映画『「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち』の自主上映会を開催
横須賀市秋谷在住で元教員の藤原貞子さん(80)が9月8日(日)、逗子文化プラザなぎさホールで、東日本大震災の津波被害で我が子を失った親たちの真実究明の活動を追ったドキュメンタリー映画『「生きる」大川小学校津波裁判を闘った人たち』の自主上映会を開催する。藤原さんは「映画を見て子どもたちを守るために大人は何をすべきか考えてほしい」と話す。
2011年3月11日、宮城県石巻市の大川小学校は津波にのまれ、児童74人と教職員10人が命を落とした。ラジオや防災無線で学校にも津波の情報は伝わっていたはずだが、多数の犠牲者が出た。惨事を引き起こした事実・理由を知りたいという願いに対する行政の不誠実な対応に、「嘘や隠ぺい」を感じた一部の親たちは石巻市と宮城県に対し国家賠償を求める裁判を起こした。この映画は延べ10年にわたる親たちの闘いの記録だ。
藤原さんは今年4月に横須賀市内で行われた同映画の上映会に参加。遺族の「いつでも事故は起こり得る。こんな思いは誰にもしてほしくない。二度とこのような悲劇は起こさないようにしてほしい」という言葉を聞き、「自主上映をしよう」と決意したという。
かつて陸上自衛隊少年工科学校(現陸上自衛隊高等工科学校)で教鞭をとっていた藤原さんは1968年、武山駐屯地内の池で起きた訓練中の水難事故で13人の教え子を亡くした経験を持つ。「泥水で子どもが死んだということが重なってしまう」と涙ながらに胸中を語った。
自主上映を決めた後、周囲から「無謀だ」と反対されることも多かったが、会う人ごとに思いを伝え続けた。「現役の先生に見てもらたい」と、逗子市や葉山町の校長会に出席しスピーチもした。次第に教え子や高校の友人など応援してくれる人も増え、実現に至った。「動いて発信すれば何かしら戻ってくるものね」と笑顔を見せた。
時間は午後1時から(開場0時)4時30分(予定)。料金は1000円。チケットは逗子文化プラザで販売中。
(問)藤原さん【携帯電話】080・6573・5077