『F1/エフワン』公式レース当日にコース上で撮影敢行、時間はたった10分 ─ ブラッド・ピット実際に操縦「みなぎるアドレナリン」
ブラッド・ピット主演、『トップガン マーヴェリック』(2022)ジョセフ・コシンスキー監督が放つ映画『F1/エフワン』が求めたのは、“本物”のスピードと精度──。実際のF1グランプリの開催中、ごく短い時間で本物のコース上で撮影を敢行したエピソードが監督の口から明かされた。
本作は、元カリスマのF1レーサー・ソニーがF1の最弱チームを導き、過酷なトレーニングとレースに命がけで挑むストーリー。ソニー役のピット、ルーキーのジョシュア役を演じるダムソン・イドリスは、実際にレーシングカーのコックピットに座り、本物のサーキットを走った。
米によると、撮影が実施されたのは本物のF1ドライバーたちの“戦場”である公式レースのセッション間。レース当日のタイトなスケジュールゆえ、重要なレースシーンを撮影するために与えられたのはわずか10~15分間だったという。コシンスキー監督は撮影当日を振り返っている。
「レースの週末、寛大にも練習と予選の合間に時間を与えられたので、実際に現地へ赴くことができました。(撮影時は)ブラッドとダムソンを車に乗せ、タイヤを温めて、準備を整えておく必要がありました。(実際の)練習が終わるとすぐ、彼らはトラックに出ていったのです。」
ピットとダムソンは撮影前から数ヶ月間のトレーニングを積んだ。プロデューサーと監修を務めた現役スターのルイス・ハミルトンは、訓練初日にピットの運転能力を自ら測定したという。「ブラッドが運転できなければ映画全体が失敗します。彼に天性の才能があるとわかってルイスは喜んでいましたね」とコシンスキー監督は語る。「ブラッドの操縦は演技ではありません。すべてのシーンでコース上を走り、壁にぶつからないよう集中しているのです」。
ちなみに既報によると、実際のサーキットではレースシーンだけでなく会話シーンもわずか9分で撮影されたそう。以前、コシンスキー監督は「(脚本の)1ページや1ページ半のやり取りを、3人の俳優で9分くらいのうちに撮る。緊張感が高まり、全員が前のめりになります。スタジオで10時間かけて撮るような方法ではそうはならない。俳優からみなぎるアドレナリンを感じられるんです」と。
映画のリアリティを実現できたのは、実際のF1チームやドライバーが一同を招き入れてくれたからだと監督は強調する。「リアリティある映画にしよう、彼らのスポーツを最高の形で表現しようと熱心に取り組む様子を見て、彼らは私たちを受け入れてくれました。劇中で彼らが本人役を演じ、ともにコースで撮影できたことで、驚くべき信頼関係が証明できました」。
本作はF1の全面バックアップを受け、F1グランプリと同じロゴをタイトルに使用したほか、『トップガン マーヴェリック』を超える技術を駆使し、世界各国のサーキットコースで映画史上かつてない撮影を敢行した。出演者はブラッド・ピット、ダムソン・イドリスのほか、ピットクルーのケイト役に『イニシェリン島の精霊』(2022)のケリー・コンドン、チームの代表ルーベン役に『デューン 砂の惑星』シリーズのハビエル・バルデムら。
映画『F1/エフワン』は2025年6月27日(金)公開。
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