サステナビリティ分野で優れた世界&日本の大学ランキング一覧
「QS 世界大学ランキング:サステナビリティ」とは?
QSとはクアクアレリ・シモンズ(Quacquarelli Symonds:QS)の略。イギリスに本社を置き、世界の高等教育に関する情報やサービスを提供する企業だ。QSでは毎年、世界中の大学を対象にしたランキングを発表しており、グローバルな大学ランキングとしてよく知られている。
「QS世界大学ランキング:サステナビリティ」は、そんなQS世界大学ランキングのなかでも、サステナビリティ分野に注目したもの。ESG(環境・社会・ガバナンス)の課題に対する取り組みについて、それぞれの大学を独自の指標で評価している。
ESG(環境・社会・ガバナンス)の指標で評価
「QS世界大学ランキング:サステナビリティ」では、以下の3つの指標でスコアがつけられ、総合スコアでそれぞれの大学を上位からランキングに並べている。
サステナビリティ分野について質の高い学習環境が提供されるか、教員や大学の研究がどのくらい進んでいるかといったことに加え、大学自体がSDGsの取り組みをどのくらい実践しているかも評価されている。
環境への影響(Environmental Impact)
環境問題に関する学術的な評価、気候科学やサステナビリティに関する教育コース、環境問題に関する研究に対する評価、環境関連での卒業生の革新性など、「環境への影響」分野だけでも17の項目それぞれでスコアを出している。
社会への影響(Social Impact)
「社会への影響」の項目はさらに多岐にわたり、平等(学生や教員の男女比、障がい者へのサポート等)、健康とウェルビーイング(キャンパスでの健康関連のサービス提供等)などについて細かく評価される。
ガバナンス(Governance)
ガバナンス面では、倫理的な大学のカルチャーや公共にどの程度開かれたキャンパスであるか、大学の財政面での透明性、学生によるユニオンなどが評価の対象となる。
2025年ランキング TOP100
2025年「QS 世界大学ランキング:サステナビリティ」の上位100校は以下のとおりだ。なお、2025年ランキングでは、世界のおよそ1800の大学を対象に評価を行った。
1位の評価だったのはカナダのトロント大学で、2位はスイスのETHチューリッヒ、3位はスウェーデンのルンド大学、アメリカのカリフォルニア大学バークレー校(同率)だった。
一般的な大学ランキングでは、イギリスやアメリカの名門校が上位を占めるが、サステナビリティの分野については、それ以外の国々の大学が多く上位に並んだ。フィンランド、ニュージーランド、南アフリカ、アイルランドなどの国の大学も、トップ100に入ったのも特徴的だろう。
QS サステナビリティ 2025年 日本の大学ランキング
日本の大学だけに絞ってみてみると、2025年のランキングで上位1000位までに入った大学は次のとおりだ。
東京大学が44位にランクイン
日本でトップだったのが、総合スコア92.6で44位にランクインした東京大学だ。スコアの内訳は以下のとおりで、「環境への影響」のカテゴリーは評価が高い一方で、「平等」や「ガバナンス」では改善の余地があるようだ。
「サステナビリティに関する学びの場」の参考に
いまや地球環境に関する問題は、学問においても切っても切り離せるものではないだろう。サステナビリティの教育や研究がますます進むことで、気候変動などの影響を緩和するなんらかの新しい方法が生まれる可能性もある。
サステナビリティについて学びたい方や、地球環境に関する研究について調べたいときなどは、ここで紹介したランキングを参考にしてみてはどうだろう。
※参考
QS World University Rankings: Sustainability 2025|QS