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140億超の予定データが導き出した“未来のトレンド” TimeTreeが選ぶ今年の大賞は「万博」に決定

舌肥

全世界の登録ユーザー数が7,000万人を超えるカレンダーシェアアプリ「TimeTree(タイムツリー)」。日々のスケジュール管理だけでなく、家族やパートナーとの共有ツールとして定着したこのアプリには、膨大な「未来の行動データ」が蓄積されている。その数、実に140億超。このビッグデータを統計的に分析・活用する社内機関「TimeTree未来総合研究所」が、来る2025年を象徴する“予定”トレンドを表彰するアワード「TimeTree Schedule of the Year 2025」を発表した。第1回となる今回は、6つの部門を設置。各部門で5つのワードがノミネートされ、その中から2025年を最も象徴する「Schedule of the Year」として「万博」が選出された。人々のカレンダーに刻まれた予定から、来たる年の潮流を読み解く。

データ集計について
◆対象データ
・2025年1月1日~10月31日に国内TimeTreeユーザーが作成した予定のタイトル
◆集計条件
・2025年(1月1日~10月31日まで)と2024年1年間を比較し、2025年の1日あたりの平均登録数が2024年の2倍以上ある予定タイトルを抽出
・部門に該当する予定タイトルを1日あたりの平均登録数の差が多い順に選出
・予定タイトルは名寄せをせず、登録されたままの名称で選出
◆データの取り扱いについて
・匿名性を保つために、統計的に処理したデータを使用して分析

「おでかけ部門」の主役は国家的ビッグイベント

移動の自由が完全に戻りつつある中、おでかけ部門で圧倒的な存在感を放ち、見事1位および総合大賞に輝いたのが「万博(大阪・関西万博)」だ。

2025年4月から開催されるこの国家的イベントは、関西エリアへの旅行需要を大きく牽引。カレンダーへの登録数からも、多くのユーザーが開幕を心待ちにし、すでに具体的な日程を確保している様子がうかがえる。単なる観光旅行にとどまらず、「歴史的な瞬間」を体験しようとする人々の強い意志。「万博」というワードは、2025年の日本人の動きを象徴するキーワードといえるだろう。

その他、ノミネートされたワードには「デザインあ展」「淀川花火大会」「ちいかわパーク」「ニンテンドーミュージアム」が並ぶ。いずれも非日常を楽しむための予定であり、体験価値への投資意欲は依然として高い。

続編・実写化に高まる期待。「映画部門」に見るエンタメの潮流

スクリーンで味わうエンターテインメント、映画部門。ここで1位を獲得したのは、7月18日に劇場版三部作の第一章を公開した「鬼滅(の刃)」だ。

日別の予定登録数推移を見ると、公開から数日の間に多くの予定が集中。特に公開初日には爆発的な伸びがあり、TimeTreeに登録された予定のおよそ90件に1件が「鬼滅」関連の予定だったことがわかった。

ノミネート作品には「国宝」「チェンソーマン」「8番出口」「スティッチ」が挙がった。テレビシリーズの続編や人気コンテンツの実写化など、話題性のある作品が公開日を指折り数えて待たれている状況。映画館という空間で感動を共有したいというニーズは、2025年も健在だ。

ドームからライブハウスまで。「アーティスト部門」が示す推し活の熱狂

アーティスト部門を制したのは「ちゃんみな」。ホール〜アリーナまで14公演を巡る全国ツアー「AREA OF DIAMOND 3」の発表が大きく影響したようだ。また、ガールズグループオーディション「No No Girls」などへの関与により、次世代ガールズカルチャーの象徴として「推し活」熱が高まり、ライブ・配信視聴・発売日の登録が一気に増えたと推測される。

2位には1位の「ちゃんみな」と関連してオーディション番組「No No Girls」から誕生した「HANA」がランクイン。3位「ONE OK ROCK」と4位「平井大」、5位「timelesz」については、いずれも大型ツアーを発表しており、遠征の計画や複数公演管理のニーズが予定登録を押し上げたと思われる。

「フード部門」の1位はブーム再燃の「アサイー」

フード部門で1位となったのは「アサイー」。第一次ブームから約10年前が経過した現在、再び第二次ブームが訪れている「アサイー」は高い栄養価と美容効果からZ世代を中心に人気が高まり、今回ランクインする結果となった。日別登録数の推移を見ると、年始からじわじわと予定数が増加していき、セブンイレブンやスターバックスなどで「アサイー」関連の商品が発売されるタイミングで大きく予定登録が増えていたことが読み取れた。

続いて「麻辣湯」や「みそきん」「もっちゅりん」など若い世代に人気の食に関するワードが多くランクイン。特に「もっちゅりん」に関しては販売期間が6月初旬からの1ヶ月あまりだったにも関わらず4位に入ったことから、瞬間的な人気の高さがうかがえる。また、5位に「かき氷」がランクインした背景には今夏の猛暑の影響があったことが推察される。

2025年問題やマイナ保険証開始でマイナンバーが「社会部門」の1位に

社会部門で1位となったのは「マイナンバー」。これはマイナンバー普及初期の2016年にカードを申請した人々が今年有効期限を迎えたことによる「2025年問題」や、健康保険証のマイナ保険証一本化、スマホでのマイナ保険証利用開始など、マイナンバーカードに関する話題が多くあったことが原因だと思われる。予定の登録数推移を日別で見ると、ゴールデンウィークに入る直前の4月28日やお盆休暇に入る前の8月12日、シルバーウィーク中日の9月22日に予定登録が集中しており、役所が休みに入る前に手続きを済ませようとした人が多かったことが読み取れる。

続くノミネートには「世界陸上」や「参議院選挙」「国勢調査」など数年に一度しか行われないイベントに関連した予定の他、発売後の転売対策なども話題になった「switch2」がランクインした。

兆しはカレンダーの中に。「ネクストトレンド部門」

TimeTree未来総研が、ジャンルを問わず「次に来る」と予測したネクストトレンド部門。ここでも5つのキーワードが選出された。

【ワード1】:ピックルボール

テニスとバトミントン、卓球を組み合わせたようなアメリカ発祥のニュースポーツ。アメリカでの急激な人気上昇を背景に2025年には競技人口が前年約5倍の5万人に到達し、国内初のプロリーグ戦の開催や、専用屋内施設のオープンなども話題になった。

【ワード2】:耳つぼ

耳のつぼにチタンのボールが付いたシーツを貼り付けることで、おしゃれを楽しみながら美容・健康をサポートできる「耳つぼジュエリー」が流行したことで予定数が上昇。見た目の可愛さから若年層を中心に予定の登録が多くなっていた。

【ワード3】:自然界隈

自然好きな人々の緩やかなつながりや、自然を楽しむ様子をSNSに投稿することを表したワード。今回の表彰対象には入らなかったが、「自然界隈」の予定増加に伴って都心近郊で自然を楽しめる「上高地」や「深大寺」「秋川渓谷」といった地名の予定数も増加が見られた。

【ワード4】:aiセミナー

世の中全体での急激な「AI技術」の浸透に伴い、予定登録数が大きく伸びていた。プライベートの予定が多くノミネートした今回のアワードにおいて唯一ビジネスに関連したワードとして選出され、ビジネスパーソンからの関心の高さが現れる結果となった。

【ワード5】:地域クラブ

学校部活動の一部を地域の団体が担い、休日の練習や大会運営を地域で支える仕組みのこと。2025年にはスポーツ庁・文化庁が活動要件や安全管理などを定めた「地域クラブ活動の認定制度」案を示し、市町村での制度整備と支援スキームづくりが本格化している。

これらはまだ爆発的なムーブメントには至っていないものの、感度の高いユーザーたちのカレンダーには既に登場し始めている。今後、これらのワードが日常に浸透していく可能性は高い。

TimeTree未来総研所長 深川泰斗氏のコメント

本アワードの発表に際し、TimeTree未来総合研究所 所長・深川泰斗氏は次のようにコメントしている。

この度「Schedule of the Year」を初めて開催し、ユーザーの皆さまが日々登録している“予定”には、その年の空気感や生活者の関心が鮮明に刻まれていることをあらためて実感しました。

今年は、万博をはじめとした大型イベントの盛り上がりや、アサイー・耳つぼなどZ世代を中心とした軽やかなブーム、そしてマイナンバーや参院選といった社会的テーマまで、多様なトレンドが予定から読み取れました。また、ピックルボールや地域クラブといった新しい価値観や取り組みも台頭し、「次に来る兆し」を予定が確かに示していました。

TimeTree未来総研では、今後も膨大な予定データをもとに社会の変化を読み解き、未来を考えるための手がかりとして生活者のみなさまに還元してまいります。

未来の予定が教えてくれる、2025年の輪郭

140億ものデータから見えてきたのは、大きなイベントへの期待と、日々の暮らしを大切にする人々の姿だった。「万博」という非日常の祭典に胸を躍らせつつ、一方で健康や社会制度といったリアリティのあるテーマとも向き合う。カレンダーに登録された一つひとつの予定は、単なる備忘録ではなく、ユーザーが「こうありたい」と願う未来そのものだ。

TimeTree未来総研が提示したこれらのトレンドは、2025年という年を理解する重要な羅針盤となるだろう。あなたのカレンダーには、どんな未来が登録されているだろうか。

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