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共働き「俺は仕事休めない」に妻の怒り爆発...「夫婦喧嘩の2大場面」子育て家庭のモヤモヤ 解決法を専門家が解説

コクリコ

子どもといても「スマホを凝視」な夫、子どもが急に発熱しても「俺は休めないよ」と言う夫……なんでこうなの? 家族心理学者の布柴靖枝先生が「夫婦喧嘩のイライラ・モヤモヤ解決法」を解説。

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忙しい子育ての日々。頼れる相棒でいてほしい夫が、疲れを倍増させるイライラ・モヤモヤの原因になっていることがありませんか?

たとえば、「子どもと公園に行っても、父親はベンチから動かずスマホを凝視している」という場面。

子どもから目を離すのは危ないと指摘しても、改善されずにイライラ・モヤモヤ……。

なぜ父親は「子育てに対する危機感」が、母親よりも薄いのでしょうか?

家族問題のカウンセリングを40年近く担ってきた、夫婦関係のエキスパートで、家族心理学者の布柴靖枝先生(文教大学教授)に、夫婦喧嘩のイライラ・モヤモヤ解決法をお聞きしました。

育児の「危機感」夫と妻で違う理由

▲令和の子育てカップルは、男女共に育児するのがあたりまえ。しかし「子どもの世話」に対する危機感が、パパとママで違うことも。(写真:アフロ)

子どもの世話をパパに任せたのに、スマホに夢中で子どもは放ったらかしに……SNSなどではしばしば、ママたちのこんな嘆きが注目されます。

目を離しているうちに、子どもが転んだり、危険なものを口に入れてしまうかもしれない。一人でトイレに行って、危ない目に遭うかもしれない……。

しかし、その危機感の無さを夫に指摘すると、謝るどころか「お前は大げさなんだよ~」と鼻で笑われてしまうことも。

どうして夫は妻と同じ危機意識で、子どもの安全を考えられないの? 何かあってからでは遅いのに!

布柴先生は、こう指摘します。

危機感の差、個人の性格だけではない

「この危機感の差は個人の性格だけではなく、日本社会で長年続いてきた、父親と母親の役割分担が影響しています」

夫が、妻と同じような「危機感」で育児に関われないのは、長い間、積み重なった問題だということです。

「昭和の高度経済成長期には、“男は仕事、女は家事育児”という、性別役割分業の構造がありました。その構造の中で育った多くの男性は、『育児は母親がやるもの』と、無意識のうちに思い込んでいて、子どもとの関わりも、母親に多く任せてしまいがちです」

(写真:アフロ)

令和の今では「子育ては夫婦でするもの」との考えが広がっているはず。ですが前の時代の思い込みから、多くの家庭ではまだ、育児の負担が母親側に偏っています。

この偏りは睡眠不足や産後うつなどの問題を引き起こしていますが、それだけではなく、子どもをめぐる危機感の差にも影響している、というのです。

妻の意見、否定する夫の「隠れた心理」

「育児を主に担っている母親たちは、子どもの生活をより細やかに見ている傾向があります。子どもと関わる機会がより少ない父親の場合、母親と同じ細やかさでは見ていないので、意見が異なりがちなのです」

身の危険に関わる場合は重大ですが、そうでなければ「意見の違い」自体は悪いことではないと、布柴先生は言い添えます。

細やかな母親とは違う父親の視点が入ることで、子どもへの過干渉を防げるケースもあります。

「意見の違いを話し合う前にスルーされてしまうときには、伝え方にヒントがあります」「『あなたは危機感が足りない』のように、相手を主語にして伝えると、相手はそこから支配やコントロールの意図を感じます。そこから逃れようとして反射的に、こちらの意見を否定してしまうのです」

夫婦で一緒に考えたい子どもの安全対策でも、伝え方によっては、反射的に否定されてしまう。そこで話し合いができなくなるのは、夫婦の不仲に止まらない、子どもにもリスクの及ぶ状況です。

否定されずに話し合いに入るには、どうしたらいいのでしょうか。

拒否されずに伝えるコツ

「反射的な否定は、伝え方を変えることで避けられます。『あなた』ではなく『私』を主語にして、自分の感じているリスクや心配を伝える方法です」

私はこうなるのが怖い、私は子どもがこうなるのを避けたい、と、「私は」と話し始める。そしてリスクを感じている状況を、具体的に説明する。

この伝え方なら、相手は「自分を支配しようとしている」と感じず、リスクの説明に耳を傾けやすくなります。

「不安や驚きがあっても、それを伝える相手を傷つけない表現を使うことも大切です。それは意識して行えば身につけられるもので、心理カウンセリングでは『アサーション・トレーニング』という方法があります」「夫婦仲や家族関係の相談に来る方には、怒りの感情に流されない『アンガー・マネジメント』と一緒に取り入れてもらうと、とても効果があるんですよ」(布柴先生)

「俺は仕事を休めないよ」に怒り爆発…!

育児生活でのイライラ・モヤモヤには、定期的に繰り返されてしまうものもあります。

▲子育て中は、看病や通院、保護者会など、子どもに関わるできごとで「仕事を休まなければならない」状況はたびたび起こりますが……。(写真:アフロ)

特に共働きの家で起こりがちなのが、「子どものために仕事を休むのはいつも母親」という不公平な状態。今回だけは夫に頼みたいと相談しても、まったく考えるそぶりもなく、

「俺は仕事、休めないよ」。

「私だってもう休めない!」と声を強めたり、そう言いたいのをグッとこらえたことのある人は、多いのではないでしょうか。

発熱など予想できないハプニングだけではなく、乳児検診や定期的な通院、保護者会など、前もって把握できる予定もあります。それなのに、どうして夫は仕事を調整できない・しないのでしょう?

「家で仕事の話はしたくない」という心理

「これはご家庭の状況や、それぞれの仕事や働き方によっても違うものですね。それでもやはり、ここにも社会の構造が影響しています」

布柴先生は再び、「男は外で仕事、女は家で家事育児」の時代を振り返ります。

この役割分担が主流だった時代、父親は家族に細かく仕事の話をしないものでした。

その名残で「家には仕事を持ち込まない」「仕事場に家庭の事情を挟まない」と考える人は、今もいます。「家でまで仕事の話はしたくない」という人も。

「共働きが増えて妻が働くようになっても、家ではお互いの仕事の話はしない傾向があります。加えて日本では、女性の非正規雇用や時短勤務が男性よりもかなり多く、夫と妻の働き方や仕事内容が違うケースが少なくありません」

夫婦で違う「休みにくさ」の意識

最新の調査では、子どものいる世帯の80%が「共働き」であることがわかっています(令和6年・厚生労働省)

子持ち共働き夫婦の約4割は「夫も妻も正規雇用」ですが、のこりの約6割の夫婦は、片方が正社員で片方はパートなど、「雇用の形が異なる」働き方をしています。

仕事先や雇用の形が違えば、夫婦で「休みにくさ」や「休めない時期」が違うのは当然のこと。

それを伝え合い、把握し合わないまま、なんとなく「子どもの体調不良や用事で休むのは、いつも妻」という形になっていないでしょうか?

そうなる要因はやはり、性別役割分業の思い込みにあると、布柴先生は説明します。

「この不公平感を減らすには、夫婦でお互いの仕事の内容や状況を共有することが欠かせません。休みにくさや繁忙期を把握しあった上で、片方に負担が偏りすぎないように、助け合っていくのが望ましいです」

(写真:アフロ)

第一歩は、お互いの仕事に関心を持ち合うこと。

その上で、定期的な用事だけではなく、急な発熱などの緊急事態に対するルールも前もって決めておくのが良いでしょう。一度分担を決めたら終わりではなく、その都度の状況をこまめに知らせるのも大切です。

「子どもの用事には母親が付き添う」という思い込みは、夫婦だけではなく、保育園や義理家族、病院など、日本社会のさまざまなところにもあります。

その思い込みに対処するため、子どもの書類に書く「第一の連絡先」を夫の電話番号にする、というやり方も。妻が対応するときでも、夫がその状況に関わる形を自然に作れます。

────◆────◆────

子育て世代にむけた「夫婦喧嘩のイライラ・モヤモヤ解決法」は全3回。第2回となる今回は「危機感の違い」などを取り上げました。

イライラ・モヤモヤが生まれるのは、個人だけではない、社会の構造が理由。それを理解できると、相手個人を責めずに話し合いができ、夫婦で対策を考えられます。

ですが厄介なことに、その「話し合い」の場を作ろうとして、さらにイライラ・モヤモヤが発生してしまうことも。

そんな難しい場面にも、状況を解きほぐして理解する方法と対策はあるでしょうか。第3回でも引き続き、布柴靖枝先生に伺います。

取材・文/髙崎 順子

参考・出典
国民生活基本調査
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa24/index.html

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