コッポラ1億2000万ドル製作費映画『メガロポリス』わずか400万ドルで全米デビュー
巨匠フランシス・フォード・コッポラが1億2000万ドルとされる製作費に私財を投入した渾身作『メガロポリス』は2024年9月27日にアメリカで封切られると、推定わずか400万ドルで初週末を終えた。惨劇とも言える成績を米メディアが伝えている。
27〜29日の全米ボックスオフィスでは6位に初登場。3週目の『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』430万ドルにも敗れた。1位は初登場ドリームワークス・アニメーションによる新作『野生の島のロズ』で3500万ドル。
『メガロポリス』上映館は1854館で上位作品と比べると半数ほどだが、4位には1040館でインド・テルグ語映画『Devara Part 1(原題)』が560万ドルで初登場ランクインした。
コッポラが構想40年以上を費やしたこのパッション・プロジェクトは、CinemaScoreによる観客の出口調査でもD+と芳しくない。Rotten Tomatoesでは批評家スコアが50%と賛否真っ二つ、観客スコアは35%。アダム・ドライバーやジャンカルロ・エスポジートといった一流キャストを揃えたが、今後口コミで逆転する見込みは薄く、米国内では利益を上げるどころか製作費の回収も絶望的だ。本作は米国外29の国と地域でも公開される。
撮影の一部ではIMAX認定カメラを使用したため、限られた期間ではあるがIMAXシアターでの上映にも漕ぎ着けることができた。米は、「IMAXがなければ、『メガロポリス』はさらに暗礁に乗り上げていただろう」と記している。
大災害に見舞われ廃墟と化した現代アメリカの街を再建しようとする建築家の男・セザール・カティリナ(アダム・ドライバー)の物語。理想の未来を思い描きながら街を建造しようとするが、強欲や利権に固執する市長フランクリン・キセロ(ジャンカルロ・エスポジート)からの阻害を受けてしまう。
この映画は米国内ではライオンズゲートが配給を担当しているが、カンヌ国際映画祭でのプレミア上映での批評家反応を受け、配給費用やマーケティング費用は負担しておらず、代わりにコッポラ自身が自費捻出している。その宣伝では、『ゴッドファーザー』(1972)や『地獄の黙示録』(1979)など今では名作とされるが公開当時は酷評されていたコッポラの過去作の悪評コメントをあえて取り上げる挑戦的な予告編映像が製作されたが、そのコメント選定にAIを使用したため、内容がアベコベとなってという珍事も発生。撮影時にもトラブルが伝えられた波乱万丈の一作、このままではコッポラの晩節を汚してしまう作品となってしまうかもしれない。日本公開は未定。
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