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【沼津・絵本専門店グリム】縁側から中へどうぞ 親子で来たい! まるで実家のような絵本の店

テレしずWasabee

テレしずWasabee わさびー

静岡・沼津市内の閑静な住宅街に建つ緑と赤の“おうち”。絵本を専門に販売する「絵本専門店グリム」です。約4000冊が販売されていて、絵本作家のトークイベントや読み聞かせも定期的に行われています。親子そろって足を運んでほしい、心温まる場所をご紹介します。

沼津市の住宅街のなかに

緑色と赤色の外観が特徴的なお店

沼津市内の住宅街を歩いていると、緑色と赤色のかわいらしい建物が見えてきました。こちらが絵本専門店グリム。

実家に帰るかのように縁側から中に入ると、絵本がたくさん並んだ温かみのある空間が迎えてくれます。

約4000冊もの絵本がお出迎え

店内には、新刊をはじめ何世代にもわたって愛されてきた昔話やロングセラー絵本、赤ちゃんと一緒に楽しむ絵本、おすすめの児童書など。その数、約4000冊!

学生も大人も、思わずなつかしくて手に取ってしまう絵本がたくさんあります。

「なつかしい! これってどんなお話だったっけ?」。そんな声が聞こえてきそう。

だれもが時間を忘れて、たちまち絵本の世界に引き込まれてしまうでしょう。

壁には絵本の原画が

絵本の販売コーナーのほか2階には「ギャラリー」があり、今話題の絵本の原画が展示されています。

2階へ案内してもらう途中、階段の壁にはパネルが。

絵本「なんかひとりおおくない?」の原画

前回の原画展で展示された「なんかひとりおおくない?」(著:うめはら まんな)の原画です。

おじいちゃんの家に来た僕は、いとこや親せきの子供達と一緒に遊びますが、なんか一人多いような? なぜ多いのかは、ぜひ絵本を読んで確かめてみてくださいね。

絵本専門店グリムの2階にある「ギャラリー」

ほどよい広さのお部屋の真ん中、温かみのある照明の下に木の机が置かれており、原画を入れた額縁が周りを囲みます。

座るととても気持ちが落ち着き、コーヒーを飲みながらぼ~っと過ごしたい。そんな気持ちになる不思議な空間でした。

現在のギャラリーには「きみがいるから」の原画が展示されています

ギャラリーに展示されている原画の作品は定期的に入れ替えており、作品によって雰囲気がガラッと変わるのだそうです。

絵本がもっと好きになるイベント

絵本専門店グリムは、絵本の販売だけでなく子供から大人まで楽しめる、絵本のイベントを定期的に開催しています。

2022年11月25日に行われた「秋のおはなし会」(画像提供:絵本専門店グリム)

おはなし会や絵本の作り手による絵本講座など、絵本を深く学べるイベントが盛りだくさん。さらに絵本作家によるトークイベントやサイン会なども開催されています。

12月14日には「冬のおはなし会」が予定されています。笑えるお話や、思わずほっこりしてしまうお話まで。おはなし会が終わったあとはみんな仲良しです。

11月23日に開催される秋のグルメイベント「三島フードフェスティバル2024」にも出店します。

イベント情報はインスタグラムかLINEでお知らせしています。

「きみがいるから」原画展&トークイベント

「きみがいるから」原画展

くさかみなこ さん作、 はしもとみお さん絵の「きみがいるから」原画展が10月12日~11月4日まで2階ギャラリーで開催されます。

10月19日には、くさかみなこ さんのトークイベント&サイン会が行われます。一足お先に、原画展を見せてもらいました。

実際に絵本に登場する絵の原画

ある日うちにやってきた保護ネコの小さな君(きみ)。きみと一緒に過ごすかけがえのない毎日がつづられた、ネコを愛するすべての人へ捧げた絵本です。

言葉の一つひとつが心にじんわりと響きます。また絵のネコの表情がとてもリアルで、思わず自分の家のネコを見ているかのような気持ちになるでしょう。

ネコはツンデレ…抱っこするとなぜかイヤイヤ

原画展の会場であるギャラリーは、ネコに囲まれた不思議な空間でした。閑静な住宅街の中にあるため、お部屋はしんと静まりかえっています。

躍動感のある原画のネコの表情に、まるですぐそばにネコがいて一緒に過ごしているかのような気分になりました。出会った保護ネコの「君」と一緒に過ごす時間を追体験できますよ。

絵のラフ画も展示されています

■イベント名 「きみがいるから」沼津原画展
■日時 10月12日(土)~11月4日(月)

■イベント名 絵本作家くさかみなこさん&編集者 トークイベント&サイン会
■日時 10月19日(土) 13:00~
■参加費 1500円
■申し込み 絵本専門店グリムの公式サイトより

続きが気になるオススメ絵本

絵本専門店グリムを運営する飯塚 須磨子さんと工藤 恵理子さんから、大人が読んでも楽しい絵本をたくさん教えてもらいました。その一部をご紹介します。

「ながいながいへびのはなし」著:風木 一人 絵:高畠 純

体が長いヘビさん。あまりにも長すぎてヘビの頭は考えます。「そういえば今ごろ僕のしっぽはどうしているだろうか」。一方でヘビのしっぽは考えます。「そういえば今ごろ僕の頭はどうしているだろうか」。

頭としっぽはお互い会いに行く決意をしますが、距離が長すぎるなか果たして無事に出会えるでしょうか。

「へびながすぎる」作:ふくなが じゅんぺい

続けて2冊目もヘビの絵本です。

ヘビの体は長すぎる。それゆえに誰も自分に気づかず、自分の体を使ってなわとびをしたりプールを作ったりやりたい放題! ようやく誰かが自分に気づいてくれるのですが。最後、思わず「え~っ!」と驚くような展開が待っています。

来年はヘビ年ですね。体が長いヘビにちなんだ面白い絵本がたくさん登場しています。

「だるまさんがころんだ」「くさはらだより」

店長の飯塚 須磨子さん著の2冊 
「くさはらだより」絵:こいで やすこ
「だるまさんがころんだ」絵:たるいし まこ

著者は、なんと絵本専門店グリムの店長・飯塚 須磨子さんです。

孫が2歳のとき、大人が思わず感心してしまった言葉や「はっ」とさせられた感性を、一つひとつ忘れないよう長年書き留めていたそうです。そのときの言葉を集めて詩にした詩集が「だるまさんがころんだ」です。

幼いからこそ感じて発する言葉があります。それは朝つゆのように光っていて、大人が読むとハッとさせられ心豊かになります。ポジティブな気持ちへと変えてくれる、そんな不思議な力を持った詩集です。

「だるまさんがころんだ」につづられた詩の一篇

「くさはらだより」は、飯塚さんが野みちを歩きながら草花と対話し、その姿をいきいきと描いた作品です。ヘクソカズラにヤブレガサ、草花の名前を皆さんはどれくらいご存じですか。

お恥ずかしながら、私は詩集に出てくる草花の名前をほとんど知りませんでした。これまであまり意識してこなかった草花に対する見方が大きく変わる1冊です。

どうしても自宅でじっくりと読みたくて、2冊とも購入しました。ずっと大切に読ませてもらいます。特にちょっとネガティブな感情になったときに読んで、心を浄化したいと思います。

小さな子供と一緒に来てほしい

絵本専門店の工藤 恵理子さんと、飯塚 須磨子さんに聞きました。お店にはどのような方が来るのでしょうか。

飯塚 須磨子さん:
小さな子供からお年寄りまで、さまざまな年齢の方がいらっしゃいます。電車の窓からお店が見えて「気になっていて、ようやく来られました!」と言ってくれた方もいました。孫のために絵本を選んであげたいと、おじいちゃま、おばあちゃまが来ることもあります

左)工藤 恵理子さん 右)飯塚 須磨子さん

小さな子供とのお出かけは、周囲に遠慮して行けるお店が限られる印象がありますが、絵本専門店グリムは親子が安心して来店できる環境にしています。

飯塚 須磨子さん:
車が多い大通りから離れているため、小さなお子さんも安心して遊びに来られます。靴をぬいで入りますから、寝っ転がれますし赤ちゃんなら店内をハイハイできます。実家にいるかのような気持ちでゆったり過ごせます

子供の絵本選びのポイントも教えてもらいました。

飯塚 須磨子さん:
子供が表紙やタイトルを見て「これ!」と持ってきた絵本を買ってあげるとよいですよ。また、図書館などで何回もリクエストしている絵本も、そばにおいてあげたらいいですね。きっとビビッとくるものがあったのだと思います。迷ったときはご相談ください

工藤 恵理子さん:
今おすすめしたい本をその場で読み聞かせてあげることもあります

私も子供のときに、なぜか読むのを何度もせがんだ絵本がありました。あの頃に読んでもらった絵本、そういえばどんなお話だったっけ? 実家へ帰省した際、母と絵本の話をしてみようと思います。

絵本は子供のためだけではなく、いくつになっても心に残って楽しめる大切なものです。子供の頃に読んだときの感情と大人になって読むときの感情が大きく異なるのも絵本の醍醐味。お気に入りの絵本に必ず出会えるはずですので、ぜひ年齢問わず多くの人に来ていただきたいお店です。

■店名 絵本専門店グリム
■住所 静岡県沼津市大岡905-1
■営業時間 10:00~17:00
■定休 火・水
■問合せ 055-960-6661

取材/奥村奈央

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