ワークウエアの中でももっとも屈強なロガー仕様。ニッチなアイテムにもコレクターはいるのだ。
ヴィンテージという概念が存在する世界には、必ずコレクターが存在する。そのカテゴリーは細分化されており、デニムのようにメジャーなものから知る人ぞ知るニッチなものまで、奥深い世界が広がっている。そんな様々なジャンルのコレクターを、テーマごとにフィーチャーし、膨大なコレクションの中から厳選した逸品を毎号ここで紹介していく。今回はロガー仕様のワークウエアを取り上げる。
皆川義和。新潟県出身。10代で第一次ヴィンテージブームを体感。LEVI’Sだけではもの足りず、人とは違う背景のあるヴィンテージを求めてショップを歩き回っていた。アメリカ買付にも同行し、現地の空気に触れる中で、モノへの見方が変わっていった。その転機は、森林写真家ダリウス・キンゼイの写真集。大木の中に立つ無骨なロガーたちが纏うヘビーデューティなワークウエアに魅了される。「ソラトブ古着フェス」や「ソラトブ古着バス」など、古着に関するユニークなイベントを地元の新潟県で立ち上げ、活動している。Instagram@minagawa.furugi ソラトブ古着フェス@soratobu.furugi
1910s GUITARMAN
ミネソタ州セントポールを拠点としていたGUITARMAN のSummitというラインからリリースされたホースブランケットのコート。クラシックなノーフォークスタイルだ。
Late1910s-Early1920s BLACK BEAR
今も続く有名ブランドのノーフォークスタイルのマッキーノコートで、この年代特有のカラーリングが光る。1920年後半になると世界恐慌の影響で、カラーリングが地味になる。
1910s-20s Filson
1914のパテントがタグに入っていることから1910〜20年代と推測できる。TIN CLOTH CRUISERというモデルでチンストラップ仕様。左右非対称のポケットがおもしろい。
1910s-20s Filson
当ブランドのフラッグシップモデルであるマッキーノクルーザー。プルオーバーデザインから前開きになった初期のモデル。上記と同様に左右非対称のポケットパターン。
1920s OREGON CITY
林業が盛んであるオレゴン州には数多くのマイナーブランドが存在。シンプルなロガージャケットは、小振りなポケットのパターンで、大きなカフスを用いているのが◎。
1920-30s Unknown
いわゆるTYPE1モチーフのデニムジャケットだが、ヨークなどにトリプルステッチを配したタフな仕様。コンパスを入れられるポケットが付き、森林系の作業でも使われていただろう。
1927-28 JOHN RICH
今も続くアメリカのアウトドアブランドであるWOOL RICHの前身となるメーカー。当ブランドを象徴するブラック×レッドのチェックで、A-1タイプのデザインが印象的である。
1920s HANDMADE
当時のネイティブ柄ブランケットを解体し、ハンドメイドで作ったと思われるジャケットは、アメリカのディーラーから入手。ウールではなく、地厚なコットンネルを使用。