突き抜ける酸っぱ辛さ! 名店『くじら』のポークビンダルーは高円寺らしさ全開の超個性派 / 第3回:ポークビンダルー修行
「ポークビンダルー」と聞いてすぐに何のことかわかったあなたはかなりの食通さん。もしくはカレーに目が無い方であろう。ポークビンダルーとはインドのゴア地方発祥のカレーのことである。
最近そのポークビンダルーにドハマりしている私が今回訪れたのは、読者の方から教えていただいた高円寺の『カリーショップ くじら』というお店。ポークビンダルー、メチャメチャ奥が深いカレーである。
・ポークビンダルーとは
まずはご存じない方のために「ポークビンダルー」について説明しておこう。冒頭でもお伝えした通りポークビンダルーはインドのゴア地方発祥のカレーで、旧宗主国のポルトガルの影響を受けていることでも知られている。
最大の特徴は酢(ワインビネガー)が使用されていることで、平たく言えば「すっぱからい豚肉のカレー」と言えばわかりやすいだろうか? 一般的なカレーには無い酸味が、唯一無二の風味を生み出しているのだ。
・ポークビンダルー修行
さて、まず私は偶然食べた「エリックサウス」のそれで“ポークビンダルーの目”が開き、その後は渋谷の「ポークビンダルー食べる副大統領」でポークビンダルーの幅の広さを知った。
現段階でポークビンダルーを語れるほどのキャリアは無いが、幸いなことに味覚はいい方である。まだ一般的とは言い難いポークビンダルーを多くの人に知ってもらうため、引き続きポークビンダルー修行に励む所存だ。
・高円寺へ
で、今回私が訪れたのは高円寺の『カリーショップ くじら』というお店。読者の方に「美味しいポークビンダルーのお店を教えて下され!」とお願いしたところ、お寄せいただいたうちの1つである。
調査によると『くじら』は過去5回も「食べログ100名店」に輝いているそう。レギュラーメニューのカレーは3種類で、そのうちの1つがポークビンダルーのようだ。
というわけで、JR高円寺駅すぐそばの「大一市場」の1階にあるくじらへ。ポークビンダルーは1人前1200円で、メニュー表には「ヤミツキになる酸っぱ辛さ」と記されていた。
注文からほどなくして現れたポークビンダルーは、サラサラのバスマティ米と同じくサラサラのルー。そこに角煮チックな豚肉がのっている。見た目はいかにも「スパイスカレー店のカレー」といった感じだ。
・瞬発力
さっそく食べてみると……おお! かなり酸味が強い!! ファーストコンタクトは旨味と酸味の合体攻撃で、ド派手なインパクトがある。……と思いきや、それ以上に辛さがブワッと来やがった! ウホホーーー!!
その辛さは鮮烈で、一般的な辛さのレベルで言えば「激辛」までは行かなくても「大辛」は確実にある。かなり強めの酸味を忘れかけてしまうほど、後からやってくる辛さが最も心に残った。
また辛さの効果でバスマティ米を甘く感じる効果があり、同様に別茹で(?)された豚肉の旨味もしっかり伝わって来る。ただでさえポークビンダルーは個性的なカレーであるが、くじらのそれは「そこからさらに尖ったポークビンダルー」という印象だ。
・上級者向きかも
ゆえにポークビンダルー初心者の方よりも、くじらはある程度のポークビンダルー経験がある人の方が向いているかもしれない。個性的な人が行きかう「とても高円寺らしいポークビンダルー」ではないだろうか?
なお、くじらは2種類ないし3種類の合い盛りカレーが人気のお店である。なのでポークビンダルーも他のカレーと交わることを前提として味が設計されているのかもしれない。くじらのポークビンダルー、大変おいしゅうございました。
同じ「ポークビンダルー」という料理であるにもかかわらず、過去の3店舗はいずれも味の方向性が大きく違い、そしてウマかった。ポークビンダルー、まだまだ底が見えない魅惑のカレーである。
・今回訪問した店舗の情報
店名 カリーショップ くじら
住所 東京都杉並区高円寺北3-22-8 大一市場 1F
時間 ランチ11:30〜16:00 / 17:00〜21:30
定休日 不定休
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.