宮川大聖「部活やサークルなど、仲間がいる環境を大切にしてほしい」#学生の君に伝えたい3つのこと
人生の先輩である著名人の方々から、まだまだ自由に使える時間が多い大学生のみなさんに、“学生のうちにやっておいたほうがいい3つのこと”をアドバイスしてもらおうという連載「学生の君に伝えたい3つのこと」。
今回お話を伺ったのは、11月6日(水)に約1年半振りとなる待望のミニアルバム『Little Riot』をリリースする宮川大聖さん。学生時代から“みやかわくん”として、YouTubeでのカバー動画などで注目を浴びていた宮川さんが、自身の意外な(?)キャンパスライフを振り返り、学生の今だからこそできることについてアドバイスしてくれました。
【写真】宮川大聖の撮りおろしアーティスト・宮川大聖が<学生の君に伝えたい3つのこと>
1.仲間がいる環境を大切にしてほしい
ーー学生のうちにやっておいたほうがいいと思うコトはなんですか?
自分がこの年になって思うことは、当時は自分の夢に対しての勉強が浅はかだったと思うので、学生時代にもっと勉強しておけばよかったなってことですね。ただ、自分の場合は結構特殊というか、当時はまさか音楽の道に進むなんて思ってなかったので、本当に人生何があるかわからないなと思うし、そういう意味では(当時勉強しておくことは)難しかったとは思うんですけど。でも、勉強はもちろんですけど、いちばん経験しておいた方がいいなと思うことは、やっぱり団体行動ですね。たとえば部活動だったり、サークルだったり、なんでもいいと思うんですけど……、僕、大学生の時ものすごく孤独だったというか、ずっと1人ぼっちで(笑)。
ーーえ〜、意外です!
高校の時はずっと部活動をやっていたんですけど、それがすごく大切だったなって気づかされることが多かったというか。仲間の大切さだったり、一緒に切磋琢磨できる仲間やライバルがいる環境だったり。「自分になくてライバルにあるものはなんなんだろう」って考えたり、それ故の努力の仕方だったり、そういうのってやっぱり周りに人がいないと学べない大切な要素だと思うので。
あと、僕は「自分がこの行動をすると周りはどう思うのかな」って考えることによって、自分を客観的に見ることができたのかなって思うんです。当時は、今この状況で自分がどう行動するのが周りにとって最善なんだろう、みたいなことを考えながら行動していたので、団体で動くとか、仲間がいる環境を大切にしてほしいなと思います。
ーーちなみに、大学で部活やサークルに入らなかったのはどうしてですか?
実はサッカーがやりたくて、フットサルのサークルには入ったんです。“サッカー”となると部活になってしまうし、結構本格的すぎるというか。そこまで本気でやりたいわけじゃなくて、ちょっと遊び感覚でできたらなって思ってサークルに入ったんですけど、そのサークルがいろんな事情があってなくなってしまって。で、結局別のサークルに入り直すこともなく、そのまま友達も特にできず……(笑)。
ーーせっかく一度はサークルに入ったのに、残念でしたね。
そうなんです。僕、大学は結構苦い思い出がたくさんあるので、今の学生のみなさんには僕のようにならないでほしいな、って思います(笑)。
2.壁にぶち当たって悩んでいたら『イダテンドリーマー』を聞いてほしい
ーー学生のうちに見てほしいと思うモノはなんですか?
学生の時期って、頑張らなきゃいけないことがたくさんあると思うんですね。そういう、1人でがむしゃらに夢や目標に向かって頑張っているときのお助けアイテムじゃないですけど、そういうときに音楽ってものすごく大切な存在だなって思っていて。自分も学生時代はいろんな楽曲に触れてきてたので、その曲たちにものすごく救われたし、あと、この歳になって当時聴いていた楽曲を聴くと、不思議なもので、当時のすごい頑張ってた時の自分の姿が蘇ってきたりするんですよ。音楽にはそういう力があるから、それが今の生活の糧になったり「あのときこんなに頑張ってたんだよな。だから本当はもっと頑張れるんだ」って思えたりして、大切なことを思い出させてくれるものだなと思うんです。自分の楽曲の中でも、自分の背中だったり、人の背中を押せたらいいなっていう楽曲がたくさんあるので……、だから、僕の曲を聴いてほしいです(笑)。
ーー特におすすめの1曲はありますか?
もし、壁にぶち当たって悩んでいたら『イダテンドリーマー』とか。僕が自分の可能性を信じて羽ばたけるように、みんなの背中を押せるように作った大切な曲なので、いちばん聴いてほしいのは『イダテンドリーマー』ですね。
3.ひとつのジャンルにとらわれずにいろんなことに挑戦してみる
ーー自身の経験を振り返って、学生時代にやっておいてよかったなと思うコトはなんですか?
やっぱりいろんなジャンルの音楽に触れてきたことですかね。元々両親が洋楽好きだったんですけど、その影響で幼い頃からずっと音楽を聴いてた……というより勝手に耳に入ってきたっていう表現が正しいと思うんですけど、それがきっかけで中学生ぐらいから本格的に音楽にドハマリして。当時は僕、式根島っていう小さい島に住んでいたので、音楽に触れられる機会があまりなかったんですけど、隙を狙っては親のパソコンを借りて、自分が気になったアーティストさんのCDをレンタルして、小さなCDプレイヤーでひたすらいろんな曲を聴いてきたことが、今のいろんなジャンルや曲調を歌えるようになったことに活かされているというか、自分の音楽の幅の広さに活きているのかなって思うので、だから本当に、当時いろんな曲に触れてきてよかったなって思います。
ーー自分の好きな音楽だけじゃなく、それ以外の音楽もたくさん聴かれたんですね。
そうですね。“ひとつのジャンルにとらわれない”っていうのが僕の活動のモットーというか、昔からそこは変わらずにずっとやっているので、もっと広い視野で見れば、音楽に限らずいろんなことに挑戦してみることに、その考え方がすごく活きているのかなって思います。
“音で暴れる”という意味を込めて“Riot”を使った
ーー1年半ぶりとなるミニアルバムの『Little Riot』というタイトルにはどんな意味が込められているのでしょうか。
まず、“Riot”(暴動、騒動)というワードがお気に入りで、以前から使いたいなと思っていたんですけど、今回、新曲も含めて、今までよりもいろんなジャンルの曲調が集まったので、“音で暴れる”という意味を込めて“Riot”を使って。あとは、自分の中では他にも意味を含ませているんですけど、基本的には今回がミニアルバムということで、“Little”を付けました。
ーー本作には、すでにシングルとしてリリースされている3曲のほか、新曲が3曲収録されています。1曲目の『Elysium』(エリジウム)は、不眠症さんが楽曲提供されていますが、最初に楽曲をいただいたときはどんな印象を受けましたか?
元々僕がボーカロイドがすごく好きで、今回、不眠症さんの曲調やアレンジがすごく好みというのもあってお願いさせていただいたんですけど、 届いた時は自分が想像していた何倍もすごいデモが届いたので、驚きとワクワクが止まらなかったです。
ーー同じく新曲である『ナイトステップ』はちょっと大人で色っぽい感じのナンバーですが、この曲はどんなイメージで歌詞を書かれたのでしょうか。
この曲はMori Zentaroさんにトラックを制作していただいたんですけど、最初に聴いたとき、夜の街を華麗にステップを踏みながら歩いてるイメージがパッと思い浮かんだので、その直感を大切にしながら、夜に焦点を合わせて歌詞を組んでいって。そこに、これまであんまり書いたことのない“ちょっと大人な恋”みたいなニュアンスのフレーズを散りばめたりして、わりと新しい表現に挑戦してみた感じです。
ーー『UNLIMITED』では作詞・作曲を担当されていますが、この曲はどんな曲なのでしょうか?
この曲は、尖ったギターの音が特徴的な、わりとロック調の曲で、“限界突破”をコンセプトに書いた曲ですね。でもこの曲、本当は世に出すつもりではなかったというか、何曲かあるストックの中でずっと眠り続けてた1曲なんです。自分で作詞・作曲をするとなった時に、過去に自分が作った曲を全部聴き返すことがあるんですけど、その時に、この曲の何が好きなのかとか、この曲はなんで出さないっていう決断に至ったのかを振り返る時間があって。その時に結構ビビッときて、再発掘したデモだったんですよ。で、それが今回の『Little Riot』というアルバムにめちゃめちゃピッタリだなと思ったので、 この曲をちょっと引っ張り出してきました。
ーー今作のレコーディングでの思い出深いエピソードなどあれば教えてください。
スタジオの全員で盛り上がりながらレコーディングしていく中で、デモにはなかった音を入れてみようとか、ここはちょっと変えようとか、レコーディングの場がクリエイティブな空間になれたことはすごく印象に残ってますね。
お客さんをブラックアウトさせられるようなライブを目指している
ーー昨年から自身のアパレルブランド「Etrarium」(エトラリウム)を立ち上げられましたが、今後も音楽以外の活動を積極的にやっていきたい思いはあるのでしょうか?
そうですね。やりたいことはたくさんあるんですけど、アパレルブランドを立ち上げてから、ただ洋服を作るだけじゃなくて、グラフィックを自分で制作して、それを服にデザインとして落とし込んだり、ファッションについて勉強したり、やることが本当にたくさんあるので、今はそれだけで結構手いっぱい状態で(笑)。でも、自分は結構多趣味なので、趣味を活かしたお仕事をいろいろしてみたいなっていう願望はあります。
ーーたとえばどんなことですか?
僕はアクアリウムが大好きで、自宅にもたくさんあるんですけど、アクアリウムだったり、あと、植物を特定の空間で育てる「テラリウム」っていう趣味を活かして、ちょっとしたカフェを開いたりとか。こういうことができたら楽しそうだな、ってたまに想像したりしますね。
ーー10月からはツアー「BLACKOUT」も始まりますが、こちらはどんなツアーになりそうですか?
今回のツアーは、今までのツアーとはちょっと違った、自分の音楽性の尖っている部分を全面的に見せていきたいなと思って「BLACKOUT」というちょっと尖りめなタイトルを付けさせていただいたんですけど、数ある楽曲の中でもかなりエッジの利いたものというか、インパクトのある曲をたくさんセットリストに組み込んでいるので、それにより迫力を持たせて、お客さんをブラックアウトさせられるようなライブにできたらいいなっていう、そんなライブを目指しています。
ーー最後に、ファンの方へのメッセージをお願いします。
今、僕がこうやっていろんなことに挑戦させていただいて、いろんな作品が生み出せるのも、今まで支えてくださったみなさんからいただいたパワーのおかげだと思っています。僕はこれからもみなさんのパワーを受け取り続けながら、みんなの心を動かせる作品で返していけたらなと思っているので、これからもよろしくお願いします。
PROFILE
宮川大聖
1996年7月11日生まれ、東京都出身。東京都の離島・式根島出身のシンガーソングライター。高校在学時代にペン回しや歌ってみた等の動画をTwitter、 vineなど様々なインターネットに投稿し話題となる。2018年のメジャーデビューから、わずか1年で日本武道館での単独公演を成功。2020年7月より、本名の宮川大聖で活動をスタート。現在、SNSの総フォロワー数が360万人を超える、Z世代を中心に圧倒的な支持を受ける注目アーティスト。約1年半ぶりにミニアルバム「Little Riot」をリリース。
【INFORMATION】
Mini Album「Little Riot」11月6日(水)リリース
【CD】※3形態内容共通
1.Elysium
2.ユートピア
3.Sparkling Love
4.ナイトステップ
5.UNLIMITED
6.光
<初回⽣産限定盤>
価格:4,800円+税
【特典】DVD(宮川⼤聖LIVETOUR2023「Sparkle」東京公演)
<FC限定盤>
価格:3,200円+税
【特典】36ページ撮り下ろしブックレット
<通常盤>
価格:2,250円+税
取材・文/落合由希
撮影/三橋優美子